1.生きていた証
1.生きていた証
これまで悲劇に見舞われた動物たちの実態について述べました。
戦時猛獣処分について、新聞やテレビ・ラジオで取材されると、
どんな動物が処分されましたか?
どこの動物園で処分されましたか?
全国で何頭処分されましたか?
この3点がよく質問される。
何か、動物たちが単なる標本のような、冷たさを感じてなりません。
猛獣処分や栄養失調で死んだ動物たちには、生きた証がある。
私物の昭和4年と昭和7年の上野動物園を撮った映像フィルムには、処分されたライオン「アリー(オス)」と「カテリーナ(メス)」が威風堂々と動いている。オスのゾウ「ジョン」もいました。動物園みずから餓死させたメスのカバ「京子」もしくは栄養失調で亡くなったオスのカバ「大太郎」もいました。戦前の「動物園見学」という玩具フイルムには動き回るゾウの姿がある。この映像が上野動物園であれば、「かわいそうなぞう」で有名なメスゾウの「トンキー」と考えられる。
数年後に来る戦争、その後に待ち受ける処分、これら犠牲となった動物たちの生きていた頃の姿であった。資料としての動物のではない、動物たちのエピソードを取り上げた。

