【SS】リストラのおと #爪毛の挑戦状
会長から一冊の「のおと」を預かった男がいた。とある会社の部長を務める「無駄守」という名前の男だった。その「のおと」には社員をどう処遇すべきかということが毎日自然に表示される不思議な力をもった「のおと」だった。
ある時は「昇進対象 課長職 上向英」と表示されたり、またある時は「転勤対象 対馬支店 場所選」と表示されたりしていた。無駄部長は「のおと」に表示された指示に従って人事と連携し毎日処理していたが、この「のおと」は会長と二人だけの秘密だったため存在を知られることはなかった。
社内では、とても適切な人事処理だと言う評判がたち始め、適材適所の配置もほぼ完了したかのように見えていた。
ついに「のおと」には、決して誰も見たいとは思わない「リストラ対象者1名発生」という文字が浮かび上がっていた。無駄部長は恐る恐るページをめくって浮かび上がっている名前を確認しようとした。
現れた名前は「無駄守」と表示されていた。
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