【NFT】「アート」と「デザイン」は求められる内容が全然違うよ!という話
はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。
前回のお話
掲題の件、Twitterで気軽に呟いてみたところ、想定より多くの反応をいただきました。意外と意識していない人がいるんだなって気がついたので、ざっくり整理してまとめてみます。
年始にお伝えした通り、このnoteは「必要な時に、必要な事を、必要な難易度で」をモットーにしています。「あれ?そんな考え方があるんだ!もうちょっと深く調べてみようかな?」ってキッカケになってくれれば、これ以上の喜びはありません。
みんなでムズカシイ顔して語り合おうぜ!!!
何故この記事を書いたのか?
「アート」と「デザイン」の概念差異について、簡単に説明しておきたかったからです。
いつものように結論から。
【アート】
自分の心象をキャンパスにぶつける(誰かの要望を満たす保証はないので、お金になりにくい)(何を描いても自由で100点満点)
【デザイン】
誰かの主張や目的をイラストという形で代弁する(必ず依頼者が存在するのでお金になる)(依頼者の目的が満たせなければ、どんなに神絵でも0点)
この違いを考慮せずに進めた事により、プロジェクト運営側とクリエイター側の間にミスマッチが発生したケースが散見され始めた為、ざっくりとしたイメージだけでも伝われば良いな!というワタクシの想いが背景にあります。
なお、この2つの概念は確かに相反しますが、ON/OFFスイッチではありません。何事もバランス。ベストな配合に辿り着くと高評価が貰えます。
以上が伝えたい事です。以降は補足説明ですが、趣味1200%で書き殴っているので、長〜〜〜〜〜いです!!!
■最初に伝えなければならない、このnoteで取り扱う「アート」という言葉の定義
はい、最初からややこしくて小難しい話ですね、すいません。
本来の「アート」という言葉が指し示す意味と、世間一般で使われている「アート」の意味が乖離しているので、最初に宣言する必要があります。
ほんっとうにややこしい世界ですね、まるで「仮想通貨」や「NFT」「Web3」のようです(※あえて「クリプト」とは言っていません)
(1)本来の意味での「アート」
→クリエイターが自発的に創作した作品(西洋美術史関連に限る)
→かつ「西洋美術史において世の中に影響を与えた」作品
(2)広義の意味での「アート」
→クリエイターが自発的に創作した作品(西洋美術史に限らない)
→かつ「芸術性」を感じる作品(「芸術性」の定義は人それぞれ)
(3)さらに拡大解釈された「アート」
→クリエイターが創作する作品全て。
本noteでは(2)の意味で利用します。
(1)本来の意味での「アート」について学びたい方は、GORO先生のnoteを強く強くお勧めいたします。
「NFT『アート』」は(3)の意味で使われていますね。
■最初に考えなければならない、あなたが作る作品に「依頼者」はいるのか?
まず、強くこれを意識してください。
依頼者が自分以外の第三者の場合、あなたの作る作品は「依頼者の要望を満たすもの」でなければなりません。MUST条件です。守らなければ「いけない」のです。
クリエイターの方々の一部では、このようなお仕事を「クライアントワーク」と記載し、自身の創作と区別されています。とても正しいと思います。
■次に考えなければならない、「依頼者」は何をあなたに求めているのか?
次に考えるべきなのは、この部分。なぜ「依頼者」はあなたに「絵を描いて欲しい」と依頼してきたのでしょう?
依頼者があなたが描くイラストを通じて、第三者に何かを伝えたいからです。
誰かの主張や目的をイラストという形で代弁する場合、そのアウトプット作品は「デザイン」の一部として扱われます。
我々が考えるデザイン
デザインという言葉の語源はラテン語の「Designare」にあるといわれています。Designareは「計画を記号に表す」つまり図面に書き表すという意味であったといわれています。これを踏まえると、当初デザインという言葉は「設計」という意味で用いられていたことが想像できます。実際に中国ではデザインを「設計」と記述します。
公式サイトより
なんからの大きな目的を達成するために(例えばDAOへの参加権などのユーティリティを保有するNFTアートをジェネラティブ形式で作りたい)役割分担した結果、第三者から貴方に「イラストを描く」という仕事が回ってきたのです。このケースは明確に「デザイン」です。
なぜ貴方のイラストなのでしょうか?可愛いから?カッコ良いから?イメージとピッタリだったから?あるいは貴方が有名だから?いろいろありますが、結局のところ「こんな素敵なクリエイターが関わっている、凄いプロジェクトだよ感」をアピールしたいのではないでしょうか?
あくまでオーナーは依頼者であるプロジェクト運営者です。貴方に割り振られたのは「イラストを通じて何かを伝える」という役割です。これはデザインです。アートではありません。
もしそのプロジェクトが大成功した際、最初に褒め称えられるのは依頼者であるプロジェクト運営者です。設計通りにモノづくりが成功したと評価されるためです。貴方のイラストの評価は、その次です。
ごくごく稀に「あなたの描きたい絵を自由に描いてください」という依頼者もいらっしゃいます。トラブルが起きやすいので注意してください。「依頼者は「あなたの作品だ」とわかる画風で自由に描いたものが欲しい」と望んでいます。
「普段アニメ風イラストを描いている」クリエイターが、自由に描いて良いって言われたからと「ピカソ風の抽象画像」を納品した場合、クレームになります(それすら許容するskebのようなサービスも出て来てはいますが…)
■「依頼者の要望」を満たして「報酬を得る」のは、当然、当たり前の事。
依頼者が第三者の場合、求められているアウトプットは「デザイン」となるため、あなたの作る作品は「依頼者の要望を満たすもの」でなければなりません。
どんなに「キツネ耳」が好きでも、依頼者が「ネコ耳にしてください」とおっしゃったら従わなければならないです。依頼者側には「ネコ耳」でなければならない設計上の理由があるはずです。ここは「依頼者の要望を満たすものを、期限通りに納品しなければなりません」クライアントワークの辛いところです。
ですが、
第三者からの依頼に対しては、必ず報酬が発生します。当然です。貴方は貴方の技術と時間を使って、依頼者の要望を叶えたのです。対価を請求する権利があります。当たり前です。
「こんな有名なNFTプロジェクトに貴方をクリエイターとして採用してあげたのだから、イラストはタダで良いですよね!」は100%詐欺です。売れた時に最初に褒め称えられるのはプロジェクトオーナーなのです。クリエイターではないんです。適切な報酬を前倒しでキチンと頂きましょう!
今までの経緯を見ていると、炎上しているプロジェクトは、だいたいこの辺で揉めているので。
第三者からの依頼があった場合、その時点で概算見積もりと契約書を提出するのが鉄則かと思います。貴方は依頼を断る権利をお持ちのこともお忘れなく。
逆に言えば
第三者からの依頼には必ず報酬が伴うので、絵で生活を立てる為の一つの解にもなります。食べぶちを稼がなければ始まらない、も、事実ですので、デザイン重視、名前を出さない雇われイラストレーターという道もありますよ。
■「依頼者」が「自分自身」の場合、「あなた」は「あなた」に何を求めるのか?
振り出しに戻ります。
あまり意識することはないかもしれませんが、依頼者が自分自身というケースがあります。
なんとなく落書きしてみた。ある作品にどっぷりハマったからファンアート描いてみた。VTuber始めるのでキャラデザしてみた。時間が余ったからデッサンしてみた。感情を動かされたので、心の赴くままにキャンパスに想いをぶちまけてみた。
誰からも依頼されていない、依頼者がいないのでお金になる保証もない、やってもやらなくてもおなじかもしれない、むしろ時間の無駄かもしれない、などなど。冷静に考えればメリットの方が少ないのに、なぜか出来てしまう創作物。
これこそが、アート『を産む下地』です。
②(art)一定の材料・技術・身体などを駆使して、観賞的価値を創出する人間の活動およびその所産。絵画・彫刻・工芸・建築・詩・音楽・舞踊などの総称。特に絵画・彫刻など視覚にまつわるもののみを指す場合もある。
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海岸の砂の粒ほど積み重なった「自分自身が依頼者である作品群」の中から、アートと呼べる作品は浮かび上がってくると、私は信じています。
■「依頼者」が「自分自身」の場合、「あなた」は「あなた」に何を報酬として与えるのか?
次に考えるべきなのは、この部分。なのですが、長く説明する必要はないですよね。
自由に描けて楽しいから。
これに尽きます。
■お絵描き屋さんが「絵を描く作業の休憩として絵を描く」の意味。
依頼者が誰か?についてを意識すれば明確です。
絵で稼ぐために、大なり小なり誰もがクライアントワークを請け負い、デザイン要素のある絵を描いています。有名になるにつれて、デザインを意識した作品が増えていくと思います。むしろ、そうあるべきです、絵を描いて生活していくのならば。
ただ、休憩時間や休日。顧客の要望と自分自身の描きたいモノのシーソーゲームから解放された数刻の間に、全てから解放されて「自分自身からの依頼により」好きな絵を描く。
これが「絵を描く作業の休憩として絵を描く」の真意。アートはこのような隙間時間に描かれた作品の中から、天文学的確率で生み出される副産物だと私は信じています。
■まとめ
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
ぶっちゃけ「なぜこの記事を書いたのか」だけ読んでおけば良い内容でしたね、そうですね。
最近、デザイン担当させられているのに不当に代金を踏み倒されていたり、アートやりたいと言いつつデザインばかり担当させられていたり、生活資金を稼ぎたいと言いつつアートばかり生み出していたりする人々を見かけたので、つらつらと書いてみました。
「依頼者は誰か」を意識するという考え方が、少しでも誰かの参考になればって思います。
本日はここまでです。ではでは!
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