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6月25日 住宅デー 【SS】住みたい家

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。


【今日は何の日】- 住宅デー

東京都新宿区高田馬場に事務局を置く全国建設労働組合総連合(全建総連)が1978年(昭和53年)に制定。

日付はスペインの建築家アントニオ・ガウディ(Antonio Gaudí、1852~1926年)の誕生日にちなむ。住宅建築に関わる職人の仕事や技能をより多くの人に知ってもらうことが目的。

制定当時は高度経済成長による住宅建設ブームで、多くの住宅が建てられる中で、職人をめぐるトラブルも少なからずあった。そのため、町の大工や左官屋など職人の腕や信用をPRするために記念日が制定された。この日を中心として、職人による住宅相談や、独居老人宅や保育園・小中学校の修繕ボランティア、子ども達のための木工教室などが開催される。


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【SS】住みたい家

 そろそろ家を建てたいねと話をしている若い夫婦がいた。二人が住んでいるのは閑静な郊外のマンション。広さは七十平米程度なのでそんなに広くはないが、平均的な広さである。買い替えで一戸建てを検討し始めている。。最近の不動産価格を見ていると、土地の値段も右肩上がりに入っているが、銀行の金利が低いこともあり、ローンを組めばなんとかなるかなと夫婦は考え始めていた。夫婦はどんな家にしたいか希望を出し合っている。

「僕は、エコな家がいいかな。まだ、夫婦だけだから、ガレージは屋根付きで庭ではバーベキューができて、屋上に行くと星の観察ができるような家なんて最高だな」

「欲張りね。そんな家買えるわけないじゃないの。でも、これから建てるんだったら、電気が自給自足できれば環境にやさしい生活を実現できそうね。私は、動きやすいキッチンと家事がしやすい動線が実現できればいいなぁ」

「ああ、家事動線か。それは大切だね。毎日だもんね。僕も手伝うことを考えると、キッチンから庭が見えてバーベキューの材料がすぐ渡せる間取りがいいな」

「もう、バーベキューばっかりね。あなたは」

「ははは、それじゃあ、来月過ぎには仕事も一段落するから、土地探しと家の設計の相談に出かけてみるか」

「いいわね。来年引っ越しできるといいなぁ。このマンションも好きだけど、戸建ては魅力的よね。楽しみができたわ」

 そんな話をしてから二ヶ月が経過し、二人は近くの不動産屋さんに土地探しを依頼し、不動産屋さんと提携している建築設計事務所を訪ねていた。

「いらっしゃいませ。新築の設計ですね。今が一番楽しい時ですから、なんでも希望を言ってください。その後、予算に合わせて現実的な家にしていきましょう。土地の広さは大体五十坪で建蔽率が七十パーセント、容積率が百パーセントと伺っていますがよろしいですか」

「はい、その条件で探してもらっています」

「それでしたら、一つ提案なんですが、平屋をベースにしてルーフバルコニーを作り、その上に太陽光発電の屋根を設置することもできますよ。そうすることでガレージと繋がった家も実現できそうです。家事動線も平面だけを考えられるようになり、更にオール電化にすることでエネルギー効率も上げられます。それにエアコンは床下を経由して全室コントロールできるようにすれば、一台のみでいいので初期投資も抑えられます。壁材は断熱効果の最も高いものにして窓ガラスも同様にして快適さをキープさせた方がいいので、浮いたコストをそちらに充当するという考え方です」

「おお、なんか良さそう。ここに来て良かったね」

「本当にそうね。なんだか楽しみになってきたわ」

 こうして、最初の設計図が出来上がった。ただ夫婦にとっては図面ではイメージしずらいということで、3Dで回転できるモデルも提供してもらった。なんと室内まで入って擬似体験できるようになっていてわかりやすい。二人とも素晴らしい設計に見入っていた。その時に理想の土地が見つかったという連絡まで舞い込んできた。だんだんと現実に近づいていく夢の実現に二人は興奮していた。夫は庭で友達を呼んでバーベキューをしている姿を想像し、妻は友達を呼んでホームパーティをしている場面を想像していた。ただ、妻の方はちょっと嬉しい心配もあった。夫婦の生活空間は平屋でなんの問題もない。むしろ広すぎるくらいだ。ただ、将来のことを考えると部屋の余裕は欲しいところだ。

「ねぇ、あなた。新しい家のお部屋のことだけどね。全体として平屋が私も賛成なんだけど。ルーフバルコニーに出るところに部屋を作っておきましょう。その部分だけ二階建てみたいにして。子供部屋もすぐに必要になりそうなのよ。男の子みたいだから、壁の色は水色がいいかなぁ」

「えっ、男の子、え、え、水色の壁紙? もしかして子供ができたっていうこと?」

「フフ、そうみたい。やっと性別も確認できたのよ。順調にいけばあと七ヶ月後だから、新しい家に引っ越した後、生まれてくることになるわ」

「やったー。そうか、パパとママになるんだ。じゃあ、子供部屋もちゃんと作っておこう。そうか、男の子か〜。じゃあキャッチボールするためのグローブとか買わないとなぁ」

「気が早すぎ。それはまだまだ後」

「あ、そうか、そうか。チャイルドシートが先だな」

 夫婦の夢である新しい家は、どうやら生まれてくる子供のために、これから少しずつ変更要望を入れることになりそうだ。いつの時代も新しい命を迎える場所は大切なものになるし、検討している時間が一番楽しい時かもしれない。


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