【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#26
第四章 ワインの販路
予期せぬ訪問者
メリーのワイン工場に到着したキヨシは移動で疲れ果てた体でありながら、顔はにっこりしながら声をかけた。
「こんにちは、メリーさん、初めまして」
「はーい。えーっと、どちら様ですか」
「日本から来ました。メリーさんからワインを受け取ったキヨシです」
「えっ、本当に。わざわざここまで来たの。信じられないわ」
「いやー、いてもたってもいられなくてどうしても葡萄畑と工場を見ておきたかったんです。これから長いお付き合いをしなければならなくなるので」
「えっ、それはどういうことですか」
「あなたが送ってくれたワインはとてもいい商品だと思います。日本ではブームが巻き起こるかもしれません。それで直接お会いしたいと思い、ここまで来てしまいました。日本のホテルでも人気が出ると思っています。ついては、ぜひ我々と専属契約をしていただきたいと思い、ここまでやってきました」
「わぁ、本当ですか。とても嬉しいです。でも、私一人で作っているので数はそんなに作れないんですけど」
メリーは、キヨシを中に入るように促して白ワインをグラスに入れてチーズとともに持って来た。以前、ケンに出した時と同じように。キヨシはそのワインを一口飲んで話し始めた。
「うーん、やっぱり美味しいなこのワイン。軽い口触りがなんとも言えないですね。やっぱりここまで来てよかった。これ、樽から注いだワインですよね。樽の香が本当にいいなぁ」
「まぁ、お上手ね。水みたいに感じてるんじゃなくて」
「いやいや、日本ではこのくらい軽いワインが今大ブームを引き起こそうとしているんですよ。メリーさん、きっとうまくいくと思いますよ」
「えー、本当ですか。とっても信じられないわ」
日本におけるホテルとのやりとりを一通りメリーに説明したキヨシは、これから安定供給してもらわないとビジネスとしては成り立たなくなるので何とかして生産量の確保ができるようになってもらいたいと考えていた。もともとキヨシはせっかちである。早速本数確保のための話題を切り出した。
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