モノカキングダム答え合わせ①【マイトンさん】
先日のMー1グランプリ2024の録画をやっと見ました(笑)
面白かったです~。これ書く前に見て良かったです(笑)
そして、モノカキングダム2024。
楽しかったですねぇ。主催のことばと広告さんありがとうございました!
自分の文章にも3票入れていただいた方がいらっしゃってとてもうれしかったです。本当にありがとうございました!
だって傑作ぞろいの128作品から2つしか選べないんですよ。64分の1です。そこに入れていただいた方がいたというのは、本当に奇跡的にうれしいです。
でも、正直マジで楽しかったのは、自分の記事を書きおわった後。こいつコメントばっか書いてるとうざかった人もいると思いますが、各作品の読解がめちゃくちゃ面白かったのです。
そのうえで最後の2作品に絞るのは本当に難しくて悩みましたが…
先日、モノカキングダム過剰考察というのをダラダラと書かさせていただきました。「このタイミングで何やってんだよこいつ」って言われないかなとちょっと不安だったのですが、意外と好意的に受け取っていただいた方が多かった。いや~書いてよかった!
ざっくりと概要を言うとしたら、「すごいのばっかりやんw」に対して、なんでそう思ったのかを記憶の新しいうちにできる限り具体的に言語化しておきたい、そんな考えでした。
そんなわけで、昨日、結果発表がありました。
マイトンさん、優勝本当におめでとうございます!!!
さて、今回の結果、入選作品を見て正直に思ったこと言います。
「あ、この考察は変える必要がない(笑)」
今回入選した作品はすべて、モノカキングダム過剰考察で考察したことに対して、間違いなくK点越えでした。だから、前回の独断と偏見に満ちた過剰考察もそこまで的外れではなさそうだなと思っています。今後なにかの参考になるかもしれません(笑)
そこから先はマジで僅差。
129名いて1位が17票ということは、得票率約13%です。だから、これは票が割れに割れたということだと思います。
そうすると次に分析したいのは、入選作品はどのようにしてK点を超えていったのか?ということ
この作品は、K点を超えている。では、飛距離は?空中姿勢は?着地は?周りの歓声は?
K点越えの作品群は突破の放物線の美しさにカギがあるような気がしてきて、言いたい(書きたい)ことがたくさんあります(笑)
そんなわけで、調子に乗って、結果発表後の過剰考察です。
漫才過剰考察は令和ロマンのくるまさんの本でしたが、
そこには、nonstyleの石田さんの答え合わせが引用されていました。
石田さんも、分析中毒ですね(笑)
それでも、しかし、未だに迷うのです。こういう分析とか考察みたいなのするのってどうなのよ、もっと純粋に楽しんだ方が良いんじゃないの?頭じゃなくて感性で感じ取らなくちゃダメじゃない?そんな声が聞こえてきそうです。そして、本当にそうかもしれないと今でも悩みます。
だから「答え合わせ」の中に書いてあることいくつか引用しますね。
まとめてしまったら漫才師としての歩みが止まるわけやない。これからも自分の中の常識を疑いながら、また新たに考えながら、歩んでいけばええやんか、と。
この本の「答え合わせ」というタイトルは、岡村さんのラジオからいただいたんですが、もう一つ、自分にとって大きな意味を込めています。僕はずっと、「答え合わせ」を繰り返してここまできたんです。
分析・考察したからってつまらなくなるわけじゃない、次もっと面白くなるために「答え合わせ」を繰り返す、そして、その考察自体をぶち壊すような「もっとええ記事を」
そんな思いで、考察いっきまーす。
ねぇパパ。僕の声を聞いてよ【マイトンさん】
改めまして、マイトンさん、おめでとうございます!!
まず触れざるを得ないこと
まずもって、本作品の中身に入る前に、どうしても触れなければならないことがあるとおもいます。
それは、この作品が全作品の中で一番最初に投稿されているということ。しかも投稿日が12月3日の朝6時であったこと。投稿開始が12月1日だったはずなので、圧倒的スピードです。
みなさん、こうは思わなかったでしょうか。
「あ~最初に投稿するの勇気いるわ~」
そこに対して、圧倒的スピードでぶち込まれるこの作品。
そして、他の記事を審査するとき、こう思った方はいないでしょうか。
「この作品は、マイトンさんを超えているか?」
完全にマイトンさんのペースで空気が作られています。
まず、ほかの全作品と圧倒的に違うのは、「この作品が全作品の基準となったという事実」だと思います。
こういう作品そのものと別のことをいうのはどうなのかとも思うのですが、事実だと思うので触れておきます(笑)
正直にいうと私は最終的にマイトンさんに私は入れなかったのですが(おいw)、最後まで悩みました(というか入選作品は、全部K点越えの候補だった記憶)。というか、残りの126作品がマイトンさんのと比べてどうかという観点で審査をしてしまいました。
M-1でいえば、一番目の基準点です。そして、そのままの勢いで優勝。完全に令和ロマンをほうふつとさせます。
マイトンさん自身の記事にも、早く出した背景に触れられています。
しかしですね、私は、決して最初に出したから優勝したのだとは思いません。
ただ、どう考えても「こえ」というテーマが出てからわずか数日でここまで仕上げられるのはどうかしているとは思います(笑)。
ということで、一位になったこの作品のすごいと思ったところ、せっかくなので丸裸にする勢いで、考察してみようと思います(考察しがいがありました)。
書き出し 一瞬で世界観へ
前回の過剰考察で、出だしは「いかに自分の世界観に持っていくか」というやや格言めいた威勢のいいことを書いてしまいました。
ということで冒頭。
「ご飯できたよー」
声をかけたが息子からの返事は無い。
平日の昼間。次男は保育園。妻は友人と出かけている。家には不登校の長男と在宅ワークの私2人きりだ。
一発で世界に持っていかれました(笑)。
平日の昼間、不登校の長男と2人。平日の昼間に家にいるとふわふわしますよね。デスクワークをしていても、どことなくオンとオフの境目にいるような。休日のような仕事日のような。午前中のちょっと明るめの日差しが入ってくるような絵が浮かんできます。
そこに二人の「不安」が見えます。二人きりで二人ともなんかふわふわしている。もうやや不安定な心情まで見える状態まで持っていったら、書き出しでこれ以上に仕上げるのは難しいと思います。
もう一つの印象。これはマイトンさんの他の記事を読んだことのある人だけの印象かもしれませんが、「あれ?いつものマイトンさんとちょっと違う?」という印象。私は、これにかんしては狙ってやったと睨んでいます(笑)。
で、ズルいのは、ここで写真を入れるんです(笑)。いや、ルール違反じゃないんですけど(笑)「一蘭のシステムかな?」ってボケを入れる。これで、「一見マイトンさんっぽくないけど、実際マイトンさんが書いているっぽい、そんな中でなんかすごいものがはじまりそう」な空気になる。
この冒頭で、空気感は完成です。
中盤① ここはどう読むか?
10年前、長男は2812gで生まれた。
(中略)
ちょっとうちの子違うぞと思ったのが3歳だった。
(中略)
それでも保育園は頑張って行ったし、小学校も3年生まではきっちり通っていた。
(中略)
それがいつしか、次男が生まれ、(以下略)
ここは、長男の成長の経過です。いろいろな苦労があった経過が伺えます。
でも、誤解を恐れずに言うと、なぜかとても読みやすくすっと入ってくる文章なのです。「鉄アレイ」「自閉症スペクトラムなめんなよ」なんて強い言葉も入っているのに。
言い換えると書いてある強い印象的な内容の割には、ちょっとだけ淡々としているように見えなくもない……?
しかし、これがこの文章の本当の恐ろしいところだと思います。
ここの経過がおそらく約1000字。しかし、これが必要不可欠だった。
中盤② ここでキラーワード
♢♢
4年生の6月で長男の心はポッキリ折れてしまった。彼は自分を守るため無理をするのをやめた。
(中略)
私も自分を守るため自分を責めた。
♢♢♢
ここで、キラーワードです。
「彼は自分を守るため無理をするのをやめた」
「私も自分を守るため自分を責めた。」
この超強力フレーズ。少しずつコップにたまっていった水が一気に溢れ出すかのように吐き出されたフレーズ。心情と行動が逆サイドを突いているようなあまりにも胸が苦しくなる一節。こんなに澱み、辛くなるフレーズ……
キラーワード中のキラーワードだと思います。
でも、これことばのチョイスのすごさだけじゃないんです。
そう。
その前の中盤①は、言ってしまえばこのキラーワードの壮大な前フリだったと思うのです。
誤解を招く前に言うと、中盤①は決して、前座レベルのいいかげんな文章ではないです。むしろ「なめんなよ」とか強い言葉が使われていて、書いてある中身のエピソードは強めだと思います。でも、ちょっとだけ淡々としているように書く。ほんのちょっとだけ。なぜか。
この中盤①があるからこそ、このキラーフレーズで読み手は、一気にピークに持っていかれたのです。一番のキラーフレーズでピークに持っていくために、中盤①から中盤②へ展開させた。なんて贅沢な中盤①の使い方。そして、なんて鮮やか……
ぶっちゃけ、もうこの時点でK点超えてます。この強弱をここまで鮮やかに出せている作品はたぶんそう多くはなかった。そしてこれを最初に読んだときの自分の絶望と言ったら…(笑)
でも、ここで終わらないんです。
終わらせ方
終盤でまずもって、効果的なのがこれだと思います。
ずずーずずー
これで、回想からいったんラーメンを食べている場面に戻されるんです。さらにいうと、鼻をすする音とラーメンをすする音をかぶせている。さらにさらにいうとこのかぶせがすごく「マイトンさんっぽい」んです。超効果的。
中盤②のキラーフレーズはノックアウト感が強いんです。そこを現実世界に戻す。マイトンさんっぽく。一瞬で。めちゃくちゃテクニカルだと私は思いました。
でもまだ、つらい世界なんです。でも、マイトンさんっぽいところが垣間見える。いつもと違ってマイトンさんっぽくない?いや、でもやっぱりマイトンさんだ……でも、やっぱりつらいよ……
ここまでもって来られて、次のフレーズ
「キノコはいらない。ありがと」
もう一回、ピークがきました。
あ、もう一回ここまで揺さぶりますか(笑)
ほんのちょっとの一言ではありますが、希望が宿る。
それを「キノコはいらない。ありがと」のわずか13文字で表現する表現力……
まだその声を聞けたことに少し安堵する。
そしてこの声を聞かせてくれるうちに、
まだ私の声が届くうちに、
「パパ、聞いてくれてありがとう」
と言って貰えるようがんばるよ。
なんて、余韻……ここで終わらせますか……。自分だったら、最後に余計なこともう一文書いてしまいそうです。書かない凄さがキマっています。
マイトンさんの振り返りにはこうありました。
人の心を動かす記事を書くために、まずは自分の気持ちが動かないと書けないと思っています。
溢れる気持ちを書く時が、筆が勝手に進み、頭で考えるよりも言葉が溢れてくる感覚。
それが出来ると『ええ記事』になると思っています。
「ええ記事」でした。いきなりすごいもの読まされました……
この文章を読んで、私は書き手であるマイトンさんにどんな声を掛けることができるのだろう。頑張ってというのも違う、大丈夫っていえばいいのかな、でも、一つだけ感じたこと、私はマイトンさんの掌の上で揺さぶられて、長男君に希望の灯を見ました。口数は少ないのかもしれませんが、ここまで読み手の心を揺さぶれるマイトンさんであれば、きっと長男くんにもその気持ちは伝わっているはずです。

……う~わっ。一作品でこんなに長くなってしまった(笑)
しかしまあ、めちゃくちゃ考察しがいのある作品でした。さすがすぎます……心情的にも技術的にもK点余裕で突破しています。
というわけで、このペースだと年内にはたぶん終わりませんが(笑)、次は、2位の2作品を過剰考察(?)したいと思います。他の入選作品もですね、言いたいことがたくさんあります(笑)
そんなわけで、マイトンさんの優勝を心から祝して「今日一日を最高の一日に」
