【SS】心優しき鬼 #毎週ショートショートnote
ある所に見かけは怖いが心の優しい鬼がいた。他の鬼からは完全に仲間外れにされていつも一人ぼっちだった。なんとかして他の鬼たちにあっと言わせてやりたかった。他の鬼は人を喰らっているが、それでは、喰らわれた人は死んでしまうので苦痛を感じないではないかと考え、生きたまま苦痛を与えにはどうすればいいかと三日三晩寝ずに考えた。
結論がでた。優しい鬼は人にとって「名前」は大切なものだ。それを自動転売してしまおう。気づかないうちに自分の名前が変わっていれば、本人は大いに驚き嘆き苦しむに違いない。優しい鬼はそう考えた。
まずは、夜の街に繰り出し、街を行き交う十人をターゲットにした。すれ違う人々はツノに気づき驚いて逃げ去る。優しい鬼はそんな行き交う人にタッチしてその人の名を自動販売してしまった。売るのも強制、買うのも強制の自動販売だった。
誤算があった。名前を変えられた人は、記憶の中でも名前が変わり、何も変わらない生活を続けたのだった。
410文字
以下の募集への参加です。 (毎回ムズイお題に悩まされてます)
裏お題での投稿です。
出題日 6月4日
お題 顔自動販売機
裏お題 名を自動販売鬼
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