5月20日 電気自動車の日 【SS】自走車
日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。
【今日は何の日】-電気自動車の日
京都府京都市南区に本社を置き、自動車・オートバイ用電池、電源システムなど、電気機器事業を世界規模で展開する株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)が制定。
1917年(大正6年)に同社の前身である日本電池株式会社が創業され、創業者のひとりである2代目・島津源蔵(1869~1951年)が、アメリカから電気自動車「デトロイト号」を輸入した。
その「デトロイト号」を約90年ぶりに復活させた2009年(平成21年)のこの日を記念したもの。「元祖エコカー」ともいうべき電気自動車「デトロイト号」の復活は、電気自動車用電池を開発する同社の企業シンボル的存在である。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
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【SS】自走車
電気を動力源として走る車の歴史は古い。世の中に登場はしたものの、通常のエンジンで動く車の波に勝つことはできず、一旦その姿を消してしまった。しかし、環境保護への関心の高まりと化石燃料であるガソリンの高騰などが後押しとなり、電動車が見直され、ハイブリッド車が脚光を浴び、その後、電気自動車も世の中で一般的な存在として認知され、自動車業界の流れも大きく変わろうとしている。
もともと、自動車の中のアクセサリーやライト類を機能させるためには、電気を使っており、電気は車にとってなくてはならないものである。これまでは、走りながらその運動エネルギーをバッテリーに充電して利用していたが、そのバッテリーを走る動力源にするということは、巨大なバッテリーが必要になる。これまでのエンジンとバッテリーの発想の逆転が必要だったのだ。結果として、巨大容量のバッテリーと小さなエンジンの組み合わせが主流となりつつあるのだ。
まだまだ過渡期というのが現状なので、エンジンのみの自動車、電気モーターだけで走る自動車、必要な時にエンジンとモーターが切り替わるハイブリッド自動車、常にモーターで走るのだが電気を作り出すのに小さなエンジンを使うタイプのハイブリッド自動車などが入り乱れている。
環境を最優先するのであれば、輸送用トラックやバスを電気自動車に変更する方が効果は高いのではないかと思うのだが、コスト負担が半端ではないのでなかなか進めることも困難なのだろう。それにそんなことを検討している間に、自動運転技術は向上し、高速道路中心の長距離輸送自動化の実現も近いのかもしれない。列車の自動運転、輸送トラックの自動運転、列車とトラック間の荷物の積み替えの自動化までできて仕舞えば主要な配送拠点間の自動化が実現できるかもしれない。運転自体はカメラによる自動監視とリモートからの人間の介入を可能にしておくことでリスク対策にもなり、安全性も向上させられるだろう。
自転車もバイクも自動車も鉄道も電動化が進み、電気のない生活は考えられなくなっている。今後はますます電気の重要性が増すと同時に、AIとセンサー技術を惜しみなく搭載した技術が自動車という概念を変えていくのかもしれない。その時には、言葉としても自立して走行できる車ということで自走車となってしまうかもしれない。
未来の自動車の入り口としては自動運転技術が重要な技術となり得るが、すでに外国や限られた区域では実用化され動き出している。もっともそれに伴い事故の報告も時折聞かれるのだが、利益確保を急いでしまうと事故につながりやすいので、二重三重の安全策を先に開発してもらいたいものだ。ただ、そのコストが販売価格へ跳ね返ってくるのが頭が痛いところでもある。
そんな遠い未来ではなく、車が空を飛ぶようになるのも実現されるだろう。その時は空中にも車線ができるようになるのかもしれない。高速道路ではバスやトラックが地上を走って、その上の空中の車線を自家用車が通行するようになれば完全に車線を分離することができるだろう。もっともトンネルが多い日本ではトンネルがボトルネックになりそうではある。そんな時にはAIによる自動制御でトンネルを回避し山肌か山を超えていくルートが設定されるのかもしれない。すべてが自動制御されるようになれば、現在発生している自然渋滞もある程度解消されることも期待できる。
今後の電気自動車が自走車となり発展していくためには、充電設備や高性能バッテリー、さまざまな物体を検知できるセンサーの発展が必須となっていくだろう。特にバッテリーや安全技術は車の価格に大きく影響してしまう。家電並みの価格にまでなってくれれば車の買い替えも早くなり、全ての車が最新技術で置き換わることを促進できるのではないかとも思う。そうすることで交通事故は限りなくゼロに近くなり、テレビで報じられるまたかと思うような交通事故も減少するのではないだろうか。
テクノロジーの塊と化して発展していく自動車。各社は環境に配慮しつつ利益を生み出す車を世の中に出したいのである。一方、こよなく車を愛する人たちも一定数存在するのも事実である。まだまだ、エンジン搭載車が無くなる日は遠い未来ではあるだろうが、そんな車にも追突防止などの安全設備が後付けで外観や内装を損なうことなく装備できればよりよい車社会を実現していけそうな気はしている。時代というものは、常に新旧の入り混じった時間があって移行していくものである。その移行期間をいかに安全にいかにスムーズに実施していくことができるかということが、国として道筋をつけてあげることなのではないだろうか。ただ、今の政治家たちにそこまで期待しても、ないものねだりをする子供のようなものかもしれないのだが。
了
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