1月24日 ゴールドラッシュの日 【SS】幌馬車の金塊
【今日は何の日】- ゴールドラッシュの日
アメリカ・カリフォルニアにジェームズ・マーシャルという製材所で働く男がいた。ジェームズたまたま川底に光る石粒を発見した。砂金である。ジェームスは仲間と共に誰にも言わないと誓ったのだが、すぐさま噂となって全米に広まってしまった。金脈があるらしいと。噂を聞きつけたものは、一攫千金を夢見て押し寄せた。ゴールドラッシュの始まりである。
【SS】幌馬車の金塊
全米から金を求め、一攫千金を狙って多くの人たちが集まってきた。それに引き寄せられるかのようにバーやホテル、コールガールまでもが蔓延り、何もなかった場所が大きな街へと変貌していた。街は賑わっていた。当然のようにカジノまでも営業を始め、せっかく手にした砂金をすっかり無くすものも数多く現れた。同時に犯罪も多発し始め、保安官が配置された。しかし、合法的に決闘が出来たため、死んでいくものは後をたたなかった。
しばらくすると砂金で儲けた一族が街を仕切るようになり、一見秩序が保たれているかのように犯罪は影を潜め始めた。その代わり、街を仕切っている一族のボディガードが増え、彼らのやりたい放題の街へと変貌し始めていた。その時には保安官は酒に逃げる日々を送るだけに成り下がっていた。それでも人々は一攫千金の夢を捨てきれず、この街に集まってきていた。
一人の若者が馬に乗ってこの街にやってきた。街の雰囲気が荒んでいることを肌で感じながらバーに入りウィスキーのストレートをあおっていた。すでに人や物の運搬のための列車が開通していたが、インディアンに何度も襲われていたため、資金がある者たちは、線路とは違うルートで軍隊のような隊列を組んで金を運ぶようになっていた。さすがのインディアンも軍隊には叶わない。遠くから見守るだけだった。私設軍隊の募集は常時実施されていたので若者は志願してめでたく採用された。これからは金塊輸送の幌馬車の護衛として役目を果たすことになった。
だがこの流れてきた若者は、実は街を仕切っている一族に兄さんを殺された恨みを抱く者だったのだ。それで、内部に潜り込み、この一族に大きな痛手を与えることを考えている若者だった。若者は大量の金を積んだ幌馬車をインディアンと結託して襲う計画を立てていた。インディアンは囮で、軍隊の引きつけ役。そして若者は金塊を積んだ幌馬車を乗っ取って持ち去る役として計画していた。
丘の上からインディアンが一斉に襲いかかってきた。金塊を守っている軍隊は幌馬車を守るように背後に隠し、インディアンに対して一斉射撃を実施した。しかし、射程距離内にはインディアンは入っていなかった。入るフリだけに徹していたのだ。そして若者は軍隊の隊長に告げた。
「もっと奥の方に馬車を避難させます」
若者はまんまと金塊が積まれた幌馬車を避難させるふりをして盗んで逃げてしまったのだ。しばらくしてインディアンと合流し、手に入れた金で武器と傭兵を調達し、街を牛耳っている一族の本拠地に攻め込んだ。不意を突かれた一族は大きな屋敷を放棄し散り散りバラバラで逃げてしまった。雇われていた兵士たちはお金を払ってくれる主人がいなくなり、抵抗することもなく街から出ていった。
若者は残っている金を街の住民で分け、自らは保安官として街に住み着くことを決意した。それから当分の間この街は、平和な街として発展した。
了
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