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4月4日 地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー 【SS】犠牲者

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。


【今日は何の日】- 地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー

国連が2006年(平成18年)に制定。国際デーの一つ。

英語表記は「International Day for Mine Awareness and Assistance in Mine Action」または「International Mine Awareness Day」で「国際地雷デー」とも称される。

対人地雷への理解と関心を深めること、地雷除去の支援を呼びかけることが目的。

地雷は残虐な兵器であり、紛争が終わって数十年が経っても、この見えない殺人兵器は地中に潜み、新たな犠牲者を生み続けている。

地雷の残る土地では、農民は作物を植えられず、難民は帰還できず、子どもは遊ぶことすらできない状況になってしまう。また、人道援助の配給は妨げられ、平和維持要員の展開にも支障が出る。紛争終結後の社会では、地雷が依然として、復興と再生への大きな障害となっている。

国連は、1997年(平成9年)に国連PKO局内において国連地雷対策サービス部(UNMAS)を設立し、国連組織内の地雷対策活動を調整し、国連PKO活動の一環として、地雷除去、政策提言、地雷回避教育、地雷廃棄、被害者支援などの地雷対策を行っている。


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【SS】犠牲者

 いつの時代においても、戦争は起きている。なんのための戦争なんだろうか。少なくとも小さな子供にとって、戦争の意味はわからない。でも、戦争によって傷ついてしまうことはある。いつの時代も戦争の犠牲者は弱いものに降りかかってくるのだ。そして戦争そのものが国同士の妥協により終結したとしても、子供達の戦争は続いている。そう、国同士がお互いの領土を壊そうと画策した結果、不発弾や地雷をそのまま放置してしまっているからだ。しかも放置されている場所はだれも正確にはわかっていない。仕方なく広いエリアを立ち入り禁止にしているに過ぎない。

 立ち入り禁止の立札が立っているだけで、誰もいなければ、好奇心の強い子供たちは中に入りたがるものだ。ましてリーダーとして振る舞っている子供は「自分の勇気」みたいなものを他の子供達に自慢したくなるものだ。

「おい、みんなここ知ってるか。地雷っていう爆弾が埋まってる場所なんだって」

「知ってるよー。だって先生が危ないから入っちゃダメって言ってるもん。クオンだって入っちゃダメなんだぞ」

「ふん、俺様は怖くなんかないね。爆弾なんて、スイスイスーイとかわしてやるさ。コンはこわがり屋だから無理だろーけどなー。へっへー」

 クオンはコンに勇気のあるところを見せたくて立札の先に行こうとしていた。その時遠くの方から声が聞こえてきた。以前地雷原に入って不運にも地雷を踏んでしまい片足を無くしたズンだった。地雷の処理をするために入って作業をしていたのだが、作業中につい見過ごしてしまった地雷を踏んでしまったのだった。もう、五年くらい前の話である。それでも全ての地雷の撤去にまでは至っていないのである。

「おーい、子供達、そこで何をしてるんだ。そこから先は立ち入り禁止だぞ」

「あ、やばいなぁ。片足のズンさんじゃないか、あの人」

 杖をつきながらズンは子供達に近づいてきて、しゃがみ込み子供達の目線に立って話し始めた。

「おい、お前たち。おじさんのことを知ってるかい。おじさんはこの立札の向こう側に行って足を一本無くしてしまったんだよ。お前たちはまだ小さいから、もし地雷を踏んだら死んでしまうかもしれないぞ。せっかく楽しく遊べているのに友達にも会えなくなるかもしれないんだよ」

「だって、僕は勇気があるんだよ」クオンはどうしても勇気を見せたかった。

「そうか、そうか。おじさんはなぁ。勇気がないからここに入ってしまったんだよなぁ。おじさんも君みたいに勇気があったらなぁ。ここに入らなかったのになぁ」

「それ、どういうこと。おじさん」

「うん。本当に勇気のある人っていうのは、悪いことやいけないことをしている人を見たら止めてあげることなんだよ。悪いことをすることは勇気があるわけじゃないんだ」

「えー、でも誰も入らないところに入るには勇気がいるんじゃないの」

「それは勇気じゃなくて、威張りたいだけなんだ。君もそうなんじゃないか」

 今日は、地雷処理マシーンが日本から届いてこの近くで試運転をする予定になっていた。それを知っていたズンは子供達を誘った。

「なぁ、君たち。今日は学校休みだから時間はあるだろう。今日はすごいマシーンがこのそばにやってきて地雷をやっつける練習をするから、見てみないか。そうすれば地雷の音とか聞けるかもしれないぞ」

「うん、見るー」

 こうして、クオンとコン以外の子供達にも声をかけて、地雷処理マシーンを遠くから見学することになった。大きなブルドーザーみたいなマシーンの先には鎖のようなものも付いていてガラガラと回りながら大きな音を立てて進んでいる。そのうちに地雷に突き当たると、人間が地雷を踏んだ時と同じように状況になり、大きな爆発音とともに土煙が宙を舞った。マシーンは何事もなかったかのように、前進し、また地雷を爆発させた。

「ドーン、バラバラバラ」爆発して舞った土埃とともに小さな石もパラパラと地面に落ちた。その情景を見ていた子供たちは、爆発の大きさを目の当たりにして、その凄まじさを知り、クオンも入らなくてよかったと内心思っていた。

「ねぇ、おじさん、なんで大人たちは戦争で地雷を埋めるの」

「うん、地雷を埋めておけばその辺では生活できないだろう。それにそこを通って移動することもできないから、攻めて来られることもなくなるって思ったんだろうな。酷いことするよな」

「ひどい、ひどい。そんなのひどいよ。よし、僕は大きくなったらあのマシーンの運転手になる。そして、地雷をぜーんぶ爆発させてやるんだ。決めた」

「おお、今のは勇気ある発言だなぁ。大人になったら、絶対に地雷を埋めるようなことをしないでくれよ。みんなが安心して暮らせる場所を勇気ある行動で守ってくれよな」

「うん、わかった」

 たまたま、通りかかったズンに声をかけられ、クオンが立ち入り禁止エリアに入って事故に遭うことは無かった。しかし、今でも世界の各地で地雷処理が継続しているのも事実である。そして、その陰で犠牲になっている子供もたくさんいるのである。

 戦争を起こした大人たちは反省をしているのだろうか。少なくとも私の目には反省しているようには映ってはいない。いまだに戦争をしているのだから。


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