Jay-z 『Marcy Me』 和訳
Quarteto 1111による「Todo O Mundo e Ninguém」というポルトガル語の楽曲がサンプリングされています。
Jay-zはこの曲でブルックリンにあるマーシー・ハウジズ公営住宅 でハスラー(麻薬の密売人)
として過ごした日々を回想します。
ことさら強調するまでもないですが
マーヴィン・ゲイの「Mercy Mercy Me」に
オマージュを捧げています。
Yah
よし
Live from Bedford-Stuyvesant
ベッドフォード=スタイベサントからの生中継だ
The livest one representin' BK to the fullest
最高にイカした男が、ブルックリンの街を
背負ってここに立っている
Bastards duckin' when Hov be buckin'
俺 (Hov )が銃をぶっ放すとき
クソ野郎どもは身を潜める
Chicken-heads be cluckin'
うわさ好きのビッチどもがピーピー騒ぎ立てる
Verse 1
Uh, back when ratchet was a ratchet and a vixen was a vixen
ああ、まだ「ラチェット」がスラングではなく
本物の銃を意味し、「ヴィクセン」がただのイイ女を指していた頃の話だ
And Jam Master Jay was alive, I-I, I was mixin'
ジャム・マスター・ジェイがまだ生きていた頃
俺も”ミックス”していたレコードじゃなくて、
ドラッグを。
Cookin' coke in the kitchen
台所でコカインを加工していたんだ
Back when Rodman was a Piston
デニス・ロッドマンがまだ
デトロイト・ピストンズの選手だった頃さ
Mike was losin' to Isiah, but he soon would get his sixth one
マイケル・ジョーダンはアイザイア・トーマスに負けていたが、すぐに6度目の王座を手にする
はずだった時代だ
Gave birth to my verbal imagination
その頃、俺の言葉の想像力が産声をあげた
Assume a virtue if you have not
徳がまだ身についていないなら
まず徳ある者として振る舞え
Or better yet here's a verse from Hamlet
いや、それよりも『ハムレット』の一節を贈ろう
"Lord, we know who we are / Yet we know not what we may be"
神様、私たちは今の自分は知っています。
だけど、これから何者になるのかは知りません。
So maybe I'm the one or maybe I'm crazy
だから、もしかしたら俺は選ばれし者なのかも
しれないし、ただ狂っているだけなのかも
しれない
I'm from Marcy Houses, where the boys die by the thousand
俺はマーシー公営住宅の出身、若者が次々と命を落としていく場所
Back when Pam was on Martin
パムがドラマ『マーティン』に出演していた頃さ
Yeah, that's where it all started
そうだ、すべてはそこから始まったんだ
When Denzel was blottin' carpet, I'll pack a nine millimeter
映画でデンゼル・ワシントンが血のついたカーペットを拭き取っていた頃、俺は9ミリ拳銃を隠し持っていた
When Slick Rick made "Mona Lisa"
スリック・リックが名曲「Mona Lisa」を作った頃だ
When Lisa Bonet was Beyoncé of her day, I had divas, y'all
リサ・ボネットが当時のビヨンセのような存在
だった頃、俺の周りにも最高の女たちがいたよ
Think I just popped up in this bitch like a fetus? Nah
俺が腹の中から急に生まれてきた新人
だとでも思ってるのか?まさか
Pregnant pause, give you some second thoughts
意味深な長い沈黙を置くから
よく考え直してみな
There's room on the bandwagon, don't abort
俺の成功という”乗り物”にはまだ席がある。
せっかく芽生えたものを途中で潰すな。
※太字の単語で妊娠の比喩が続いていることに注目
Marcy me
マーシーの街よ、俺を哀れんでくれ
これが俺のいたマーシー
Verse 2
Marcy me
マーシーの街よ、俺を哀れんでくれ
これが俺のいたマーシー。
Streets is my artery, the vein of my existence
ストリートは俺の動脈であり
俺という存在の命の血管
I'm the Gotham City heartbeat
俺はゴッサム・シティ ニューヨークの
鼓動そのものさ
I started in lobbies, now parley with Saudis
公営住宅のロビーからスタートした俺が
今やサウジアラビアの富豪たちと交渉している
I'm a Sufi to goofies, I could prolly speak Farsi
マヌケどもには俺は神秘家にしか見えない。
スーフィーさ。ペルシャ語だって話せるかもしれないな
That's poetry, reek of coca leaf in my past
それくらい詩的ってことだ、過去の俺は
コカの葉の臭いをプンプンさせていたが
Came through the bushes smellin' like roses
茂み(苦難)をかき分けてきたのに、
身にまとっているのはバラの香りだ。
I need a trophy just for that
それだけでもトロフィーをもらう価値があるだろ
Old Brooklyn, not this new shit, shit feel like a spoof
昔のブルックリンの話だ、こんなパロディみたいな最近のチャラい街のことじゃない
Fat laces in your shoe, I'm talkin' bustin' off the roof, uh
スニーカーに太いシューレースを通し、屋上から銃をぶっ放していたあの頃
Hold a Uzi vertical, let the thing smoke
※ギャング映画みたいに横じゃなく
縦に立てて銃口が煙を吐くまで撃ち続ける。
※「プロらしい射撃姿勢」の説明ではなく、
危険で荒々しいストリートのイメージを喚起する描写。
Y'all flirtin' with death, I be winkin' through the scope
お前らは死と戯れているだけだが
俺はスコープ越しに死へウィンクしているのさ
Shout out to all the murderers turned murals
若くして亡くなり壁画になった
すべてのストリートの戦士たちにリスペクトを
Plural, fuck the Federal Bureau
一人や二人じゃない、大勢だ、
連邦捜査局 FBI なんてクソ食らえだ
Shout out to Nostrand Ave., Flushing Ave., Myrtle
ノストランド通り、フラッシング通り
マートル通りにシャウトアウトを送る
All the County of Kings, may your ground stay fertile
キングス郡 ブルックリン のすべてよ
お前たちの土地がこれからも実り豊かで
ありますように
Shout out to Big Poppa, Daddy Kane, heroes
ビッグ・ポッパ ノトーリアス・B.I.G.
ビッグ・ダディ・ケイン
俺のヒーローたちにリスペクトを
Thus concludin' my concerto
こうして俺の協奏曲は幕を閉じる
Marcy me
マーシーの街よ、これが俺の生きた証だ
Outro
Must be in the air
それは空気の中に漂っているに違いない
Oh, can't walk away, I know, I know
抗って離れることなんてできない
分かっている、分かっているんだ
Just the way I'm raised
それが俺の育てられ方だから
I know, I know, I know
分かっている、痛いほど分かっているんだ
Oh Marcy, Marcy me
おお、マーシーよ、俺を哀れんでくれ
Just the way I am always gonna be
これが俺という人間だし、これからもずっと変わらない
I ain't gonna change, no
俺は変わるつもりなんてない、絶対に
Marcy, Marcy me, just the way I am
マーシーよ、俺を哀れんでくれ、
これが俺の生き方なんだ
I ain't gonna change, no
俺は変わりはしない、絶対に
I ain't gonna change, no
(Como hás nome, cavaleiro?)
変わるわけがないんだ
ポルトガル語(騎士よ、お前の名は?)
Couldn't change me if I wanted to
(Eu hei nome Todo o Mundo)
変わりたいと思ったって、変わりっこないのさ
ポルトガル語(我が名は「全世界」)
You couldn't change me if you wanted to (E meu tempo)
お前らが俺を変えようとしたって、絶対に無理さ ポルトガル語(そして我が時代は……)
I'ma take this with me to the moon
俺はこの生き様を、月まで持っていくつもりさ
