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もちタク vol.23 2026年2月3日無料お試し号〜寝てない。夢を見てただけ〜

はじめに

いつもありがとうございます、もちさんです。

私のnoteでは、現役タクシードライバーとしてのリアルな日常を「もちタク」シリーズとしてお届けしています。通常は100円の有料記事として展開していますが、今回はお試し版として、全文を無料公開に変更しました。100円と表記してある理由は後述します。

実はこのエピソード、昨日X(旧Twitter)で少し触れたところ、反響をいただいたものです。結末を知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、あの時、車内の密室で「元教員」であり「現役ドライバー」である私が何を考え、どう葛藤していたのか。

「もちタク」の世界観をより多くの方に知っていただくための入門編として、ぜひ最後までお楽しみください。

また、今回のサムネイル画像は元ネタがあります。
親愛なる元ネタ様は、サンボマスター様の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」です。私はこの曲が大好きですので、よかったら聴いてみてください✨️


みなさんどーも、もちさんです。

もちタク vol.23 2026年2月3日号です。

今号もご乗車いただき、ありがとうございます🙏

どーぞ、よろしくお願いします。

もちタクは、各話独立したお話です。
マガジンにまとめてありますので、よかったらどーぞ。

では、本号の内容はこちらです。

◆もちタク話
「私は寝てない、夢を見てただけ。」深夜のタクシー、絶対に触れてはいけないお客様との攻防戦

以上です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました🙏

・・・といいたいくらい、先程の140字ポストに凝縮したのですが、いろいろ書きたいこともあったので、続きを書きます。

最初に言っときます。今回起きた出来事は上記のポストが全てです。

では、本題です。


深夜の静まり返った車内。

私、もちさんは、すでに13時間の乗務を終えようとしていました。

さすがに疲れており、頭の片隅では「早く帰っておもち姫と戯れたいな」という思いがリフレインしていました。

いまお乗せしているお客様を目的地にお届けする。

これが本日、最後の仕事。

そして、目的地に到着し、私はお声がけをしました。

「お客様、おまちどうさまでした。到着しましたよ。」

……返事はありません。

そこで、バックミラー越しに確認すると、若い女性のお客様が深い眠りに落ちていました。

これをみて、私は冷や汗をかきました。

そう。ここからが、現代のタクシードライバーにとって悩ましい展開です。

元教員の私は、規律やルールには人一倍敏感です。
しかし、今の私にとって最大の壁は法律でした。

一般の方からすれば「肩を叩いて起こせばいいじゃないか」と思うかもしれません。

ですが、タクシードライバーは、原則お客様には触れてはいけません。肩を揺らして起こそうとするなどの身体接触もNGです。特に、異性の方への身体接触は一発逮捕の可能性すら孕む超危険行為です。

車内ドラレコで身の潔白が証明できるとはいえ、警察沙汰になれば、私のドライバー人生、そしてもちタク生活もろとも吹き飛びかねません。

「絶対に触れられない。でも、起きてもらわなければ業務が終わらない。」

疲労困憊の私が、最後に辿り着きかけた交番コース。

その直前、ようやく目覚めた彼女が放った哲学すぎる言い訳に、私は心の中で叫ばずにはいられませんでした。

なぜ私は、どれほど困っても彼女の肩を叩かなかったのか。そこには現代のタクシードライバーが抱える、笑えない法的・倫理的な境界線がありました。


孤独な戦いと、迫りくる「交番ルート」

「お客様!お客様!起きてください!」

私は運転席から、できる限りの大声で呼びかけ続けました。

もちろん、絶対に体には触れません。
わざとらしく咳払いをしてみるだといろいろ試してみましたが、全滅。

音による刺激で、なんとか覚醒を促そうと試みます。

しかし、彼女の睡眠は深かったんです。

まるでぐで◯まのようにぐでっとしており、何の反応もありません。

時計を見る。到着からすでに5分が経過しようとしていました。

13時間労働の後の5分は、永遠のように感じられます。

私の頭の中では、最悪のシナリオが現実味を帯びてきました。

私「…ダメだ。交番へ行くしかない。」

メーターを切って、このまま最寄りの交番へ車を走らせ、婦警さんを呼んで起こしてもらう。

これが最も安全で確実な方法です。

しかし、それは同時に地獄の延長戦を意味します。

交番への移動、事情説明、警察官&婦警さんの到着待ち、そして事後処理……。

家に帰ってお風呂に入るまで、あと何時間かかるかわかったものではありません。

疲労と絶望で、ハンドルを握る手がじっとりと汗ばんだ、その時でした。


ソクラテスも真っ青!最強の言い訳

「……ん。」

後部座席から、微かな声が聞こえました。

お客様が目を覚ましたのです!

私は安堵のため息を漏らしそうになるのを堪え、プロの顔に戻って声をかけました。

「お客様、大丈夫ですか? かなり深く眠っていらっしゃったので、心配しましたよ。本当に困ります、起きててもらわないと……」

すると、彼女はまだ寝ぼけ眼ながらも、はっきりとした口調でこう言ったのです。

「ん、私は寝てない。夢をみてただけ。」

……はい?

一瞬、時が止まりました。

13時間の疲労が、一気に脳天を突き抜けるような感覚。

(い、いやいやいや!)

私は心の中で、あの名曲のフレーズを絶叫していました。

(世界はそれを「寝てる」って言うんだぜぇぇぇっ!!)

全力で心の中でツッコミました😆

「夢を見ていた」という主観的な事実を盾に、「寝ていた」という客観的な事実を否定する。

これは、ソクラテスも真っ青の最強の詭弁です。

あまりの堂々たる態度に、私は怒りを通り越して、感心してしまいました。

※私は彼女の言い訳のあと、「そうでしたか〜」とやんわり話を切りました。


理不尽な夜を乗り越えるために

私「ありがとうございました〜」

結局、彼女は料金を支払い、何事もなかったかのように自宅マンションへと消えていきました。

残された私は、ドッと押し寄せた疲労感と、言いようのない虚無感に包まれました。

タクシードライバーという仕事は、時としてこうした困った出来事もあります。

元教員として、生徒の言い訳には慣れているつもりでしたが、大人の本気の言い訳(?)は、破壊力が違いました。

同業者の皆さん、そして接客業に携わる皆さん。

もし明日、あなたが同じような言い訳に遭遇したら。真面目に反論しないほうがいいでしょう。

心の中で盛大にツッコミを入れ、そして「これも一つのネタだ」と笑い飛ばすのもアリだと思います。

私も今回のネタがそうでしたからねぇ・・・

今後も、プロドライバーとして、安全運転でいきます。


おわりに

今回のエピソードは、深夜のタクシーという密室で繰り広げられる、笑えないけれど少し笑ってしまう現場のリアルが伝われば幸いです。

もしこの記事を読んで、 「もちタクの活動を応援したい!」 「深夜のコーヒー1杯分くらい、差し入れしてもいいよ」 と思ってくださる方がいらっしゃいましたら、以下の有料エリア(100円)からサポートをいただけると、今後の執筆の励みになります。

終わりです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました✨️


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