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【SS】お届け物です

 最近の物流システムの進化は凄まじい。午前中に注文すればその日のうちに商品が届く時代だ。わざわざ買い物に出かける必要もないかもしれない。

 現代、つまり2080年の日本では、宅配業者はすべて統合され「ロボ配」という会社のみになっている。随分昔には、多くの宅配会社が存在して多くの社員が在籍していた上に、個人でも宅配会社と契約して配達を担当して荷物を配っていたようだ。まさしく人海戦術だったらしい。それに中長距離のトラック輸送も24H体制で運行していた。配達や運送する人の人手不足による労働環境が幾度となく問題となりニュースでも報じられたということを歴史の本で読んだことがある。

 今では人間が宅配に関わることは無くなった。代わりにロボットが全ての仕事をこなしている。陸の輸送、空の輸送、海の輸送、そして荷物の積み下ろし、各家庭までの配送を全てロボットが担当している。人は過酷な労働から解放された。長距離の荷物の運搬のためトラックを運転することも無くなった。貨物列車を運転することも無くなった。船や飛行機も同様である。すべてはプログラミングにより自動運転で対応できるようになり、人が長距離を移動する必要は無くなった。もちろん、人が移動する時の手段として鉄道や空、海の便は残っていて観光業を支えている。

 今では、人口よりもロボットの数の方が圧倒的に多くなっている。各都道府県、各市町村にはロボットをメンテナンスする数多くのステーションが設置され、24H体制でロボットの保守が実施されている。もちろん予備のロボットも多数準備されているので、配送が滞ることはない。よって規則正しく24H体制でロボットの保守として定期的な清掃、部品交換、プログラムの入れ替え、塗り替え、関節のチェック、対荷重のチェックなどが行われている。ロボットは用途に応じて様々な形状で作られているので、形状に応じたメンテナンス体制が敷かれている。

 ロボットに仕事を取って代わられた人たちは、この膨大な数のロボット・メンテナンス・ステーションで仕事をするように世の中は変化したのだ。なので失業者はいない上に、収入も向上しているようだ。

 人海戦術で対応していた物流業界はなくなり、人海戦術で対応するロボット・メンテナンスの業界が現れたのだった。そして、ロボット・メンテナンス業界は人手不足に悩んでいる。


#小説 #創作 #ショートショート #未来の宅配

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