【SS】心の味 #毎週ショートショートnote
ある日悪魔は、その存在が世の中で知れ渡りすぎ、夜中に外出する人間が少なくなったことを嘆いていた。
「このままでは、おれは飢え死にしてしまうぞ。ん、悪魔だから死ぬことはないか。でもひもじいものはひもじい。あー、魂を喰らいたい」
夜しか行動ができない悪魔は、毎日真夜中に街を彷徨くのだが、人っこ一人いない。どうもコロナとかいうやつのせいらしい。見つけたら喰らってやるのにと思いながら、歩いているが見つからない。
仕方がないので、最近はお弁当を抱えて歩き回ることにしたのだ。中身は以前に捕まえた「心」を保存しておいたものだ。心を解放してしまうと魂となってしまうので、新鮮に喰らうため、心のままで特別なお弁当箱に保存しているのだ。
「今日も人間に出会えなかったなぁ。仕方ないからお弁当をいただくとするかな」
心お弁当の蓋を開け、中から心を一つ取り出し新鮮な魂にして喰らった。
しばらくした後、悪魔は発熱した。どうやらコロナに感染したようだ。
410文字
以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)
出題日 4月30日
お題 心お弁当
裏お題 どこもお遍路
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