【SS】行商 #毎週ショートショートnote
裏お題:小判食え/タイトル:行商|
「小判食え〜、小判食え〜、よりどりみどり、つかみ取り〜。大判無理でも小判食え〜」
いい天気の朝、威勢のいい声で天秤棒を担いだ行商の男が今日もやって来た。子供たちも母親の手伝いで鍋を持って集まってくる。
「おっちゃん、えび小判、五個ちょうだい」
「うちは、タコ小判と鶏小判、三個ずつや」
「はいよ。いっつもありがとうな〜。お母さんのお手伝い、偉いな〜」
戦後の昭和である。やっと戦争から立ち直ろうとしている時代だった。まだまだ食料が豊かではない。行商人が売りにくる魚や豆腐などを鍋を持って買いに行くのが当たり前の光景だった。そんな中、小判を売りにくる行商がいた。大判までは無理でも小判くらい食べる気持ちで日々を過ごしてもらいたいと、小判と名付けた真薯を作って売りに来ていたのだ。掛け声も気持ちよく「小判食え」を連呼する。この声に誘われて、みんな集まって買っていく。
気持ちを大きくする「小判食え」の掛け声は下町の界隈で、末長く続いた。
410文字
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以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)
出題日 11月5日
お題 ごはん杖
裏お題 小判食え
https://note.com/tarahakani/n/ne17bf019e39f
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