【SS】だって、お姉ちゃんだから
小さな姉妹のお母さんがいた。妹の方の手を引いて散歩しているお母さん。そして、その前には走って先に行ったお姉ちゃんが待っている。お姉ちゃんは、妹のことを心配して待っているのではない。お母さんと手を繋いでいる妹が羨ましくて見ながら待っているのだ。
妹が生まれる前までは、お母さんはお姉ちゃんのものだった。いつでも甘えられていた。でも、妹が生まれたら、お姉ちゃんの環境は一変してしまった。お母さんに甘えたくても我慢する日々に変わってしまったのだった。
お姉ちゃんは、妹のことをとても可愛いと思っている。でも、時々、妹のことを羨ましく思うこともある。お母さんを独り占めにしている妹が羨ましいと思ったり、ちょっと憎らしくなったりすることもある。それでも一生懸命我慢している。
一緒に遊ぶと、わがままな妹におもちゃを取られたり、泣き叫んでお母さんに言いつけたりすることもあるけど、お姉ちゃんは必死で我慢している。だってお姉ちゃんだからと自分に言い聞かせている。
でも、お母さんはそんなこともちゃんとわかっている。まだおむつがとれていない妹が眠ってしまったら、やさしいお姉ちゃんにお母さんは声をかける。
「抱っこしようか」優しい笑顔でお母さんは手を差し伸べお姉ちゃんに言う。
「うん」少しはにかみながらお姉ちゃんは両手をお母さんに差し出した。
抱っこされたお姉ちゃんは、やっと独り占めにできたお母さんに、にっこり笑って言った。
「お母さん、大好き!」
「お母さんも、お姉ちゃんが大好きよ」
おわり
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