見出し画像

【SS】アリバイ #毎週ショートショートnote

夜の街に溶け込み、その存在がかき消されてしまうような男が歩いていた。繁華街を避け暗い裏道を顔を隠すように黒いサングラスをして歩いていた。迷うことなく一軒の古いバーに向かいドアを開けた。

「いらっしゃい」マスターの声がかかると男は、手袋をしている手を軽く挙げ、コートとハットを取りハンガーにかけ、いつものカウンターの一番奥の席に座り、バーボンを注文した。今の時間は日付が変わろうとする少し前だった。

にわかに店の前が騒がしくなった。けたたましくパトカーのサイレンが聞こえる。マスターが慌てて店の外に出て確認しにいった。

「ちょっと前に近くのマンションでガス爆発の事故があったみたいです」

男はニヤリと口元を歪め、グラスのバーボンを口の中に流し込んだ。男は殺し屋だった。ろうそくを半分に切り導火線をつなぎ、その先に少量の火薬をつけてカセットコンロが爆発するようにセットしておいたのだ。ターゲットは酔い潰れてベッドで眠っていたはずだ。

410文字


以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)

出題日 5月14日
お題  半分ろうそく
裏お題 三分豚足


🌿【照葉の小説】ショートショート集  ← SSマガジンへのリンク


☆ ☆ ☆
いつも読んでいただきありがとうございます。
「てりは」のnoteへ初めての方は、こちらのホテルへもお越し下さい。
🌿サイトマップ-異次元ホテル照葉

#毎週ショートショートnote #小説 #創作 #ショートショート

いいなと思ったら応援しよう!

松浦 照葉 (てりは) よろしければチップによるご支援をお願いします。皆さんに提供できるものは「経験」と「創造」のみですが、小説やエッセイにしてあなたにお届けしたいと思っています。いただいたチップは創作活動費用として使わせていただきます。

この記事が参加している募集