小説3,000作品以上読んだ人間がオススメする名作エッセイ20選
皆さんこんにちは
今回は今まで読んだエッセイの中で個人的にオススメの作品を紹介します。
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1.ねにもつタイプ
目次をパッと見て最初に読んだのは「ゾンビ町の顛末」。
読んでビックリした。
何だコレは!?現実の出来事なのか、作者の想像の産物なのか?
夕方家路につく住人たちの中に、影がない人や半分透けている人がいるって?
しかし駅前に乱立する看板に書かれた<ふれ愛、しま専科?>には妙な既視感がある。
こりゃネタだよな〜…でも、このひともの凄い真顔で喋ってるし、やっぱりホントの事なのかな〜…といった感じでサラサラとエッセイは続いてゆく。
もしかして岸本さんはホントに影がない人を見たのかもしれないという気がしてくる。
最後の一行を読んでやっと、ああ創作だったよ、良かった。と胸をなでおろした。
「郵便局にて」の脳内シュミレーションは私もよくやる。
うんうん、あるよね。と読んでいたら、割り込みおばさん撃退案がガバッと展開してハリウッド映画「マトリックス」の対決シーンみたいな異様な空間に突入していた。
うわ!またなにコレ!
とビビっている間にストンと現実世界にもどっている。
どれもこれもキツネにつままれたような、おかしな感触の話ばかり。
そして時折、真面目な顔でドデカいネタを放り込まれて、可笑しさのあまり腹痛に襲われる。
夢ともうつつともつかない、奇妙な話運びに漱石の「夢十夜」をふと思い出した。
しかしアレは「こんな夢をみた」と最初に断り書きがある。
「ねにもつタイプ」にはない。
日常エッセイかと思って読んでいるうちに、おかしな亜空間に取り込まれてしまった気分になっている。
最後日常にもどしてくれる時もあるが、もどしてくれない時もあり、だんだん足下がおぼつかない気分になってくる。
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2.僕の人生には事件が起きない
文章のワードが面白く、読みながら笑ってしまうことが幾度もあります。
感心したのは岩井さんが物事を深く考えているということ。
「なぜこの人はこんなことをするのか」「この人はどういう目的でこんなことを言うのか」私自身は人との会話でそこまで考えません。
深く考えているからこその文章だと思います。勉強になります。
本当に何も事件は起きておらず、何もない日常なのに、どうしてこんなにも喜劇的におもしろくできてしまうのだろうと感動しました。
なぜ感動したかとゆうと、そこに、生きる楽しさがあるのだ、と気付かされました。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、
日常を楽しもう、と希望さえ湧きます。
何が面白かったのか聞かれると、
事件が起きないこと。としか言いようがありませんが、そこが面白い!
不思議な本との出会いでした。
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3.無職、川、ブックオフ
コロナ禍と人生の大底みたいな日々が続いていた頃…今日も何も生み出せず、明日もきっと何処にもいけない、明後日も何もできない…ただ命を続けている。辛かった、もう二度とゴメンだ!って思うけど、今思えば愛しい。そんなノスタルジックな思いに浸りました。
カバーの花川猫さんのイラストも、せつなくて、でも何か懐かしい。
不思議な世界感にピッタリはまっていて素敵だと思いました。
読むと気持ちが落ち着く。
巧みな表現を味わったり、役立つ学びを得たりする目的の人にとっては面白くないのかもしれないけど。私は内容が好き。
わかるな〜と思ったり、へぇ〜と思ったりしながら読む。
読んだって何も解決しないけど、ふわふわせずにいられる。
20代に「ちゃんとできなかった」期間がある人には染みるかもしれない。
何も背負うことなく、若さと時間だけある期間。
何もできず、何も決められず、あとになって貴重だったと気づく時間。
そんな期間の生活と心の動きがひたすらつらつらと書かれている本です。
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4.ナナメの夕暮れ
あとがきで自身が書いているように、この本は軸がない。
若者から中年へ、生き方がわからないころからだんだんわかってきて「飽きてくる」ころまで、若林さんのそれぞれの時期のそれぞれの思いが乱雑に散りばめられているように思える。
だから、最初は少し読みづらい。それぞれのエッセイがそれぞれ独立しているようで、どう読んでいいのか頭が混乱する。
でも逆に、それぞれの思いが取り繕わず、乱雑にそのまま置かれているからこそ、それら一つ一つに触れていくうちに若林正恭という人間がそのままそこにるように感じられてくる。
私はここに書かれているような、生き方の下手くそな人にいままであったことがない。
こんなに一つ一つのことに悩んでしまう人を知らない。
そしてなにより、そんなに生きづらい生き方なのに、その悩みから逃げ出さず、悩み続けて何か自分なりの答えに辿りついた人を知らない。
この本の中で若林さんが言った「正論は多分正しい。でもおもしろくはない。“共感できないけど一理あるかも”って脳がパッカーンてなる瞬間が好き」。
私はこの本で何度も脳をパッカーンとやられた。
多分直接話せばもっとパッカーンとやられるだろう。
全ての「正論」に満足せず、いちいち立ち止まって、のたうちまわって悩んだ若林さんだからこそ書けた本であり、だからこそこの本は他のどこでも読めない面白さがある。
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5.いのちの車窓から
エッセイの題材の多くは、私たちでも共感できるありふれた日常です(芸能人ならではの題材もありますが)。
しかし、そのありふれた日常で埋もれる「感情」を見逃さず、楽しみ、ユーモアのある軽妙な文章で適格に表現する。
本人が「文章がうまい人とは、ありのままを書くことができる人」とあとがきで記すことも納得できました。
ありのままの感情を描く星野源の感受性と文才(そして謙虚さ)に驚かされつつも、だからこそ本を読んでいるのにまるで会話をしているかのように感情が動かされます。読んでいて、楽しかったです。
『そして生活はつづく』では「自分は、ひとりである」と考え、『いのちの車窓から』では「自分は、ひとりではない」と考えるようになる。
言葉の真意は本人しか知りえない領域ですが、エッセイの内容から色々と想像することができました。
たしかに多くの方が言うように、星野源は「努力の天才」と言わずにはいられません。
笑えることはもちろん、尊敬や感動など、多くのエネルギーをいただきました。
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6.世界音痴
この本を読んで、あまりにも自分と似ているので驚きました。
普通の人が普通に振舞う「自然に」ということができない、そのことを表した「世界音痴」という造語はみごとですね。
私も実は世界音痴でした。
寿司屋での注文が「自然に」できない、半そでを着始めることが「自然に」できない、などなど。かなり誇張されたことも多いですが、かかれているエピソードの大半が共感できることでした。
でも、これは案外多くのひとが他人にはいえないけど思っていることだったりして。
穂村さんのエッセイを読んでいてつくづく「すごいな」と思うのは、かつて自分も確かに抱いていたけれど、今はすっかり忘れてしまっているような感情を、なぜこの人は数十年後もしっかりと覚えていられるのだろう、ということ。
だから穂村さんのエッセイを読むと、自分の深層心理の中に眠っていたあらゆる感情が引っ張り出されるような気分になります。
たとえばそれは、周りの人すべてが自分よりえらく見えた子ども時代であったり、「自分のことを好きになってくれる人なんて、いるわけがない」と思い勝手に絶望していた暗い青春時代であったり。
そうした感情は、思い出すのがややおっくうでもあるのですが、どうしてもひきつけられてしまいます。
そんな麻薬的な魅力が詰まった一冊です。
多分、地味な青春時代を送って、今でもいろいろコンプレックスを抱えている人の方が、より楽しめます。
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7.東京百景
日常生活の何気ない1コマを独特の世界観で書き綴っていて、じわじわ来るおもしろさがあり、又吉氏の人柄もとてもでていると思います!
言葉を選びながら、売れない芸人として東京の片隅でもがいている青春の一こまをずっと読ませてもらいました。
青春期特有の自意識過剰とも言える描写もまた、自身の内面の描き方に非凡な才能が垣間見えます。
東京の様々な場所での又吉さんの思い出を元に、その頃のエピソードが連なっているだけなのに、こんなにも引き付けるのはやはり文才があるとしか言えません。
76「池尻大橋の小さな部屋」は、又吉さんの売れない芸人時代の悲しい恋の顛末記のような様相を呈していました。
若さは時には乱暴な行動を引き起こし、大切な人を傷つけてしまうという典型なエピソードなのかもしれません。
ラストの「あれが僕の東京のハイライト」の結語が本作全体を通奏低音のように覆っていたことにも気が付きました。
この思い出を書きたいがゆえに百景揃えたのではないかと邪推するくらいでした。
9ページのショートショートエッセイですが心に残るストーリーで、これと出会っただけでも本作品の値打ちはあろうかと思われました。
今回文庫化にあたり付け加えられた2020年に書かれた「代田富士見橋の夕焼け」は相方の綾部さんとの思い出を綴った一遍でした。
ピースでの活動をしていたわけなのに、確かに又吉さんも書いているように綾部さんの話がほとんど登場しないという不思議さを最後に解消してくれました。
相方という存在の大きさと重さを知る上でも押さえるべき一編なのは間違いありません。
夫婦同様、相方との愛憎半ばの気持ちを赤裸々に綴っていたので、余計に心に残りました。
秀逸ともいえる東京百景でした。
8.深夜特急
ここまで劣悪な環境の旅は間違いなくできないですが、紀行として読むには最高です。
携帯もスマホもない時代に、自分の直感だけを頼りに行き先や宿を決めていく行動力だけでもすごいと思います。
また、いろんな国で起きた出来事に対し、価値観や生死について考えさせられることが多くあります。
売春宿や売春婦(子供含む)もいろんな国で数多く出てきて衝撃を受けますが、性的なシーンの描写がほとんどないので不快な思いはしませんでした。むしろ、このような世界があることを知れたことは収穫の一つです。
ありきたりの感想となってしまいますが、日本に生まれ育っただけでどれだけ恵まれているのかを考えさせられました。
旅に憧れるすべての人へのバイブル的作品。
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9.もものかんづめ
さくらももこさんの凄いところは、小難しい言葉や表現を用いずに、何気ない日常を、面白おかしく描けることだと思う。
そして、ニヤニヤ笑ってしまうような面白いエピソードを描ける一方で、読んでいて思わず目頭が熱くなってしまうような、胸にじんと込み上げてくるようなものがあるエピソードを描けるというのが、また凄いなぁと思う。
その心が動かされる感じというのも、つくりものの、じめッとした感動ではなくて、さらッとした感じで書いているのが良い。
世の中に数多くの書物はあるけれど、これほど穏やかに読めるものもない。唯一無二。
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10.止まりだしたら走らない
全く異なる人物のエピソードがたくさん入っています。
内容も人物でそれぞれ。
どのエピソードも電車に乗っているかあるいはその前後というシチュエーションのみ共通です。
グランドホテル形式に絡みあったりはせず(チラッと別の話に顔を出す人物はいますが)それぞれのお話は独立したものです。
この形式こそが、作品のテーマそのものとも言えます。
そしてどのエピソードも小気味良く終わります。
それらのエピソード間を縫う形で、中央線始発東京から終点高尾までを行く学生二人の物語が描かれます。
物語といっても、駅や車内で、二人はクスッとなるような取り止めのない話に終始しています。
けれど最後まで読むとこれはれっきとした物語だったとわかるようになっています。
短く完結する話と取り留めのない話で構成されているので、通勤や通学の電車でちょっとずつ読むのにちょうどいいです。
車内だと作品のテーマにより臨場感を持って思いを馳せることができます。
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11.神さまたちの遊ぶ庭
宮下一家は、トムラウシに引っ越すことを、ほとんど思いつきで突然実行してしまう。
夫は現地での仕事も決まらず、子どもが三人、長男は受験生であるにも関わらず。
山村留学の一年間は美しい景色と暮らしの楽しさにあふれ、きらきら輝いている。
子どもの学校行事と部活動を軸に、濃密な人間関係の中で、日々の楽しく美しい暮らしを通して子どもたちが成長していく。
しかしそれは、著者の世界観によって、美しい暮らしになっているのだと思う。
トムラウシという特殊な場所だから、この本のような暮らしができるのではない。
おもしろおかしい語り口で描かれる「神さまたちの遊ぶ庭」での暮らしは、実は楽しいことばかりではない。
引越し代は片道120万円、住宅ローン減税はこの先何年分もふいになってしまうし、著者はパニック障害(による不整脈)を抱えている。
徹夜で原稿を書き、そのまま寝ずに弁当を作って学校行事に参加するような大変なこともある。
そういったことはすべて、「なんでこうなんだ」と愚痴と腹立ちの種に充分なり得るものだし、実際私などはそんな暮らし方しかできていない。
しかし著者は、そんな大変さを楽しさ、喜びと感じている。
自分の苦労を、もっと大きな見地から笑い飛ばす強い精神がそこにはある。幸不幸は自分の心が決める、自由は自分で手に入れるもの。
その具体例がこの本だ。
そういう意味では、この本はただの日記ではなく、ある意味で著者の世界観というフィルターを通した、いい意味でのフィクションだ。
自分が自分で窮屈な場所に自分を閉じ込めていることに気づかせてくれる。
何かにいつも焦っているような気持ちを立ち止まらせてくれて、何度でも読み返したくなる本だ。
懸命に誠実に生きる姿に、ほろりと涙が出る。
12.ここで唐揚げ弁当を食べないでください
読み始めてみたら、もうドハマりです!
著者の小原さんの視点が本当にユニークで、例えば、唐揚げ弁当を巡る葛藤とか、スーパー銭湯でのささやかな出来事とか、普通ならスルーしちゃうような日常の「あるある」が、なぜかすごく面白く、愛おしく描かれているんです。
特に、ぼんやりとした不安を抱えながらも、東京の街を軽快に彷徨う描写には、妙な親近感を覚えました。
まるで、自分の頭の中を覗かれているかのような感覚で、クスッと笑ったり、時には「わかる~!」って声に出しそうになったり。
何気ない日常の中に隠れている「小さな幸せ」や「面白いこと」に気づかせてくれるんですよね。
この本を読んでから、通勤中の電車とか、近所のスーパーに行く時とか、今まで素通りしていた風景がちょっとだけ違って見えるようになりました。
13.すべて忘れてしまうから
共感の嵐。
サブタイトルが付いた話が40エピソードほどあるけど、これがいちいち心に響く。
一つ一つが短く3,4ページほどでスッキリまとめているのだけど、そこに言いたいことがきっちり凝縮されていて非常に読みやすい。
エモーショナルなものは一つも無くてどれもなんてことない話なんだけど、人間こんなもんだよとそっと肩に手を置いてくれるようなそんな気持ちにさせてくれる。
白眉は、「死にたいんじゃない、タヒチに行きたいんだ」というエピソード。これは、特に良い。
かつて少しでもいじめられた経験がある人や今現在いじめられている人はもちろん、諸々で劣等感を強く抱えてツラい思いをしている人は是非これだけでも読んで欲しい。
日々が辛くて死を選んでしまうとしたらそれは、生きるのがいやなのではなく、ただ逃げたいだけなのだ。死ぬのではなく、とにかく逃げて逃げてでもしぶとく長生きしてやることが、自分を虐げてきた者らへの◯◯なのだと。
短くも心にズシンと来た。
14.父の詫び状
自身が体験してきた日常の出来事を取り上げ、仔細に、時には冷徹に見つめて、現実をあぶりだし、解きほぐして、思いを述べ、所以を仄めかす。
長年脚本家として磨かれた技は、巧みな構成と表現をみせ、その顛末によって、まるで「丁寧に生きる術」を教えてくれているようで、心を落ち着かせてくれる。
向田邦子の文章には、多くの人が示唆しているように死を身近に感じながら生きてきた者の匂いを感じる。
それは覚めた感覚とともに影となり、作者自身を冴えたものとし、より魅力的にしているのかも知れない。
昭和一桁といわれた著者のその世代、戦時下を経て、生きることや、死について考察を深めざるを得なかったのかも知れない。
その世代に生まれ、類まれな感性を持った著者は、更に感覚を研ぎ澄まされ、自律していったのだろうか。
日常を愉しみながらも、そこには枯渇したように常に何かを求める、焦燥感のようなものが常に付きまとい、優しや、可笑しさとともに「闇」をも感じてしまう。
現代ではあまり語られなくなった生きることの厳しさと、愉しさ、それに向けた自分の律し方を教えてくれる稀有な随筆であり、心を「調律」してくれる作品である。
15.文・堺雅人
読んでみてびっくり!「エッセイスト・堺雅人」と言っても過言
ではない、文才に驚きました。
真面目だけれど面白くて、解からないことは、「何故だ?全く解からない。」と、こちらにぶつけてくるような、ある意味素直なお方。
読み進むうちに、堺さんの世界にどっぷりと浸ってしまい、楽しくてたまりませんでした。
堺さんの文章は、優しくて温かい人柄が表れていて、自分はこう思う
と主張していても、決して読み手を不快にさせない魅力があります。
押し付けがましくないところが、素敵ですね。
職業柄、豊かな感性というものが求められると思いますが、感性を豊かにかつ磨きつつ、客観的にそれを見つめている自分もいる。
何か特別なことをするのではなく、仕事やヒトとの関わり、出先など日々の生活の中でヒントやきっかけ、思い、気付きを見つけられているのだなと思いました。
さらさらっとした文章で、決して無駄がない。
それでいて非常に自然体で、堺さんのあの微笑みそのもののような温かい本です。
恥ずかしいことはない、悩んでいても、答えが見つからなくても、あるがまま、そのままの自分でいいのだよと言われるいるようで、読んでいてとてもほっとします。
16.いつか別れる。でもそれは今日ではない
夜になると何故か眠りたくない病が起こってくる。
眠れぬ夜に良い本があるとの評判を聞き、この本を手に取って内容を見てみた。
恋愛に反恋愛、へー。優等生と不良、ほほー。寂しいって、ふーむ。恋愛・夜・永遠を越えろ、おおー。
過ぎ去った過去が、今いる現在が、これから来る未来が、何故か私の頭の中を駆け巡った。
この本を読んでいると、その情景が、その事柄が、人間というものはそんなものなんだといっているようで、驚いたことに私の心の中に自然に入ってきていた。
正直で、それでいてちょっとシニカルで、大胆な言い草は、読んでいる者に
明日へのちょっとした勇気を与えてくれる。
この本は、読めば読むほど自分の感性が磨かれる気がする。
疲れた自分に一種のカンフル剤の役割を果たしてくれるのだ。
今日も夜がやってきた、さてどのページを読むとするか。
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17.思わず考えちゃう
些細なことに考え過ぎ、ついつい思いつめてしまう私。
時に涙し、時にクスっとし、時にホッとし、時に励まされながらこの本を読みました。
オビには「あわよくば生きるヒントに。」とあります。
人生の様々なステージで、その時々の気分や精神状態によって、色々な読み方ができ、色々な気づきがある一冊です。
今の私自身には、「今しかないのに もったいないのに 大事にできない やさしくできない なぜかしら」というフレーズが重くのしかかっています。
どうしても過去を振り返ってしまうからでしょう。
どうしてあの時、もっと大事に優しくできなかったのか。
自分を追い詰めてしまう自分がいます。
そんなわけで苦しくなってしまう言葉もありますが、全体としてはヨシタケさんならではのほんわかした雰囲気で書いてあります。
「幸せのインフレ」「幸せ=するべきことがハッキリする」「できないままするのが仕事」などの言葉たちが、自分では欄外だった事柄を深く考えるきっかけになります。
名言集というか、詩を読んでいる感覚です。
ただなんとなく読むだけではこぼれてしまう、言葉の羅列を見ているようです。
この本を読みながら、目の前にある出来事を考えてみませんか?
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18.時をかけるゆとり
その後も直木賞をとったり映画化されたりと活躍している作家の、学生時代のエッセイです。
が、ここまで自虐せんでもっていうくらいかっこ悪い。
そして仲間達もかっこ悪い。
若気の至りでその場の気分でやったあれやこれやを、今賢くなった立場から振り返り面白おかしく読ませてくれています。
でも冷静に見てみるとなんてことないエピソードばかりなんですよね。
お腹がすぐ痛くなるから困るとか、学祭でアホな映画を作ってしまったとか、カラーモデルで金をとられたとか
ハゲの話とか、かっこつけの話とか…
誰もが経験したことあるかもしれない小さな事を面白く読ませるのは軽妙な語り口によるもの以外のなにものでもなくて。
ここらへん、さすがと思いました。
ほんと、いちいち自分にツッコミ入ってるのが面白くて。語彙の多さもあいまって。
学生時代にどれだけアホな事をしたか、どれだけ一生懸命なにかに心を動かしたかっていうのはどんなにかっこ悪くても宝物のようになりますね。
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19.「違うこと」をしないこと
ベストセラー作家として、一躍、時の人となり、有名になった著者ですが、
有名な作家の家に生まれ育ったこと、
若くしてデビューしたことでも、それなりのご苦労がいっぱいあったらしいな、ということも、具体的なことにはあまり触れられていませんが、なんとなくわかりました。
著者はあまり自分と他人を比べないので、妬みとしての「ノイズ」が入ってこず、「観察者」としての欲求が前面に出るのだそうです。
作家としての資質なんだな、と思いました。
滅多にいないけれど、特殊な職業でなくても、そういうフラットな人って時々、いるな、とも思います。
「プリミ」さんとの対談で、大人と子供の間で必ずと言っていいほど起こる「違和感」、という微妙なところもよく表現されていて、とてもおもしろい。
ふつうの五感でさえもそうですが、人間の第六感、「勘」や「直感」といわれるもの、あるいは「なんとなくの違和感」というものは、理屈ではないので、特に大人になると社会生活の支障にもなる(と思っている)ので、自分の感覚からは消してしまいがちですが、ほんらいの人間にとってはとても大事なことなのだと思い出しました。
大人は「違うこと」ばっかりする人、してきた人が多いんじゃないかな。
いや、私だけかな。
そうじゃない人も、世の中にはたくさんいるのかな、とちょっと思いました。
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20.永遠のおでかけ
ミリさんの作品はどれも好きです。
歳を重ねられてからの作品は更に共感します。
こちらの作品は、おとーさんとの別れにまつわるエッセイ。
筆者が、余命宣告を受けたお父さんと残された日々を一緒に過ごすその一瞬一瞬に刻まれていく思い出。
お父さんが亡くなっても湿っぽくならず、どこか遠いところにでも出かけているんだな、という感覚に救われる。
過去に大切な人を亡くした経験がある者には涙なくしては読めない描写だった。
悲しい気持ちになる箇所もあるが、しんみりもつかの間やはりミリ節で笑わせてくれます。
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おわりに
いかがでしたでしょうか?
どの本もオススメなので良ければご一読ください。
その他書籍も紹介しております。
宜しければご覧ください。
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