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「父の手紙」(3分)


〇レストラン、家、喫茶店の三か所

   三組の父娘を追うドキュメント風味。
   父が、一人暮らしをはじめようとして
   いる娘に「手紙」を読むシチュエーシ
   ョン。
   ピアノの繊細な音楽。
   三か所で同時に同じ手紙を読み、いい
   所を使って編集する。
   (一組のリアクションがすごくよけれ
   ば、その一組勝負でも構わない)

T: 一人暮らしをはじめる娘へ

父1 「孝子へ」
父2 「あかりへ」
父3 「朋美へ」
娘123「……(緊張している)」
   父、手書きの手紙を娘に読む。
父(以下順不同)「……君が生まれたとき、
 俺の男としての人生は終わった。君をこれ
 から育てる、父としての人生がはじまった、
 と思った。
 何でも我慢したよ。酒もたばこも、お母さ
 んとの喧嘩も。
 全部君のためだ。
 君のために広い家にした。明るい窓の、明
 るい家にした。
 これから君がこの家にいないと、広くなり
 すぎる。
 でも、お父さんはうれしい」
娘  「……」
父  「ところで、戸締りはちゃんとするん
 だぞ。
 今まで鍵をかけ忘れても、お父さんに怒ら
 れてそれで終わりだった。
 これからはそうはいかない。
 ……大体、戸締りがゆるい女は、股もゆる
 いんだよな。
 ほんとだぞ。俺は、そんな女を狙うことば
 かり考えてたんだよ」
娘  「……?」
父  「優しさにつけこむと、意外と簡単に
 扉が開くんだ。
 そう、『あ、おなか痛い! トイレ貸し
 て!』とか、『猫に餌あげに来たんだ』と
 か、『ネカフェに泊まろうと思ったけど満
 席で』とか。
 俺はこの手で部屋に上がり込んで、5人や
 った」
娘  「……」
父  「女なんてチョロイもんさ。楽勝。言
 い訳があれば扉も股も開く。簡単に一発ゲ
 ット。
 女は、それをモテてると勘違いしてる。そ
 れは、勘違いだ」
娘  「……」
父  「『君をさびしくさせない』、これは
 嘘だ。ほんとうは、俺の股間が寂しいだけ
 なのさ。
 俺にとって、自由に開く扉は、自由に開く
 股間だ」
娘  「……」
父  「だから、戸締りはちゃんとしなさい。
 それが出来るマンションを父さんは選んだ
 つもりだし、父さんは君をそういう娘に育
 てたと、君を誇りに思っている」
娘  「……」
父  「一生一緒にいたい男は、部屋にあげ
 ていい。
 お父さんに紹介するのは、最後でかまわな
 い。
 お父さんは、君のいない広い部屋で、それ
 をずっと待っている。
 一人暮らし、おめでとう。
 その孤独が、君を素敵な大人に変えてゆく
 だろう」

   父、微笑んで、娘に手紙を渡す。
   その、娘のリアクションを撮りたい。

T: 一人暮らしは、25倍モテる。

T: 心にも戸締りを。
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