60億ドル(約9,000億円)Anthropic社によるイスラエルのAIスタートアップ「Decart(デカルト)」の買収交渉
2026年8月12日(現地時間)以降、複数のメディアによって報じられている、Anthropic社によるイスラエルのAIスタートアップ「Decart(デカルト)」の買収交渉に関するニュースですね。
現時点での主な状況をまとめます。

1. ニュースの概要
買収額: 約60億ドル(約9,000億円規模)と報じられています。これが成立すれば、Anthropicにとって史上最大の買収となります。
交渉状況: まだ交渉段階であり、確定したものではありません。決裂する可能性も指摘されています。
2. Decart社とはどのような企業か
2023年設立のイスラエルのスタートアップで、特に以下の技術で高い評価を受けています。
AIインフラと最適化: AIモデルをより少ない計算リソース(チップの処理能力)で効率的に動かすための技術を開発しています。AIの運用コストを大幅に削減できる可能性があるため、Anthropicにとっては喉から手が出るほど欲しい技術です。
生成AI(動画・ワールドモデル): リアルタイムで動画を生成・編集できる「Lucy」や、自律走行車やロボットの学習環境をシミュレートする「Oasis」といったモデルを展開しています。
3. なぜAnthropicが狙っているのか

計算コストの抑制と性能向上: Anthropicは現在、Claudeシリーズの需要拡大に伴い、膨大な計算リソースを必要としています。Decartの最適化技術を取り入れることで、Claudeをより速く、安く、効率的に動かせるようになると期待されています。
多角化とIPOへの準備: Anthropicは現在、新規株式公開(IPO)を視野に入れており、動画生成などのマルチモーダル機能の強化や、ハードウェア・ソフトウェアを統合した技術スタックの構築を急いでいます。Decartの獲得はその戦略の一環と見られています。
4. 背景の注目点
急激な企業価値の上昇: Decartは今年5月(2026年5月)の資金調達時点では評価額が約40億ドルでした。わずか3ヶ月で60億ドルという評価額での買収交渉になっている点は、AI技術を巡る競争の激しさを物語っています。
NVIDIAとの関係: 以前はNVIDIAがDecartの買収に近いと言われていましたが、より高い条件が出たことでAnthropicに焦点が移ったと報じられています。

このニュースは、AI業界が単に「優れたモデルを作る」段階から、「いかに安く、速く、大規模に動かすか(インフラ最適化)」という、より実戦的なフェーズに移行していることを強く示唆しています。

