ダボダボズボンの靴音
コンビニを出た二人の男の子は、買ったものを片手に持って、大股で歩いていた。
大学生くらいだろうか。ダボダボのズボンに、Timberlandみたいなごつい靴。ドタドタという音が似合いそうな歩き方だった。酒を飲めばすぐ隣の席とも喋れそうな、気安い軽さがある。へらっと笑いそうだ。
前を歩く男の子の後ろポケットから、真っ白なおしぼりが落ちた。
少し遅れて、後ろを歩いていた男の子の大きな黒いスニーカーが、それを踏んだ。
ぐしゃっ、とまではいかない、乾いた感じだった気がする。
二人とも気づいたような、気づいていないような曖昧な動きで少しだけ振り返った。でも立ち止まりはしない。
おしぼりだけが、黒く汚れていた。
彼らはただ、次の場所へ向かっただけだ。
何も失くしていないような顔で。
それが少し眩しく、少し残酷に見えた。
二人が見えなくなっても、おしぼりはそこにあった。
