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冷やし中華で夏を先取り

今日は有給休暇。
今年の夏に企てていた、ふたつの計画のうち、ひとつを叶えに行くことにした。
私のささやかな野望は、美味しい冷やし中華と、美味しいゴーヤチャンプルーの店を開拓すること。

まずは冷やし中華を求め、地元で50年にわたり愛され続ける商店街の中華料理屋を訪ねた。
引き戸を開けると、そこはカウンターがわずか8席だけの小さな空間。平日だというのに、お昼時はすでに席を待つ人の列ができていた。

目の前に運ばれてきた一皿は、息をのむほど豪快だった。
厚切りの自家製チャーシューにハム、鮮やかな錦糸卵、もやし、そして丁寧に漬けられたきゅうりの酢漬け。器からあふれんばかりのボリュームに、食べる前から胸が高鳴る。
箸を入れ、麺をすする。すっきりとした酸味が鼻を抜ける甘酢醤油のタレが、コシの強い細麺に絶妙に絡みつく。

ふと周りを見渡せば、夫婦や大学生のグループ、楽しげな家族連ればかり。1人で来ている客は、どうやら私だけのようだった。
少しの気恥ずかしさを覚えながらも、私はただ黙々と麺と向き合い、すすり続けた。喉を通り抜ける涼やかな刺激に、「あぁ、夏が始まったんだな」としみじみ思う。

厨房の中では、ご夫婦が忙しなく立ち働いていた。
お昼どきのピークで常にバタバタと動き回るおふたりに、常連らしきお客さんが声をかける。
「がんばれよー」「忙しすぎて倒れたらあかんよー」
交わされる温かい言葉の端々に、この店がどれほど街の人々に愛されてきたかが透けて見え、私の胸の奥もじんわりと温かくなった。

お会計を済ませ、「ごちそうさまでした、美味しかったです!」と精いっぱいの感謝を伝えて店を出た。
入る前はかなり勇気がいったけれど、店を包む気さくで優しい空気のおかげで、とても心地いい時間を過ごせた。1人で行けるお気に入りの場所がまたひとつ増えたことが、なんだか誇らしい。

帰り道、八百屋の店頭で瑞々しいスイカを見つけ、思わず買って帰った。
まだ初夏。夏の本番はこれからだというのに、我ながら一日で夏を味わいすぎだと苦笑してしまう。けれど、たまの有給休暇だ、これくらい贅沢に季節を先取りする日があっても悪くない。

次は、ゴーヤチャンプルーの美味しい沖縄料理の店を探しに行こう。
夏が終わるまでに、私だけの特別な場所をもうひとつ、絶対に見つけるつもりだ。

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