「決して小さな子をいじめたリ、大きな子に背を向けたりしなかった」 小さな英国人 トム・ブラウンとは
武士道 第1章 #37 で引用されているTom Brown(トム・ブラウン)は、19世紀イギリスの小説家トーマス・ヒューズが1857年に発表した名作小説『トム・ブラウンの学校生活(原題:Tom Brown's School Days)』の主人公である架空の少年です。
提示された英文は、新渡戸稲造の名著『武士道(Bushido: The Soul of Japan)』の冒頭(第1章)の一節です。新渡戸は、日本の武士道における「義」や「勇」の精神、とりわけ「強きを挫き、弱きを助ける」フェアプレーの精神を西洋の読者に説明するために、当時のイギリス人に広く愛されていたこのキャラクターを引き合いに出しました。
トム・ブラウンという人物やその背景の詳細は以下の通りです。
トム・ブラウンの人物像と背景
理想的なイギリス少年像: 作中でのトムは、名門パブリックスクール(ラグビー校)に通う、元気で少しやんちゃですが、正義感が強く誠実な少年です。
名台詞の文脈: 引用されている「小さい者をいじめず、大きな者にも背中を向けない(立ち向かう)男として名を残したい」という言葉は、彼が学校生活を通じて成長し、自身の生き方の理想を友人に語った劇中の名言です。
社会的影響: この小説は、イギリスにおける「マスコキュラー・クリスチャニティ(筋肉的キリスト教)」や「ジェントルマンシップ(騎士道精神に似たフェアプレー精神)」の象徴となり、当時の若者のモラル形成に大きな影響を与えました。また、スポーツの「ラグビー」のルーツを描いた作品としても知られています。
新渡戸稲造は、このイギリスの少年が抱いた「男らしさの理想」を、日本のサムライが重んじた「卑怯を嫌い、弱者を守る」という武士道の精神に通じるものとして好意的に紹介しています。

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