【SS】威張る王様 #毎週ショートショートnote
栄え続ける国で新しい王様が誕生しようとしている。王様だった父親が崩御し、長男だったウィリアムが王座を継承したのだ。ウィリアムは王子の頃、口癖でエッヘン、エッヘンと言っていた。少しでも胸を張って権威があるという素振りを国民や臣下に植え付けたかったのだ。そしていつしかそれは口癖となっていた。しかし、当時の王様は会う度に嗜めていた。
「そんな体裁だけでは人はついてこない。もっと徳を積み人々の暮らしが向上するような施策を考えなさい。エッヘンなんていうもんじゃない」
だが今や誰も責めるものはいなくなったのだ。新しい王様として持ち上げられる地位についたウィリアムは、戴冠式で王冠を冠る際に、その威厳をみんなに示したかった。ウィリアムは、大きく胸を前に突き出し、少しでも大きく見えるように上底のブーツを履き、王冠を冠った直後、惰性のエッヘン解放を自ら行い、集まった全員の耳に届くような大きな声で叫んだ。
「エッヘン」
拍手が鳴り響いた。
410文字
以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)
裏お題での参加です。
出題日 5月21日
お題 火星の別件逮捕
裏お題 惰性のエッヘン開放
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