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女性ホルモンは本当に足りなくなる!?

女性ホルモンと呼ばれているものがあります。
それがエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。

これらのホルモンは、女性らしい身体を作り上げたり、
女性の生理周期に必要なホルモンのため、女性ホルモンと名付けられたと考えられます。

一般的な健康情報では、女性において、ホルモンバランスが崩れると不調が起こりやすくなるとされ、
更年期になるとエストロゲンの減少が起こり、閉経した後に、様々な不調が現れるといわれています。

エストロゲンによって起こること

エストロゲンについてよく言われているのが、エストロゲンが足りないから起こると言われている症状です。

エストロゲンが不足して起こるという不調は、たくさんあります。

その症状は主に、

  • 頭痛

  • めまい

  • 動悸

  • ほてり

  • 骨粗鬆症

  • むくみ

  • イライラなどの気分障害

などです。

実はこれらは、エストロゲンが過剰になっても起こります。

例えば骨粗鬆症は、抗エストロゲン製剤であるラロキシフェンの投薬によってリスクが低下します。[1]

肥満の女性ほど、ほてりや多汗などの血管運動症状がひどくなる傾向があります。[2][3]
これはエストロゲンの産生に、ある酵素が関係し、肥満の人ほど酵素が活性化しやすいからです。

肝硬変の患者では肝臓の機能が低下し、肝臓でエストロゲンが代謝できなくなることで、むくみが起こります。[写真]

肝硬変でむくむ理由
肝硬変ではエストロゲン代謝が低下することは臨床的にも確認されている

乳がんなどに使用されるアロマテーゼ阻害剤(エストロゲンの産生を抑える薬)の副作用として、ほてり、抑うつ、不安、記憶障害が起こりますが、これらは脳の海馬でエストロゲン濃度が高まるからです。[4]

また、現代型の生活における様々なものにもエストロゲンのリスクは潜みます。

エストロゲンとエストロゲン作用物質

現代型の生活におけるリスクとは、内因性のエストロゲンと、外因性のエストロゲン作用物質(EDC: Endocrine-Disrupting Chemicals)です。

内因性のエストロゲンは、身体の中で分泌されるホルモンのエストロゲンです。

外因性のエストロゲン作用物質(EDC)とは、外から取り込んだ物質がエストロゲンと同様の作用を持つという物質です。
EDCは翻訳すると内分泌かくらん物質という意味になります。

そして、内因性エストロゲンとEDCとの評価方法は違うことが指摘されています。[5]

EDCをバイオマーカーにした研究では、乳がん、1型糖尿病などの病気との関連が指摘されています。[同5]

EDCとは何なのか、これはまた後の記事で。

エストロゲンは女性だけではなく、男性でも作られます。
ですので、本来なら女性ホルモンと呼ぶのは適切ではありません。

医学でいう『足りない』とは?

通常、医学で◯◯が『足りない』というのは血液中にある量を示します。
これは血清鉄など、血液検査でわかる他の物質も同じです。

血液検査は本当の身体の状態は分からない
血液検査はその時の身体の状態を部分的に切り取っただけに過ぎない

しかし、血液中以外の組織や細胞内に存在する量は分かりません。
もし、血液中以外の組織や細胞内にエストロゲンが作用していたら・・・というところまで考えは及んでいないのです。

血液検査というのは、その時の身体の状態を部分的に切り取ったものです。

変化は血液の中で起こるのではなく、常に細胞の中で起こります。
身体に何が起こっているのかは、あまりに数値が基準と外れている場合を除いては、本来なら血液検査では分からないのです。

現代型の生活は、エストロゲン過剰になりやすい環境が整っています。
エストロゲンは多くの病気に関係します。

そのためエストロゲンが足りないというのは、本当は違うかも知れないということです。

【参考記事】

【参考文献】

[1] The use of raloxifene in osteoporosis treatment.
Expert Opin Pharmacother . 2013 May;14(7):949-56.

[2] Impact of age and body mass on the intensity of menopausal symptoms in 5968 Brazilian women.
Gynecol Endocrinol . 2013 Feb;29(2):116-8.

[3] Symptoms and effects of physical factors in Japanese middle-aged women.
Menopause. 2016;23(9):974–983.

[4] Adverse Effects of Aromatase Inhibition on the Brain and Behavior in a Nonhuman Primate.
J Neurosci. 2019 Jan 30;39(5):918-928.

[5]Estrogenic activity of biological samples as a biomarker
Sci Total Environ. 2020 Oct 20;740:140050.

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