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【SS】動かない鬼  #爪毛の挑戦状

昔々、山に住む二匹の鬼は毎夜里の村に出て来て悪さをしていた。村人の食べ物を食い散らかしたり、若い娘を拐かして山に連れ帰ったりしていたのだ。

ある日、勇敢な村人たちが立ち上がった。

「このままでは村から若い娘がいなくなってしまう。なんとかしなければ」

寺の住職も知恵を絞った。寺を守る役割を鬼に与えることはできないのだろうか。強い鬼が寺を守ってくれるようになれば、村人も助かるし、寺も助かる。しかし、凶暴な鬼二匹をてなづけるのは至難とも思われた。

寺の住職の脳裏に一閃の考えが浮かんだ。

「鬼が動けなくなれば悪さはできないし、風貌を残せば門の見張り役にはもってこいである」

ある日計画は実行に移された。
住職が書いたお札で、鬼の動きを暫く停止させる。
そして、止まっている間に、漆喰を全身に塗って固めてしまうというのだ。

こうして鬼を封じる作戦は見事に成功し、寺の入り口の両脇に固められた鬼が据えられた。

動かない鬼が仁王像になったのである。

410文字


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#爪毛の挑戦状 #ショートショート #小説 #掌編   #動かない鬼


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