日本語①「舟を編むと国語辞典と日本語の表記」
今回は日本語をテーマに、三浦しをんさん著の「舟を編む」を読んだ感想と、それに関連して「国語辞典」そして「日本語の表記」を取り上げたいと思います。
「舟を編む」を読んだ感想

この作品は2012年の「本屋大賞」を受賞して、その後テレビドラマや映画化された作品ですが、自分は両方見ていないため、本を読了した感想を書きたいと思います。
この作品の舞台は玄武書房の辞書編集部でそこに配属された「言葉オタク」の馬締光也(まじめみつや)を中心に「大渡海(だいとかい)」という辞典を刊行するまでの物語です。
「辞書編集部に配属された馬締が辞典を編集・制作している間に下宿している家主の孫娘で板前をしている「林香具矢(はやしかぐや)」に恋をして、15枚もの長文のラブレターを書き、同僚の西岡氏に添削してもらおうとして渡すのだが、西岡氏は面白がってコピーを取り、本文を馬締に返しコピーは隠して置き、それを馬締の人見知りの性格を案じて、後に配属される後輩のためにマル秘ファイルを作製して、そこにラブレターも一緒して仕舞った」
という話や「とある教授の「西行」の説明文が思い入れが多く長すぎるので短くした文章を人見知りで説得出来なそうな馬締に代わり西岡氏が説得しに行って馬締を助けた」という話」「「大渡海」の編纂の初期から関わり命がけで辞書作りに関わった松本先生が刊行を待たずして亡くなってしまった」ことなどいろいろあった中、約15年の月日を懸けて「大渡海」を刊行させた馬締の感情を自分に当てはめて考えると、自分もかつて、時間軸こそ違いますが、中学校の生徒会の役員をやっていた時に「体育祭」や「文化祭」などのイベントが終わったときや高校時代の「オペラ公演」や社会人になってから参加した「市民ミュージカルの公演」が無事終わった時の達成感に似ている感じがすると想像してしまいます。
なお、詳細な内容は、光文社文庫で発行されていますし、ドラマを見てください。
「国語辞典」
上記の「舟を編む」に関連して、「国語辞典」と「日本語の表記について」書こうと思います。

日本最初の「国語辞典」は大槻文平が私財を投げ出して編纂した「言海(げんかい)」と言われています。
なお「言海」は現在でも文庫本(ちくま学芸文庫)で購入することができます。
現在、語彙数が1番多いのは「日本国語大辞典」(小学館刊 電子版はジャパンナレッジなど)で、「舟を編む」での「大渡海」のモデルとなった中型の辞典としては「広辞苑(岩波書店)」「大辞林(三省堂書店)」「大辞泉(小学館)」、我々に身近な主な小型の辞典としては「岩波国語辞典(岩波書店)」「新明解国語辞典(三省堂書店)」「三省堂国語辞典(三省堂書店)」「明鏡国語辞典(大修館書店)」「集英社国語辞典(集英社)」などがあります。
その中で、「岩波国語辞典」はあまり見出し語や意味を変更しないのに対し、「新明解国語辞典」「三省堂国語辞典」の三省堂の国語辞典は「用例採集カード」を使って新語や見出し語の解釈を変更する辞典になっています。
「日本語の表記について」
最近はコンピューターの進化や公文書や会社の文章の電子化により、(ここでの文章も含め)横書き(ヨコ組)の文章が多くなっていますが、元々日本語は古文書や原稿用紙、エッセイや小説などは読みやすいように縦書き(タテ組)で国語辞典も一部のポケット辞典を除き、縦書き(タテ組)となっているのだが、1993年に大手の出版社としては「集英社国語辞典」第2版
が初めて横書き(ヨコ組)と縦書き(タテ組)の2種類を発行したことがありました。
(その後の第3版では縦書き(タテ組)のみの発行となっています。)
ということから、今後の日本語の表記がAIやネットの影響を受けてどのように変わっていくのか?という課題が残っていくと思います。
参考までに「有隣堂しか知らない世界」の辞書の回をリンクします。
舟を編む 三浦しをん | Amazon
『言海』大槻 文彦 | 筑摩書房
精選版 日本国語大辞典 (第3巻) | Amazon
広辞苑 第七版 | 新村 出 | Amazon
大辞林 第四版 | Amazon
大辞泉 増補・新装版 | Amazon
岩波 国語辞典 第八版
新明解国語辞典 第八版 | Amazon
三省堂国語辞典 第八版 | Amazon
