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EDITORIAL COACHING

『EDITORIAL COACHING』。直訳すると「編集のコーチング」。

なんのこっちゃと思われる方もいるかと思いますが、よかったら顔と名前だけでも覚えて帰ってください。

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プロコーチとして、コーチングを提供しているお松と申します。クライアントからコーチングのフィードバックをいただく中で「あれ?これは自分のコーチングの強みだな」と感じることがあり、ずっと考えていたのですが、最近ようやく理解できてきました。

それが『EDITORIAL COACHING』です。もともと持っていた編集者としてのスキルや経験をコーチングの領域に持ち込んで統合したもの。

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▲掛け合わせではなく、編集のスキルをコーチングに持ち込んで統合したイメージ

本noteはその『EDITORIAL COACHING』とは何か、を記したものです。ここまで読んでご興味を持ってくれた方は以降も読み進めていただけるとありがたいです(長くなってしまったのでお時間のある時にでも…)。


編集とコーチングの類似点

僕がやってきた「編集」は主にWEBのインタビュー記事や、そこよりもっと手前の「どんなWEBメディア作るか」をうんうん言いながらやっていく仕事。

関わるのはライターさんやカメラマンさん、デザイナーさんやエンジニアさんなど様々な作り手。作り手と編集者は「最高のコンテンツを目指す」という共通の目的を持っています。

その目的を達成するために、編集者はどうすればコンテンツがもっとよくなるかを考え、自身の持つ編集スキルを活用しています。

一方、コーチングはコーチとクライアント(コーチングを受ける人)が対話を通して、クライアントの人生の目的を一緒に探し、そこに向けた自発的な行動を促すコミュニケーション。

▲詳しくはこちらを

クライアントとコーチは、「クライアントの最高の人生を目指す」という共通の目的を持っています。

その目的を達成するために、コーチはコーチングを行います。具体的に言うと、セッションと呼ばれる1時間程度の会話を行い、質問(や様々なスキル)によってクライアントの中から答えを引き出し、自己理解を深めてもらいます。

手法は違いますが、編集とコーチングの目的はとても似ているのです。

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▲整理するこんな感じ

さらに、ここに編集者と作り手、コーチとクライアントの関係性を追加します。両者とも関係性は対等であり、同じ目標に向かって前に進む「協働関係」でもあります。

それを追加したのが次の図です。

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そう、「編集者と作り手の関係」と「コーチとクライアントの関係」はめちゃくちゃ似てるんです。

似ていると何が良いかというと、身につけやすいのはもちろんですが、スキルやノウハウを持ってきやすいんですよね(手法としての編集とコーチングはある種真逆なスキルでそこの難しさはあるのですが、それについて言及するとややこしくなるとここでは割愛します)。


さて、ここまで編集とコーチングについての関係性や類似点について見てきたのですが、ここからが本番です。前置き長くなってすみません…。

編集のスキルをコーチングに持ってきて得た提供価値、つまり『EDITORIAL COACHING』の特徴は大きく分けて4つほどあります。


俯瞰する

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映画編集の巨匠、ウォルター・マーチをご存知でしょうか? 『ゴースト/ニューヨークの幻』や『ゴッドファーザー PART III』などを編集し、アカデミー賞の編集賞も受賞した編集者。

彼の著書『映画の瞬き』でこんなことが書いてあります。

俳優やプロデューサー、監督、キャメラマン、美術監督のように、製作過程のほとんどを撮影現場で過ごしていると、血のにじむような産みの苦しみにすっかり感情移入してしまう場合がある。その結果、現像されたデイリー[ラッシュ]を確認するとき、そのつもりがなくても物理的または心情的に画面の隅っこばかりに目がいく、つまり映像として写されていること以上のものを心の目で見てしまうのだ。〜〜〜でも編集者だけは、スクリーンに写し出されている映像だけを、観客と同じ立場で見るようにするべきだ。
ーーー『映画の瞬き』より

映画編集者は撮影現場に行かない。なぜなら撮影現場の苦労を知ってしまうと、映像をカットしずらくなる、つまり、適切な編集ができなくなるから。とウォルター・マーチは語っています。

映画の編集はやったことないのですが、これは記事でも同じことが言えます。ライターさんが執筆しているところにずっと付き合っていたら、その頑張りを見ていたら、とてもじゃないけど修正の依頼なんて出せません。(取材は同席します)

「ここ、すごく頑張って執筆いただいたのでママでいこう…!」となってはいけないんですね。

編集者はコンテンツに対して、誰よりも俯瞰の視点で接しなければなりません。虫の目でなく鳥の目で「最高のコンテンツ」に近づけるのが編集者の仕事。

『EDITORIAL COACHING』においても、この俯瞰の影響が強く出ています。

コーチも編集者と同じように、クラアイントに感情移入しすぎてはいけません。共感は大切ですが、それが行きすぎて同化してはいけない。なぜなら、クライアントの悩みに対してコーチが一緒になって「どうしましょう…」となってはコーチングが成立しないからです。

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コーチングの大切なマインドの1つに「答えはクライアントの中にある」があります。

クライアントが自身の課題に悩んでいて、袋小路に入り込んでいても、必ずそこを打破できるきっかけはクライアントの中に存在している。よって、コーチは一緒に悩まずにクライアントの答えを引き出すことに専念するのです。

そこで生きてくるのが俯瞰の力。コンテンツに行っていた俯瞰をクライアントに行います。俯瞰とは言い換えると対象を多角的に見つめること。クライアントを様々な視点で見つめ、中に眠る答えを探っていきます。

コーチングを提供しているクライアントには毎回フィードバックをもらうのですが、あるクライアントに「自分自身をジオラマで見ているようでした…」と言われたことがあります。

これは俯瞰の力を端的に表してると思っていて、何より自分の提供するコーチングの価値を言語化していただいたので本当にありがたかったです。

掬(すく)う

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コーチングでは、クライアントに予め話したいテーマを持ってきていただきます(なくてもOKです)。そのテーマについて、コーチは質問を投げかけ、クライアントの前向きな内省をサポートしていく。

コーチは基本的に質問しか行いません。なぜなら、前述のように答えはクライアントの中にあるからです。そしてクライアントから言葉を引き出すことによって行動を促していきます。

なぜ言語化すると行動を促すことができるのか。これを紐解くキーワードが、「オートクライン」と「コミットメントと一貫性」です。

オートクラインとは、もともと「ある細胞が分泌した物質が、分泌した細胞自身に作用すること」という意味の医学用語。そしてコーチングでは、自分で考えを言語することによって、自分自身が話した内容について『気付く』ことを指します。

人と話している時に、「あ、自分こんなこと考えてたんだな」と思ったり、誰かと話した後に、自分の考えが整理された経験ありませんか? あれです。人から言われるよりも、自分で気づき、決定した方が納得感があり、行動に繋がりやすくなります。

もうひとつのキーワード「コミットメントと一貫性」は、簡単にいうと「人は表明(コミットメント)したものを実行しようとし、その一過性を守ろうとする」というものです。

▲こちらに詳しく書いてあります。

「昨日言ってたことが、今日違う人」に対し、嫌悪感を覚えるのもこれが影響しています。人って一過性のないものに拒否反応を示すんですね。

つまり、人は「自分がやることを言語化すると、それを実行しなければならない」という深層心理が働くのです。そうしないと自分が気持ち悪い。

だから質問し言語化をしてもらうと、相手の「行動」を引き出すことができるんです。

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とはいえ、ですよ。とはいえ、人は自分の考えていることを全て言語化できるわけではありません。だとしたら言語化についての書籍が店頭にあんなに並ばないですよね。

そこで行うのが「掬(すく)う」です。クライアントの喉元まで出てきているが、ハマる言葉が見当たらず、口から出てこない思考を掬って代わりに言葉にする。

編集は言葉を扱う仕事。取材中に相手の話を受けて「今のお話は◯◯ということでしょうか?」や「ここまでお話を伺ってきて、それは〇〇なのではないかと思ったのですがいかがでしょうか?」といったコミュニケーションをよく行います。

要約に近いのですが、単にまとめるのではなく、本質の周りに漂う言葉から本質を掬い出すイメージ。

先ほど、クライアントに言語化してもらうことが大切、と書きましたが、クライアントとの信頼関係が構築でき、こちらが本質を掬って的確に言葉にできれば、クライアントに言語してもらうのと同程度の気づきが得られることがわかってきました。

これに気づいたきっかけは、クライアントからいただいた下記のフィードバック(一部抜粋)。

『問いだけが蓄積されて答え合わせをしていない状態』という表現にかなりしっくりきています。(ああ…言語化最高…マジ言語化…)と語彙力がなくなっています。自分が悩んでるときって大体それでは??という気すらしています。

コーチングを学び始めた頃は「クライアントに言語化してもらうことが全て」と強く思っていたので(最初はそれが正解)、掬うことはしなかったのですが、今ではそれが自分のコーチングの提供価値だとわかったので、信頼関係を構築した上で行っています。

繋ぐ

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編集とは読んで字の如く「集めて編む」作業でもあります。特に企画を考える際にこの言葉はしっくりきていて、自分の中で生み出すのではなく、既存の要素の組み合わせがアイデアとなる。

少し話が変わるのですが、リモートワーク中心になってから、散歩することが日課になってきました。お気に入りのカフェをゴール地点として設定して、そこでカフェラテを飲むのを楽しみにしています。

その散歩コースにテイクアウト専門の焼き鳥があり、いつも良い匂いを嗅いでいたので小腹が空いている日に焼き鳥を一本食べてみたら凄くおいしかったんですね。

上機嫌でそのままカフェにいき、ラテを飲んだら口の中が衝撃的な不味さで天を仰いで「ジーザス…」とこぼした事があります。どちらも最高に美味しいのに、組み合わせが最悪だったんです。

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何が言いたいかというと、アイデアを生む際も同様で、ただ闇雲に要素をくっつければ良いわけではなく、繋がりに必然性がなければなりません。

必然性を見つけるコツは、対象の物や事を抽象化すること。抽象化すると枠が広がるので、枠が重なり合う部分が見つかればそこには必然性があると言って良いと思います。

この編集で行ってきた繋がりを見出す作業を『EDITORIAL COACHING』でも行います。

セッション中、クライアントにたくさんのことを話していただきます。一見関連性のなさそうな事柄も、抽象化すると繋がりが見えてくる。

話しているクライアントはそこに気づいていないので、繋がりが見えた瞬間に動機の理解や行動の意味づけが脳内で行われていきます。そしてそれが”気づき”となる。

「繋ぐ」に気づいたのは、クライアントからいただいた下記のフィードバック(一部抜粋)。

要所要所でお松さんに「こういうことですかね?」「こことここが繋がるかもしれませんね」とまとめてもらった内容は、自分の言いたいことを一言で集約していただいていて、「それが言いたかった!」と感動しました。

こちらも「掬う」同様にクライアントとの信頼関係が成り立っていないと機能しません。なので「もう繋げても大丈夫な関係性だな」と感じてから行うようにしています。

形にする

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コーチングって「会話」なので、終了後にフィジカルで残るものがありません。なので、コーチングを学びにスクールに通い始めた当初は「会話しただけで数万とるなんて怪しすぎるやろ!?」と思ってました(もちろん認定をとった今では思ってません)。

その「怪しすぎる」と思っていた時代に作り出したのが『振り返りシート』です。お金をいただくなら手元に残るものを、と考えて作ったシート。セッションで話していただいた内容をまとめたもので、話した内容が一目でわかるようになっています。


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▲実際の振り返りシート(モザイク過多ですみません)


映画でも書籍でも記事でも、編集者は「形にする」仕事をやっています。そのために「俯瞰」「掬う」「繋げる」などを行うのですが、『EDITORIAL COACHING』においても「俯瞰」「掬う」「繋げる」を行い、その会話を形にしていきます。

このシートの良いところは、セッションで何を話したかを振り返れるだけでなく、コーチングの効果が持続しやすいこと。

セッションが終わった直後はモチベーションが上がった状態になるのですが、人間なので日が経つとその火はだんだんと小さくなっていきます。

そんな時にこのシートが活躍します。シートを見て、セッションを思い出すことによってモチベーションが持続しやすい状態になります。

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モチベーションが継続しやすい状態だからこそ、日々の活動が能動的になり、セッションで描いた目的に向かって前進することができるようになる。

クライアントの中にはPCのデスクトップ背景にしている方も多く、僕もその使い方は想定していなかったので凄いなあと思っています。「印刷して部屋に貼っています!」という方もいて、作った側としては恥ずかしくも嬉しい気持ちであります。

シートを作っているときはセッションで話していただいた内容を思い出しつつ、クライアントの幸せを願いながら作っているので、お守り代わりになっていると嬉しいなとコッソリ思っています。


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▲『EDITORIAL COACHING』まとめ


以上です! 自分のコーチングの価値を言語化する作業、思った以上に難しかったです…。何よりも恥ずかしかった…。今、紫の顔が赤になっています。

最後に少しだけ、このnoteを書こうと思った理由について話をさせてください。

いろいろと定義はありますが、コーチングはコミュニケーションであることに間違いない。そしてコミュニケーションであるからこそ、同じスクールに通っても、同じ書籍を読んでも、同じ資格を保有しても、コーチの提供するコーチングに同じものは1つもありません。

得たコーチングの知識や経験は、コーチの人生で得たきたリソースと深く結びつきます。よって、意識的・無意識的問わずにオリジナルのコーチングにならざるを得ない。もちろん、ここは絶対守らなければならない、という基準はありますが(すごくすごく大切)。

じゃあその自分のオリジナルってなんやろか? がこのnoteの出発点でした。そしてその答えが『EDITORIAL COACHING』だったのです。

「どんなコーチングか」を言語化できると、コーチングを受ける側がコーチを比較検討しやすくなる、というメリットもあります。そうすると生活者のコーチングの選択肢が広がり、結果、コーチングが広がることにも寄与できるのではないかと。

コーチングが社会に浸透すると今よりも生きやすい世の中になると思ってるので、日々精進していく所存であります。


本当の最後の最後に。このnoteを書くために、クライアントのフィードバック全てに目を通し直しました。『EDITORIAL COACHING』に気付けたのはこれまでコーチングを受けてくださった皆様のおかげです。

僕を選んでくれて、僕をコーチにしてくれてありがとうございます。感謝してもしきれません。みなさんの頑張りにいつも刺激と幸せをもらっています。セッション中に冗談言ったり引き笑いしてすみません。

皆さんのこと、これからもめちゃくちゃ応援しています。一緒に涙が出るほど生きていきましょう。


最後はもちろん、こんな駄文を読んでくれているあなたに心からの感謝を。


*ここで引用したクライアントのフィードバックや振り返りシートは全てクライアントの使用許可を得て公開しております


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