見出し画像

武士道 第16章 #72 滅亡した種族さえも、具眼の士によって判読されるべき古文書である

#72  The very lost races are a palimpsest to be deciphered by a seeing eye.


私の訳:
 滅亡した種族さえも、具眼の士によって判読されるべき古文書である。



「具眼の士(ぐがんのし)」とは、物事の真価や本質を見抜く確かな眼識(洞察力)を備えた人物のことです。江戸時代の天才画家・伊藤若冲が残した「具眼の士を千年待つ(=自分の作品の真の価値がわかる者が現れるのを千年でも待つ)」という言葉でも広く知られています。


パリンプセスト(palimpsest)は、古代ギリシャ語で「再び削られたもの」を意味する言葉です。
 紙が非常に貴重だった時代に、以前書かれた文字を削ったり洗い流したりして、その上に新しい文章を上書きした羊皮紙やパピルスの写本を指します。 [1, 2]

語源の内訳
 
この言葉は古代ギリシャ語の複合語に由来しています。 [1, 2]

  • palin(再び)

  • psao(こする、削る) [1]

現代における比喩的な意味
 
文字通り「古い記録の上に新しい歴史が重なるもの」であることから、現代では以下のような文脈で比喩としても広く使われます。

  • 建築・都市: 古い時代の遺跡や街並みの上に、新しい時代の建物や道路が幾重にも重なって形成されている様子。

  • 心理学・文学: 過去の記憶や経験が現在の感情や思考の下に堆積し、影響を与えている状態。

「decipher(解読する、意味を読み解く)」は、中世ラテン語の「dis-(否定・反転)」と「cifra(数字・暗号)」に由来します。「数字(暗号)をバラバラにして元に戻す」というイメージから、「謎を解き明かす」という意味へと変化しました。 [1, 2]
 より詳しい語源の成り立ちは以下の通りです。

  • 分解:接頭辞の de- (外す、元に戻す) + 名詞の cipher (暗号、数字)

  • cipherの由来:アラビア語で「ゼロ」を意味する「sifr」がラテン語を経由して「cifra(数字)」になり、それが転じて「秘密の文字=暗号」を指すようになりました。 [1, 2]

元々は「数字で書かれた秘密のコードを解読する」という意味でしたが、現在では暗号だけでなく、手書きの汚い文字や古代の象形文字、難解な文章を読み解く際にも幅広く使われます。

著者コメント palimpsestとdecipherがどうしても覚えられなかったので、語源を勉強してみた。すると覚えられた。




具眼の士が古文書を判読している様 w / nanobanana2




いいなと思ったら応援しよう!

橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。