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【SS】巨大時計 #毎週ショートショートnote

お題:秋の空時計/タイトル:巨大時計|


秋になると空を覆い尽くすような巨大な時計が空間に現れる。厄介なことに、秋の季節だけなのだ。最近は夏の終わりが遅くなりつつあり、秋の始まりは年々遅くなり、秋の空時計が現れるのが遅くなりつつある。

人々は秋の空時計を今か今かと心待ちにしている。秋は食欲の季節でもあるが、恋が成就しやすい季節でもあり、秋の空時計に合わせてプロポーズするタイミングを見計らっている若者が現れるのである。

ほらほら、今日も一組のカップルが秋の空時計の前に現れた。午後、十九時ちょっと前だ。日が沈み、街の明かりが一斉に点き始めた。タイミングは今しかないと若者はひざまづいた。

「秋の空時計の前で誓う。必ず君を幸せにすることを。この指輪を受け取ってください」

周りには何の関係もない人たちが行き交っているが、一様にその足を止め、大きな拍手を送った。相手の女性は男性に合わせる様に膝を曲げ、一雫の涙と共に言葉を返した。

「ありがとうございます。末長くよろしくね」

410文字


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出題日 10月1日
お題  秋の空時計
裏お題 腋の薔薇時計

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