武士道 第14章 #11 薙刀といふ長柄の刀を使ひ、以て不慮の事変に際して己が身を守る
#11 Young girls, therefore, were trained to repress their feelings, to indurate their nerves, to manipulate weapons, — especially the long-handled sword called nagi-nata, so as to be able to hold their own against unexpected odds.


私の訳:この故に少女はその感情を抑制し、その神経を剛くし、武器、殊に薙刀という長柄(ながえ)の刀を使い、以って不慮の事変に際して己が身を守ることを訓練させられた。


1. Repress /rɪˈpres/
意味: (感情などを)抑える、抑制する、鎮める。
ニュアンス: 湧き上がってくる感情を力ずくで押し殺すようなイメージです。心理学用語としてもよく使われます。
2. Indurate /ˈɪndjʊreɪt/
意味: (心や神経を)無感覚にする、硬くする、麻痺させる。
ニュアンス: 元々は「硬くする」という意味ですが、ここでは厳しい訓練によって精神や神経を「鍛え上げる」「(動じないように)麻痺させる」という文脈で使われています。日常会話では稀ですが、格調高い文章で見かける単語です。
3. Manipulate /məˈnɪpjuleɪt/
意味: (道具などを)巧みに操る、操作する。
ニュアンス: 手先を使って器用に扱うことを指します。現代では「(世論などを)操作する」というネガティブな意味でも使われますが、ここでは純粋に武器の扱いの習熟を指しています。
4. Nagi-nata (Naginata)
意味: 薙刀(なぎなた)。
補足: 日本特有の武器なので、そのままローマ字で表記されています。解説にある通り "long-handled sword"(長い柄のついた剣)という説明が分かりやすいですね。
5. Hold one's own
意味: 互角に渡り合う、引けを取らない、持ちこたえる。
ニュアンス: 圧倒的な力を持つ相手に対しても、自分のポジションや力を維持して対等に戦う状況を表す便利な熟語です。
6. Odds /ɒdz/
意味: 勝ち目、可能性、形勢、(自分に不利な)差。
ニュアンス: ここでは "unexpected odds" で「予期せぬ(不利な)状況」や「不意の襲撃」といった意味合いになります。
【全体の要約】
「武家の少女たちは、感情を抑え、神経を太くし(動じない心を作り)、不意の事態にも互角に渡り合えるよう、武器(特に薙刀)を操る訓練を受けていた」という内容です。


文法のポイント
AIで調べたものに自分の意見を加えた
1. 文の主格と動詞(受動態)
Young girls... were trained to...
主語:Young girls(若い少女たちは)
動詞:were trained(訓練された)
不定詞:to repress... / to indurate... / to manipulate...
ここでは「~するように訓練された」という受動態(be trained to do)が使われており、その後に3つの目的(不定詞)が並列されています。
2. 三つの並列構造(to + 動詞の原形) 不定詞の名詞的用法
少女たちが訓練された内容が3つ挙げられています。
1.to repress their feelings: 感情を抑制すること
2.to indurate their nerves: 神経(度胸)を鍛え、動じないようにすること
3.to manipulate weapons: 武器を操ること
※ indurate は「硬くする」「冷酷にする」「麻痺させる」といった意味ですが、ここでは「精神を鍛え上げる」という文脈で使われています。
3. 挿入句と同格の表現
— especially the long-handled sword called nagi-nata,
ダッシュ(—)を使って、直前の weapons(武器)を具体的に説明しています。
called nagi-nata: 「なぎなたと呼ばれる」という過去分詞の形容詞的用法です。
4. 目的を表す副詞的用法 so as to -- は難しいですね
so as to be able to hold their own against unexpected odds.
so as to do: 「~するために、~できるように」という目的を表します。
hold one’s own: 「(引けを取らずに)持ちこたえる、対等に渡り合う」という慣用句です。
unexpected odds: 「予期せぬ逆境」や「不意の敵」を指します。







新渡戸稲造(にとべ いなぞう)の名著『武士道(原題:Bushido: The Soul of Japan)』からの抜粋です。
1899年にアメリカで出版されたこの本は、当時の西洋人に向けて、日本の精神的支柱である「武士道」を英語で解説したものです。
出典の詳細
著者: 新渡戸稲造(旧五千円札の肖像でも知られる農学者・教育者)
書名: 『武士道』(Bushido: The Soul of Japan)
該当箇所: 第14章「婦人の教育及び地位(The Training and Position of Woman)」
文章の背景
この一節は、日本の武家社会において、女性がどのような教育を受けていたかを説明する場面で登場します。
1.「家庭の守護神」としての役割:
新渡戸は、武家の女性は単に守られる存在ではなく、夫が不在の際に家庭や自らの貞操を守る「ボディガード」としての役割を期待されていたと述べています Project Gutenberg。2.精神修行としての武術:
薙刀(なぎなた)などの武器を扱う訓練は、単なる戦闘技術の習得だけが目的ではありませんでした。厳しい訓練を通じて「感情を抑え(repress feelings)」「神経を鍛える(indurate nerves)」といった、不変の不動心や忍耐強さを養うための精神修養でもあったと解説されています EKTG.org。3.西洋への紹介:
新渡戸は、西洋の騎士道におけるレディの概念と比較しながら、日本の女性が持っていた「内面の強さ」や「自己犠牲の精神」を、誇りを持って世界に紹介しようとしました。
この文章は、現代でも日本の伝統的な女性像や武道精神を象徴する一節として、多くの文献で引用されています。
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新渡戸稲造の『武士道』第14章(婦人の教育及び地位)では、武家の女性が備えるべき美徳について、西洋の騎士道との対比を交えながら深く考察されています Sacred Texts。
主な「女性の美徳」として語られている内容は以下の通りです。
1. 自己犠牲と献身(Self-Sacrifice)
新渡戸は、武家の女性の最大の美徳は「夫や家庭、あるいは主君のために自分を捧げること」にあるとしています。
彼女たちの教育の目的は、一人の人間として独立することよりも、「夫の良き伴侶であり、子供の賢明な母であること(良妻賢母)」に置かれていました Fujijoshi Repo。
自分の感情や利益を二の次にする「滅私奉公」の精神が、女性にも強く求められました OpenEdition Journals。
2. 内面の強さと不動心(Fortitude)
冒頭の英文にもある通り、少女たちは感情を抑え(repress feelings)、神経を鍛える(indurate nerves)よう教育されました。
「忍耐」と「沈着」: どんな悲劇や困難に直面しても、取り乱さずに冷静さを保つことが気高さの証とされました。
武術の習得: 薙刀などの訓練は、単なる護身術ではなく、死を恐れない精神的な強さを養うための手段でした Sacred Texts。
3. 家と貞操の守護(Guardianship)
女性は「家庭の守護神」としての役割を担っていました。
夫が戦場にある間、家庭の平穏と秩序を維持する責任はすべて妻にありました。
自分の「貞操(sanctity)」を守ることは、武士が主君への忠義を守ることと同等に扱われ、いざという時には自害して名誉を守る覚悟が求められました Sacred Texts。
4. 知性よりも品性と徳(Character over Intelligence)
武家の女性教育では、高度な学問よりも「徳」を積むことが優先されました。
知識をひけらかすことや、過度に知的な活動にふけることは、女性らしさを損なうものとして控えられました。
代わりに、立ち居振る舞いの優雅さ、言葉遣いの丁寧さ、そして家事や育児といった「婦功」に励むことが重視されました OpenEdition Journals。
新渡戸はこの章の最後で、日本の女性は一見すると男性に従属しているように見えるが、その内面には「男性に劣らぬ勇気と、深い慈愛」を秘めており、それが日本社会の道徳的な基盤を支えていたと称賛しています。





たった一つの文章にこれだけのことを解説したり、勉強したりしなければならないのか、と思われるであろうか。
自分はこのくらいしないと分からなかったし、しかし、やった分、自分のものになったような気がしました。決して無駄ではないように思います。
英文の理解だけではなく、日本語訳の日本語、漢字、そして、当時の歴史的背景、それを知った上で、現在の女性の立場について考えると深い思索ができるようになります。その思索の基盤が「武士道」となるわけです。
現在、男女平等はもちろん女性の社会進出ということが謳われている。同時に保育園の充実、待機児童ゼロ とか謳われている。できるのか? というか、数だけはできても、保育園は病気の子供、熱の出ている子供を受け入れはしない。また、保育園に行っているとしょっちゅう風邪や病気をもらってくる。その都度休まないといけない。こうなると、幼児を抱えたご婦人が働くのはかなり無理があるように実感する。
新渡戸稲造は述べている。女性は確かに社会的な地位は高いものではなかったが、家庭においては、子どもの教育と防衛に関してその立場は絶対であった。だから古代ローマでも、どんな騎士、勇者、政治家でもマトロンや母親の前では膝まづいたのである、と。女性の社会的地位は決して低くはなかったし、今もです。
ただ、男女平等、女性の社会進出と声高に叫ぶ人がいる。彼らはできもしないことを言っている。でもそうやってある方向に我々を追い立てようとしているのです。どこにか。
女性も働かせると、税金が倍になる。おまけに保育園からも税金が取れる。このようなことを考えている人もいるわけです。そう、エプスタイン島住人たちです。
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