【SS】かわいい旅人 (ひといろ展)
燃えるような葉っぱが眩しい季節がやってきました。夏になると気ままなかわいらしい旅人が突然現れて子供たちと素敵な笑顔で遊んでくれるのです。子供たちはみんな楽しみにしています。遊んでもらった子供たちはみんな明るくなります。夏の暑い日差しの中で心の中に一陣の涼しい風を吹かせてくれるのです。
かわいい旅人は緑色の髪の毛をして、夏でもマントを着ています。でもちっとも暑そうじゃないんです。だって、マントは細い木の繊維で作られているから、涼しいのだそうです。
「今年もリーフは来てくれるかなぁ、それとも違うところに行っちゃうのかなぁ」
山の麓の村に住んでいるフランクは首を長くして待っています。毎年夏が来るのを楽しみにしているのです。でも、フランクには不思議に思っていることがありました。
「リーフって毎年遊びに来てくれるけど、全然大きくなってないような気がするなぁ、一昨年は僕のほうが小さかったけど、去年は僕の方が大きくなっていたんだよね。リーフって不思議な子だなあ」
今年もリーフはやってきました。今年も村の子供たちはみんな走ってリーフのところに駆け寄って行きます。
「ねぇ、リーフ。かくれんぼしようよ」
「だめだよ。縄跳びしよう」
「お絵描き、教えて〜」
子供たちは口々に自分のやりたい遊びを言ってリーフを困らせます。でもリーフは小さい子供の希望から順番に遊んでくれるのです。いつもニコニコして子供たちと遊んでくれるので子供達には人気があります。
大人たちはみんな知っていました。リーフは人間の子供ではないということを。この村の大人たちも子供の頃は、みんなリーフに遊んでもらった経験があったのです。リーフは村の中で一番大きな木の妖精でした。葉っぱが一番美しく輝く夏の季節だけ、可愛い旅人の姿になって、子供たちと遊ぶためにやってくるのです。村の子供達の成長をしっかりと確認して安心するために。

おしまい
ikue.mさんのお話でこの企画を知りました。ありがとうございます。
選択した色は、リーフ・グリーン。とっても笑顔が素敵な絵と色に感じたのでこの色でお話を作ってみました。
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