3月17日 みんなで考えるSDGsの日 【SS】子供達のために
日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。
【今日は何の日】- みんなで考えるSDGsの日
国連が定めた「持続可能な開発目標」である「SDGs(Sustainable Development Goals)」についての様々な企業の取り組みをより多くの人に伝えることが目的で、コンサルティングなどを行う共同ピーアール株式会社の総合研究所(PR総研)が制定した。また、企業だけでなくひとり一人がSDGsについて考える日にとの思いも込められている。日付はSDGsに持続可能な世界を実現するために掲げられている17のゴール(目標)から「みんな(3)」で「17」のゴールを実現しようという意気込みで3月17日に決定された。
SDGsについて
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年(平成13年)に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年(平成27年)9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。
17のゴール(目標)と169のターゲット(達成基準)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本も積極的な取り組みを行っている。
17の分野別のゴールについてはWikiを参照ください。
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【SS】子供達のために
今や世界はSDGsブーム。テレビをつけているとよく聞く言葉だ。商店街のおじさんでもSDGsを知っている。正確に言えば、言葉だけを知っているのかもしれないが。ゴールは17個あってなかなか難しそうなゴールが多いことも事実だし、個々人ではどうにもならない項目もありそうだ。でも、魚屋さんは「海の豊かさを守ろう」というゴールには共鳴するし、八百屋さんは「陸の豊かさを守ろう」を支持するだろう。一方「住み続けられるまちづくりを」というゴールは、地域のコミュニティが一つになり、取り組んでいくことが重要だととある街の自治会長が声を上げ新しい街づくりがスタートしていた。
「自治会の皆さん、我々が暮らしているこの街もこれからの子供達のために住み続けられる街づくりを目指して近隣の自治会とともに活動していきたいと思っていますが、ご意見やアイデアはありませんか」
「自治会長さん、ワシらはもう年寄りだから、どうでもいいということですかー」
「林の爺さん、何をひがんでるんですか。そういうことじゃなくて、次の代も住み続けられる街を作ろうと言ってるだけだよ」
「そんなら、未来の次のもんに聞いたほうが早いだろうに」
「なるほど。それも理屈だな。では、ちょっと未来の人に会って聞いてくるかな。ということで今日は解散しよう、次回は再来週集まることにして。まぁ、それまでには多少は聞いてこれると思うから」
「えっ」
自治会長はそのまま部屋を出て行ってしまった。残った人たちは呆然としていた。まさか本気で未来に行くというとは思わなかったからだ。もしかすると自治会長もそろそろボケが始まったのかなという噂まで流す人まで出てくる始末だった。
二週間後、再度集まりがあり、自治会長が最初に報告するということで前に出た。みんなはまさか未来に行って意見を聞いたのだろうかと勘ぐり始めている。今は二十一世紀である。未来に行く手段はないはずだ。
「皆さん、前回の会議の時に林の爺さんからヒントをもらい、未来の人からアンケートをとり集計してみました」
自治会長が話し始めた内容を聞いて、みんなはどよめいた。自治会長は話を続けた。
「あはは、実際に未来に行くことは流石に私でも無理なので、年齢別にアンケートを取ってもらったんだ。二十歳代の人には十歳代の時にどう考えていたかを思い出してもらって色々と書いてもらった。いろんな年代の人から回答をもらえたから、すでに未来を迎えた人に会えたというわけです。ある意味未来に行ったのと大差ない結果が得られたんだと思います」
「なるほど。そういうことか。真面目な顔をして未来に行くと言って出て行ったのかと思って、そろそろくるものが来たかなと思っちまったよ」
「いやいや、まだまだ私の頭は大丈夫ですよ。ご心配ありがとう」
「それで何かわかったのかい」
「えぇ、多少方向性が見えたような気がします。ここ二十年くらいの時間の中で私たちの街は大きく発展しました。マンションも増えスーパーや病院などの施設も充実して来ています。街の中心には大きな公園もできました。なので施設に関してさらに何かを増やすということではなく、人と人のつながりをもっと強くしたほうがいいのではないかということに気づいた次第です。どういうことかというと、我々が子供だった頃は、隣近所の人との会話が日常的に発生しお互いに助け合っていたなぁということに気付かされたのです。年代が若くなればなるほど成長した時、つまり未来の人は付き合う範囲が狭くなっている傾向があったのです。小さい時の友達や近隣の人たちの付き合いを思い出し、そんな環境が大人になって次の世代に循環して維持できれば、住みやすい助け合う街になれるんじゃないかなと思ったのです」
「なるほどなぁ。いい視点じゃあないか。賛成だ」
自治会長はそれぞれの年代にアンケートをして家族以外の人との繋がりがあまりにも希薄となっているので些細なことを気軽に頼めない街になっているということを実感したのだった。多くのことを計画しても中途半端になるだけだ考えた自治会長は、年代を超えた人と人のコミュニティの場を作ろうとみんなに持ちかけたのだった。そうすることで防犯にもなるし、孤独感をなくせるだろうと考えた。そして新しく転居されてくる人たちにも啓蒙して街全体での活動にしていきたいと思ったのである。
この後はコミュニティの実現に向けた計画作りになりそうだ。自分ができることを整理してもらい、若い世代の人が聞きたいとか習ってみたいと思う内容を整理して世代間のつながりを強化しようと考えたのだった。当然そんな交流の場も現実世界の皆限らずバーチャル環境でも実現できるのかもしれない。
了
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