4月22日 アースデー・国際母なる地球デー 【SS】五億年後に向けて
日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。
【今日は何の日】- アースデー・国際母なる地球デー
アメリカの上院議員であったゲイロード・ネルソンは、1970年(昭和45年)4月22日に環境問題についての討論集会を開催することを呼びかけ、「アースデー」(Earth Day)を提唱した。
日本語では「アースデイ」や「地球の日」とも表記される。その活動の統括役として選ばれたのが当時スタンフォード大学の大学院生だったデニス・ヘイズである。地球環境破壊に抗議する運動として、全米で2000万人が参加したとされ、アメリカの環境保護運動の先駆けとなった。
2009年(平成21年)の国連総会でこの日を「国際母なる地球デー」(International Mother Earth Day)に制定し、翌2010年から実施している。
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【SS】五億年後に向けて
地球温暖化と言われてかなり月日が流れた。最近の日本では季節感もズレて来ている感も否めない。一説によると、日本の温暖化が世界で最も早く進んでいるという数字も出ている。気温も百年間で約1.2度の上昇を記録しているらしいし、暖かくなることで海面も上昇している。また、五億年程度経過すると地球上の海水は太陽熱によって蒸発してしまい、生物は生存できない環境になるということも言われている。
未来のために、地球のことをもっともっと考える日。アースデーの日くらいは、個々人の利益のことを忘れて、人類としてどうしていかなければならないかということを考えるべきなのだろう。そして、その意見が集約され国策や地球全体の施策として実施されることを期待したいものだ。特に一部の争いが起こっている場所では特にそうあって欲しい。ただでさえ、自動車の排気ガスによる二酸化炭素の増加が止まらないのに火器利用による二酸化炭素放出の追加は好ましくない。
ある青年のアースデーの一日を追ってみた。青年の名前は青地球也という去年社会人となった会社員。親元を離れマンションで一人暮らしを始めて二年目だ。何とか4シーズンを過ごして分かったことは、生活をするだけでコストもかなりかかるということ。自分の車も欲しいと考えていたが、最近は少し考えも変わって来た。
会社でアースデーの話を先輩から聞いて、自分の生活を見直すいい機会かもしれないと思ったのである。都会での生活拠点である現在住んでいるワンルームを見渡して見る。エネルギーを消費している機器のチェックリストを作ってみた。エアコン、ガスレンジ、電子レンジ、浴室、湯沸かし器、水洗トイレ、テレビ、パソコン、スマホ、照明などだ。一人暮らしなので電気代もガス代もそれほど使っているわけではないが、気をつけることで少しでも使わなくなるのであればそれに越したことはない。
球也は、お風呂を自動で沸かしたままにすることがよくあるので、ここは気をつけないといけないと反省はしたものの、それ以外はそんなに気をつけることもないなと思っていた。意外に身の回りには対応することが存在しないものだなと思ったのだが、大きな見落としに気がついた。ゴミである。一人暮らしのせいかお弁当を購入することが多く、嵩張るゴミである弁当ガラやペットボトル、空き缶が結構あるなと思っていた。それまでは何も考えずに捨てていたのだが、近くのスーパーにペットボトルと空き缶を持っていくだけでもゴミの排出量を減らせると気づいた。少しの面倒を惜しまなければいいのだ。そしてちょうどいいタイミングでコンポストのチラシが郵便受けに入っていたのである。
普段なら捨ててしまうのかもしれないが、コンポストで生ゴミを処理するようにできればさらにゴミの量は削減できそうだなと考えたのである。ついでにベランダでミニトマトでも栽培できれば一石二鳥かもしれないと考えた。近くの公園で園芸を教えている場所があることは知っていたので日曜日に顔を出してみることにした。
「すいませーん。一人暮らしをしているものですが、コンポストって僕でもできますか」
「ありがとうございます。あなたのような若い方に気付きを持ってもらえることが何よりです。もちろん、一人暮らしでもできますよ。ベランダにおけるタイプもありますから」
「なるほど〜。で、そのあとはベランダで作れる野菜でも栽培できればと思っているのですが」
「すばらしい。環境のことを考えていますね〜。家庭菜園についてもここで勉強会などを実施してますから、ぜひ参加してください。それにしても、若い人なのに珍しいですね」
「ええ、アースデーのことを知って、小さなことでも実施できればいいなと反省したんです。でも、一人暮らしなのでそれほどできることはなく、せめてゴミを減らそうと思ってこちらに来ました」
「それは素晴らしい考えですね。ぜひ一緒に活動していきましょう。今度は彼女さんでも連れて来てくださいね」
「あ、はい。まだいませんけど」
「あ、これは失礼しました。いつも一言多いってみんなから言われます。ハハハ」
こうして球也はほんの少しではあるものの、自分の生活が地球環境に貢献できそうな小さなことを見つけた。そしてこのあと、球也のベランダはミニトマトや紫蘇やハーブなどが植えられミニ菜園と化していった。
この活動をきっかけに球也の環境に対する考えは生活のパターンも変えていくことになり、無駄な夜更かしが無くなり「今日はだるいな」と感じる日が少なくなっていた。規則正しい生活になったのである。それと前後して環境に関心を持っている彼女もできて、お互いのマンションを行き来する充実した生活になっていた。当初自家用車も欲しいなと思っていた球也だったが、近くに電気自動車のカーシェアがあることを知り、彼女とデートする際は、カーシェアのサービスを利用することにしたので、自分で所有する考えは薄らいでいたし、もし所有するにしても電気自動車がいいなと感じていた。
お互いのマンションを行き来するのは、お互いが買った食材やベランダで栽培した野菜を無駄にしないようにするためでもあった。二人の分を合わせることで無駄はなくなり、ゴミの量も削減できていった。もちろん公園で開催されている野菜や花の育成に関する講習会には彼女と二人で行っている。
こうして二人は環境のことを考えお互いの愛を育んでいった。二人の愛も地球に優しい愛となっていくだろう。そろそろ球也は彼女との関係を次の段階に進めたいと思い始めていた。きっと彼女も球也の言葉を待っていることだろう。
了
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