【SS】バーテンダー神様 #爪毛の挑戦状
都会のオフィス街の人通りがまばらな裏通りにポツンと看板の電気がついている小さなバーがあった。店内に入るとカウンターだけの小さなお店。マスターひとりで切り盛りしていた。マスターは常連客からバーテンダー神様と呼ばれている。入ってきた客をマスターが見てその人専用のカクテルを出してくれるのだ。料金は3900円。客はカクテルを飲み干したら帰らなければならないルールだった。
ある日、ちょっとうつ伏せ気味の元気のないスーツ姿の青年がドアを開け入ってきた。その姿を見るなりバーテンダー神様は青年専用のカクテルを作り始めた。
青年はカウンターに座ると「また両親と喧嘩してしまいました」と話した。そして目の前に差し出されたカクテルは、カリフォルニア・レモネード。永遠の感謝という意味を持っている。青年は、そっと覗き込んだ。
そこからは両親の会話が聞こえてきた。
「あの子たちは本当によくしてくれるな」
「本当にいい息子夫婦でしあわせだわ」
410文字
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