見出し画像

「花とちり 玉とみえつつあざむけば~」菅原道真公が夢見た、都への郷愁

冬の寒さが次第に深まり、境内の銀杏の黄色が一段と美しく映える季節となりました。

今月の御朱印の題でもある「暮古月くれこづき」は、年の暮れを意味する十二月の異称。

年末を控えた神社は、この時期ならではの静寂に包まれています。





◆「暮古月くれこづき」特別御朱印

東京ではまだ雪を目にするには早いですが、どこか懐かしい年の納めを描いた雪景色の御朱印を奉製いたしました。

神社の境内に降り積もる真っ白な雪は、この一年の厄やけがれを清め包み込むかのようです。

動物たちはかまくらを作り、雪合戦に興じます。

雪の中を自由にはしゃぐ動物たちをやさしく見守るのは御祭神の小野たかむら卿。

そしてご配神の菅原道真公は空から、都の雪景色を懐かしみ歌を詠みます。

花とちり 玉とみえつつあざむけば
雪ふる里ぞ夢に見えける

菅原 道真(新古今和歌集)

【訳】
ここ大宰府(配流はいる先である福岡)でもやはり雪はまるで花が散るように舞い落ち、時には玉石のように庭に敷く。そうして私の目をあざむくので、雪が降る故郷(京の都)の光景が夢にまで現れてしまった。

※菅原道真公は藤原氏の政略により右大臣の身ながら流罪に処され、九州は福岡の大宰府に流されました。その時の歌になります。
※「ふる里」は、道真公にとっての京の都を意味し、雪が「降る」と「ふる」里を掛けています。

この和歌には、配流先の雪に触れて過去の美しい情景を思い出し、京を懐かしむ道真公の気持ちが現れています。



◆清らかなご生涯を貫いた「天神さま」道真公

配流の前は右大臣であった道真公、大宰府では衣食もままならぬ厳しい生活を強いられながらも、皇室のご安泰と国家の平安、またご自身の潔白を只菅ひたすらに天にお祈りされたという記録が残されています。

没後は朝廷でも道真公の無実が証明され、「天満大自在天神てんまだいじざいてんじん」という神様の御位みくらいを贈られて、現在においても「学問の神様」「至誠の神様」と広く信仰を集めております。

御朱印を手に取られた皆様にも、道真公が感じたであろう郷愁きょうしゅうを感じていただければ幸いです…⛄



◆年の納めに自身を振り返る✨

年末を迎えるこの時期は、1年の歩みを振り返り、来たる年に想いを馳せるのにふさわしい時期です。

神社は皆様の心の拠り所として、そんな時間を支えます。静かな心で自分と向き合い、ゆったりとお参りのひとときをお過ごしください。


いいなと思ったら応援しよう!