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2月18日 冥王星の日 【SS】隠れていた星

【今日は何の日】- 冥王星の日

 冥王星はずっと見つかっていなくて1930年に、アメリカのローウェル天文台の天文学者クライド・トンボーという人がこの日に発見したそうです。最初は太陽系第九惑星とされましたがのちに見直され準惑星となりました。もともと15等星で暗い星だったため発見がおくれたそうです。命名はギリシャ神話の冥府の神ハデスの呼称から「プルート(Pluto)」と名付けられたようです。


【SS】隠れていた星

 「決して地球に面している側では光を点けないように気をつけてくれ。最近は地球の文明が発達してきて天体観測にも力を入れ始めたいるようだ。我らの星が地球に発見されてから百年ほどの時間が過ぎて、その間に地球上のテクノロジーもそれなりに進化したようだから」

「はい。閣下。分かっております。現在コンピュータ制御にて明かりのコントロールをしていますので、問題はありません。人工的な光は地球と面していない方でしか光らせておりません」

「うむ。厄介なことは避けたいからな。今後も頼むぞ」

 ここは、冥王星。一番最後に発見された太陽系の星だ。地球では当然生物はいないとされている月より小さな星である。しかし、冥王星にはれっきとした冥王星人が生活をしていた。最もこの星の人達は冥王星とは呼んでいない。ここでは影星(かげぼし)と呼ばれている。したがって影星人のほうが正しい。

 影星人は、侵略されることを極度に恐れていた。なぜならば、彼らはもともとは違う惑星に住んでいた宇宙人だったのだ。しかし、粗暴な外から来た宇宙人の侵略者に追い出され、やっとの思いでこの星にたどり着き、小さな平和を取り戻したのだった。銀河系では地球以外に生命反応を感じなかったため、地球だけを警戒して暮らしているのだ。そのためこの星にやってきたときに星の名前を影星と命名したのだった。それから数百年は経過している。地球の文明が発展するはるか前から住んでいたのだ。この星の住民は平和主義者で、他の星を侵略することは全く考えていない。なので、ひたすら隠れて平和を維持することに集中していたのだった。

 影星人にとっては、地球人に発見されることはまた侵略されるかも知れないという恐怖だった。それで、地球側から観測できる面での光の利用を禁止していたほどだった。この施策と並行して、地球の情勢を知るためにこの星の人達は時折地球へ偵察機を飛ばしていた。月の近くまで宇宙船で近づいて月の影に隠れ、風船に見える飛行物体を地球に送り込んで電波解析することを時々実施していた。万が一風船が発見されても地球のもののように見えるカモフラージュも抜かりなかった。最近、米による風船のようなものが撃墜されたニュースが報道されたが実は影星からの偵察飛行物体だったのだ。情報は収集済みだったため、破壊されても問題はなかったが、彼らが送り込んだ偵察飛行物体のせいで、地球内部で紛争が起こる事は、彼らが意図することではなかったため、少しだけ後悔していた。

 地球上で時折目撃される未確認飛行物体である円盤は、影星とは全く無関係であることから、影星人としても心配のタネになっていた。もし、地球が侵略されたら次は自分たちの星が危ないと日頃から思っていたのだ。なので、地球を監視する目的の一つには他の宇宙からの地球へのコンタクトの状況を知ることも含まれていたのである。

 風船型の偵察物体からの信号をすべて受信し終えた月の影にいた偵察機は、影星に帰還した。もちろん途中はワープ航法である。戻った偵察隊は早速報告に向かった。

「閣下。最新の地球の状況をお知らせします。地球は自然を犠牲にした開発で地球環境を悪化させ、気候も安定しなくなりつつあるようです。それに、国と呼ばれる勝手に決めた領土間の意味のない戦争も未だに続き、地球の表面を焼き尽くす行為も収まりそうにありません。その上、最も気になることは他の宇宙空間からの地球へのアプローチです。どうも複数の惑星が地球を狙っているようです。これからは地球からの宇宙開発も進んでいくと思われますが、他の惑星からの攻撃も始まるかも知れません。そして、その中に、我々の故郷を奪った惑星の飛行物体も混ざっていることが判明しました。最高レベルの警戒体制に入るほうが懸命かと思います」

「なに、地球にまで触手を伸ばしてきたか。さりとて、我々では地球を救ってやることはできないな。我々の影星の表面をもう少しガスで覆ってしまうか。やはり地下から出ることは危険のようだな。今後は地下内の人工太陽を中心に街を整備し直していこう。今後五十年間は警戒体制を最高レベルに引き上げてくれ」

 影星の表面は薄くガスに覆われるようになったが、その分地下には大きな都市が建設されていた。この星の人達は自分の体の中で酸素を作り出せるので呼吸をしない。そのため重力さえ制御できれば日常の活動に支障はないのだ。軽い重力のおかけで地下での工事はかなり早く進めることができるし、万が一、他の宇宙人が地上に侵略して来る時は地上の設備を地下に引き込んでしまい、完全にカモフラージュする準備もできている。これが、数百年間隠れて生活してきた彼らの知恵だった。

 彼らは銀河系の中で地球から最も遠い位置の星の一つとしてこれからも生きていくだろう。ただし、地球が侵略されてしまうことがあれば、影星の運命も変わってしまうかも知れない。地球人よ、内戦にかまけている場合ではない。良い宇宙人も悪い宇宙人も、もうそこまで忍び寄ってきているのだ。


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