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6月17日 砂漠化および干ばつと闘う国際デー 【SS】人類の過ち

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。


【今日は何の日】- 砂漠化および干ばつと闘う国際デー

1995年(平成7年)1月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「World Day to Combat Desertification and Drought」。
1994年(平成6年)のこの日、「国連砂漠化防止条約」(United Nations Convention to Combat Desertification:UNCCD)が採択された。砂漠化と干ばつへの理解と関心を深め、砂漠化防止に向けての活動を呼びかけ、国際協力の必要性を改めて考える日である。


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【SS】人類の過ち

 人間はこれまでも多くの過ちを繰り返してきた。過ちから学習し、前進するのが本来の人間のはずなのに、国が違ったり、人が変わったりすると、全てのことがリセットされてしまうことがある。そして、再び、三度と過ちを選択してしまうのである。

 三十世紀に入った今、地球上の三分の二は砂漠化していた。北極圏と南極圏を除くと、小さな島だけがなんとか緑を維持し続けているのみである。大陸は全て砂漠化してしまったのである。日本は、島国であったためかろうじて砂漠化はしていないものの、二十世紀とは比べ物にならないくらいの黄砂が大陸から飛んできて、九州、本州を中心に砂が積もり始めている。日本海側も砂に覆われてしまうのにそれほど長くはかからないだろうと予測されていた。人々は日本海側や関東、九州北部から離れ太平洋側の南九州や四国、北海道に移動し始めている。

 大陸では、砂漠の中で生き抜くために、ドーム型の居住エリアがいくつも建設されている。地表では川も干上がってしまい、湖の水も蒸発してしまっている。仕方なく地下水を汲み上げて生活水として凌いでいた。並行して他の惑星への移住も研究されていたが、地表での活動が困難になり、地球の外へ出るための施設を維持ことも困難になってしまい、計画は凍結してしまった。

 地下深くにある地底国家でも地表の異変に気づいていた。地下水の勢いが衰えてきたからだ。地表では雨が降ることはなくなり常に乾燥している。その結果、水の循環は地下の中だけでしか起こらなくなってしまったのだ。地表に住んでいる人間は地底国家の存在を知らないが、地底国家の民はもともと地上で生活していたにもかかわらず、地底で隠れて生活しなければ生存できない環境に追いやられたのが国家の始まりだったため、地上の人間に対して好意は抱いていなかった。しかし、地底国家代表は国民に告げた。

「地上は砂漠化してしまい瀕死の状態にある様だ。我々をここに追いやった地上人ではあるが、元を正せば同じ人間。我々の存在を明らかにして助けてやろうと思う。過去の過ちを繰り返さないためにも進化した我々の存在を明かし、地上に手を差し伸べようではないか」

 地底国家の国民は、なんと人間味あふれるリーダーなのだと感心すると共に、また裏切られるかもしれないという恐怖も同時に抱いていた。地底国家から地上に向かってメッセージが届けられた。地上ではメッセージを受け取り、いろんな議論が交わされ始めた。

「地底に住んでいる人間がいるらしいぞ。いま地表がこんなだから手を貸すフリをして我々を抹殺する気らしい」

「いやいや、そんなことはないだろう。親切心で名乗って出たんじゃないか。抹殺する気なら、存在を明かさないだろう」

「本当に地底国家が存在するのなら助けてもらうべきだ」

「地底国家と言っても小さな集団に過ぎないのだろう。この際、横取りして我々が住んでしまえばいいじゃないか」

 人間というものは、初めての事象が起こると必ず賛成と反対に別れる。それが、自分の存在を堅持することになるかの如く振る舞うのが政治家の様だ。もし、正しい王様というのが存在するのであれば、その方が素早い意思決定と正しい行動ができるのかもしれない。議会を通した瞬間にノイズが入ってしまう。今回の対応もどちらかといえばノイズの方が大きい様だった。ある国では先手必勝だから、今の内に叩き潰してしまおうという過激な意見まで出ていたのである。

 そんなやりとりを地底国家では検知していた。地底国家のリーダーは嘆いていた。どうして同じ人間同士なのに信じあうことができないのだろうかと。このままでは、人類は自らの手で人類を滅ぼしてしまうかもしれないと地底国家のリーダーは感じていた。それでも、大半の人間は心優しい平和を望むはずだと思い、地底国家は移住する人を拒まないということを毎日の様に地上に伝え続けた。

 その結果、地上でも変化が起こり始めていた。行動が伴わない政治家たちが善良な人たちによって地位を剥奪され始めたのだ。そんなことが各国で起こり始めた。人間として生きていくために選択の自由をというスローガンのもと、各地でデモが起きた。その時に、地底国家への大きな入り口の扉が開け放たれた。順番に吸い込まれる様に地底に入っていく人たちをみていた政治家たちは、自分たちだけ取り残されるのは耐えられないとばかりにみんなに紛れ込んで地底国家へと入って行った。

 この後、地底国家はかろうじて緑を保っている地表の島々に住んでいる人たちと定期的に連絡を取り合い、交流を始めていった。もし、地表が元の様に緑豊かな状態に戻れば、地底に来た人たちも元の生活に戻れるかもしれないと考えていたのだ。本当に平和な緑の地球を望んでいたのは、地底国家の人々だったのかもしれない。


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