朝の慌ただしさと、ごめんねの気持ち|赤いちゃんのひとりごと
朝の忙しい時間って、なんであんなに余裕なくなるんやろなって思う。
ほんまは分かってるねん。
子どもは悪くないってことも。
ただ普通に、いつも通りの朝を過ごしてるだけってことも。
でもこっちは違う。
時間に追われてて、頭の中は「間に合うかどうか」でいっぱいで、次に何をして、何を忘れたらあかんかばっかり考えてる。
朝ごはん出して、着替えさせて、連絡帳確認して、プリント探して、今日の予定思い出して。
その間にも時計は進んでいくし、こっちの焦りだけがどんどん大きくなっていく。
そんな時にふいに話しかけられたりすると、ほんまはただの一言やのに、心が反応しきれへんときがある。
「ねえこれ見て」
「これどうするの?」
「お母さんこれできへん」
ほんまなら、ちゃんと向き合って「うんうん」って聞いてあげたいのに。
でもその余裕がなくて、つい出てしまう言葉がある。
「もーなに」
言ったあとで、一瞬空気が止まる感じがする。
自分の声が少し強かったなって、その場で分かる。
子どもは何も悪くない。
ただそこにいて、普通に話しかけてきただけ。
むしろ頼ってくれてるだけやのに。
それなのに、私はその瞬間だけちゃんとした大人になれへん。
間に合わないプレッシャーの中で動いてると、どうしても心の余裕が削られていく。
時間が足りないって思った瞬間から、全部が早送りみたいになっていく。
靴下どこ?
水筒入れた?
ハンカチ持った?
提出物あるんちゃうかった?
頭の中でいろんなことが同時に鳴ってて、ひとつひとつを丁寧に扱う余白がなくなる。
ほんまは分かってるねん。
全部を完璧にやろうとするから余計しんどくなるってことも。
少しくらい抜けても大丈夫ってことも。
でも朝だけは、その「大丈夫」が信じきれへん。
もし忘れたらどうしよう。
もし遅れたらどうしよう。
もし誰かに迷惑かけたらどうしよう。
その「もし」が積み重なって、勝手に自分を追い詰めていく。
で、気づいたら声がきつくなってる。
ほんまはそんな言い方したかったわけちゃうのに。
ただ「ちょっと待って」って言いたかっただけやのに。
言葉の形が変わってしまう。
朝の自分って、ほんま余裕ないなって思う。
でも不思議なんは、「朝が弱い」とかそういう単純な話でもないことやねん。
ちゃんと起きてるし、動けてるし、やることも分かってる。
むしろ手は止まってない。
それでも心だけが追いついてない感じ。
なんでこんなに余裕ないんやろって思う。
ちゃんと寝てる日でもそうやし、体調悪いわけでもない日でもそうやし。
あれもしな、これもしなって考えてるうちに、頭の中だけがパンパンになっていく。
ほんまは一つずつやればいいのに、全部が同時に並んで見えてしまう。
子どもにとっては、今この瞬間が全部で。
でもこっちは、次のこと、その次のこと、そのまた先のことまで見えてしまう。
そのズレが、朝のしんどさなんかもしれへん。
でもそれでも、やっぱり思う。
さっきの言い方はなかったなって。
時間に追われてたとしても、子どもには関係ない。
その一言で嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない。
ほんまに、ごめんねって思う。
あとから落ち着いた時に思い返すと、なんであんな言い方したんやろってなる。
別にそんなに怒ることでもなかったのにって。
でもその時は、その時の自分なりに必死やったんやと思う。
余裕がないなりに、ちゃんと間に合わせたくて、ちゃんとやりたくて、ちゃんとしようとしてた結果なんやと思う。
それでも言い方は変えられたはずやのに、そこができなかったのが悔しい。
朝って、ほんまに難しい時間やなって思う。
静かにしていたいわけじゃない。
怒りたいわけでもない。
ただ、もう少しだけゆっくり動ける余白がほしいだけ。
深呼吸する時間が、ほんの数秒でもあれば違うのにって思う。
でも現実はそんな余裕もなくて、次の準備がどんどん押してくる。
それでも子どもは変わらずそこにいて、話しかけてきてくれる。
その存在自体は、ほんまはありがたいことやのに。
余裕がない自分が、そのありがたさをちゃんと受け取れない瞬間がある。
それが一番しんどいのかもしれへん。
ほんまはもっと優しくしたい。
ちゃんと目を見て返事したい。
「あとでちゃんと聞くね」って笑って言いたい。
でも朝は、どうしてもそれがうまくいかへん日がある。
だからせめて、あとからでも思い返す。
あの言い方は違ったって。
子どもは悪くなかったって。
自分が余裕なかっただけやって。
そしてまた次の朝に向けて、少しだけ準備する。
ほんの少しでも、言い方が柔らかくなるように。
ほんの少しでも、心に余白ができるように。
完璧にはできへんけど、それでも少しずつ。
朝のバタバタの中でも、ほんの一言だけでも優しくなれたらいいなって思いながら。
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