6月24日 UFOの日・空飛ぶ円盤記念日 【SS】侵略者
日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。
【今日は何の日】-UFOの日・空飛ぶ円盤記念日
1947年(昭和22年)のこの日、アメリカの実業家ケネス・アーノルド(Kenneth Arnold)が自家用機で飛行中にコーヒー皿のような謎の飛行物体を目撃した。
最初の目撃例となったこの日をUFO研究家たちが記念日として命名したとされる。
謎の飛行物体はワシントン州のレーニア山付近の上空に9個あり、当時では信じられないほどの高速で急下降や急上昇を行っていた。アーノルドはこの物体をその形状から「空飛ぶ円盤(flying saucer:フライングソーサー)」と呼び、全米で報道されると、同様の目撃証言が相次いだ。
事態を重く見たアメリカ空軍が、これを「UFO(unidentified flying object:未確認飛行物体)」と名付け、調査に乗り出したが、正体はつかめなかった。結局、1969年(昭和44年)にUFOは「車のサーチライトの誤認や目の錯覚の類」との調査報告を出した。
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【SS】侵略者
銀河系を遠く離れること遥か彼方。地球とは比べものにならないくらい文明の進んだ惑星があった。銀河系と同様に太陽のように燃える恒星、光の星を中心に構成されていたのだが、その光の星がいよいよ燃え尽きようとしていた。燃え尽きてしまうと、周りの惑星での生命の維持は困難になってしまうのだ。もっとも住民の多い惑星、「紺碧」では、各国のリーダーがホログラム通信で一堂に介して光の星が燃え尽きた後の善後策を議論していた。
「遠く離れた銀河系に文明の遅れた地球という惑星があるみたいだ。そこを照らしているのが太陽という恒星でまだまだ燃え尽きることはないという報告を受けている。我々の星からはかなり遠いが、惑星の環境は類似している。この際、侵略してしまって我々の移住先として開拓してはどうか」
「しかし、我々が生き残るためとはいえ、他の惑星を侵略するということは文明国である我々が実施することでは無いのではないか」
「なにを甘いことを言うのだ。このままだと我々も死を待つばかりなのだぞ。それとも、無重力空間で命だけ長らえる道を選択するとでも言いたいのか」
「いや、そうではなくて、侵略ではなく我々を受け入れてもらえるように交渉すればいいではないか」
議論は白熱していた。倫理的に考えれば交渉すべきだろうがそんなに時間的余裕があるわけでもなかったし、テクノロジー的には大きな差があり、侵略することが時間的節約になり、必要ならそのあとで共存することを模索すればいいのではないかという意見の支持が多かった。やはり、強者の理論だった。そして、それは決議され、実行に移された。
なにも知らない地球ではいつものように美しい朝日を眺め、心地よい太陽の光を浴びていつもの一日が始まろうとしていた。その時、青い空を覆い尽くすほどの宇宙船が突如現れ、太陽の光を遮ってしまった。東京上空の空は晴れていたにも関わらず曇りの日のような天気になっていた。同様に、ロンドン、パリ、ニューヨークなど世界各国主要都市の空にも多くの宇宙船が出現していた。そして、同時に地上に向かって警告メッセージを発信するとともに、数多くの宇宙船の船体に文字による警告も表示した。東京上空の宇宙船には「我々は地球を支配する。抵抗するのなら一瞬にして街を焼き尽くす。リーダーは速やかに返事をすること」という日本語が表示された。世界各地でも、それぞれの言語で表示された。
世界中が同時にパニックになった。各国の首脳は慌てて連携しようと試みたが、全ての通信が機能しない。おそらくは宇宙船による妨害電波だろう。各国首脳は自国のことを優先的に考えざるを得なかった。紺碧の星の戦略は正しかった。連携を断ち切れば保守的な考えで支配され、抵抗することはないと考えたのだった。
日本の首相も背に腹は変えられないと判断しそうになっていた。そんな時、自律型ドローンを研究しているチームが首相官邸に駆けつけ、秘密裏に提案があったのだ。
「これほどの宇宙船で押し寄せてくると言うことは、住んでいた惑星に何か非常事態が発生したのではないでしょうか。であれば、なんとか暗くなる夜まで時間を稼いで、我々の持つドローンで、ある程度対抗できることを示し、話し合いの場に引き摺り出して和解する道を選択するようにした方がお互いに利があると思われます。我々に、交渉を一任していただけませんか、首相」
「わかった。では、日が沈むまでなんとか時間稼ぎをするから上手くやってくれ」
こうして、日没までに大量の自律型ドローンの準備を実施し、ドローンチームは実行に移った。密かに多くのドローンを飛ばし、宇宙船ごとにドローンを配置した。そして、アナウンスした。
「我々地球人は、我々の権利を守るため、あなた方の宇宙船を墜落させる規模の爆薬を積んだドローンを宇宙船単位に配置した。我々は平和な交渉をすることを望んでいる。応じる気があれば、全ての宇宙船と連携して返事をしてくれ。猶予は地球時間で一時間」
なんとドローンチームは強気の交渉を決行したのだった。首相は内心気が気ではなかった。世界中のリーダー達も譲歩しそうになっていた。そんな時宇宙船の内部では議論が白熱していた。
「日本という国は、みずからの命を捨てでても国土を守ろうとしていた経験を持っています。これを見てください。神風特攻隊というのがあったそうです。こんなことになったら、我々の大半の宇宙船はダメージを受けることになります」
「うーん、単に文明の発展度合いだけで判断したのが間違いだったな、全艦に通知して一旦攻撃は中止と伝えろ。その上で、日本を地球の代表として話し合いの場を設けるようにしよう。我々も侵略行為は不本意だからな」
ドローンチームは首相の怒りを買う前提で大きな賭けをしたのだった。なぜか、今は譲歩するタイミングではないと判断したのだった。当たり前だが、ドローンチームが飛ばした無数のドローンに爆弾は搭載されてはいなかった。なんと、この緊急事態ではったりを使ったのだった。しかし、そのおかげて侵略を免れ、話し合いが始まった。理由を知った地球では快く受け入れることを約束し、居住地の確保のため全世界が協力しあった。そして、大きく進んだテクノロジーを地球人は手に入れることに成功したのだった。実は、このことが一番の目的だったのかもしれない。対等なテクノロジーを手に入れた時、入植して来た宇宙人の脅威は無くなったのである。
果たして、狡賢く振る舞ったのは、宇宙人だったのか、はたまた地球人だったかのか。あなたはどう判断しますか?
了
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