武士道 第16章 #65 青年たちが長く継続して学生ストライキをやっていたが、校長の出した二つの簡単な質問によって解散した

#65  A party of unruly youths engaged in a long-continued "students' strike" in a college, on account of their dissatisfaction with a certain teacher, disbanded at two simple questions put by the Director,--


私の訳:或る学校に於いて、一教授に対する不満を理由として一団の乱暴な青年たちが長く継続して学生ストライキをやっていたが、校長の出した二つの簡単な質問によって解散した。



【現代語訳】
 
かつて、ある学校に規律に縛られず血気盛んな学生たちのグループがあった。彼らは、ある教授に対する不満から数日間の同盟休校(ストライキ)を決行した。
 しかし、校長が彼らに対して「あの教授は欠点のない完璧な人間なのだろうか?完璧であるならば彼を敬い、留任を求めるべきだ。では、教授が力不足なのだろうか?それならば、まさに倒れようとしている者をさらに追い落とすなどということは、真の男(武士)のすべきことではない」という簡単な二つの問いを投げかけた。
 この言葉を聞いたため、学生たちはすぐに同盟休校を解散した。そして、彼らが紛争の理由としていた教授自身の学力の乏しさも、校長が諭した「騒動の道徳的な結果(自らの行いの恥ずかしさ)」に比べれば、取るに足らない顧みる価値もないことであると考えるようになったのである。

【重要単語の説明】

  • 不覊粗暴(ふきそぼう): 束縛を嫌い、荒々しくて手に負えないこと。

  • 同盟休校(どうめいきゅうこう): 学生たちが連帯して行う集団登校拒否(ストライキ)。

  • 某(ぼう): 「とある」「なんとか」という意味で、人名や学校名をぼかして指す言葉。

  • ~乎(か): 漢文訓読調の表現で、「~であろうか?いや、そうではない」という反語や疑問を表す。

  • 排擠(はいせい): 仲間外れにすること。他を押しのけて排除すること。

  • 丈夫(じょうぶ): 体が強いこと(じょうぶ)ではなく、「立派な男子」「一人前の男」「武士」を意味する言葉。

  • 紛擾(ふんじょう): もめごと。ごたごた。騒動。

  • 學力缺乏(がくりょくけつぼう): 学力(知識や教える能力)が足りないこと。

  • ~に了れり(~におわれり): 「~するに至った」「すっかり~という状態になった」という完了・結果を表す表現。











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橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。