ぼっちとAI:Gemini、Claude、ChatGPTの個性が見える_比較のご参考に。
最近はチャットAIの御三方に同じ問いをしてみるということをやっています。単純に、色んな人に聞いたほうが良い答えが見つかりやすいから。
なので、前記事の作家性プロファイルも、御三方それぞれに作ってもらったりしたのですが……注目する箇所やプロファイルへの書きとめ方が少しずつ違いました。
そして出力されたプロファイルはもとより、それを使って出してくれたアイデアはそれに輪をかけて個性が色濃くあらわれました。
これって、たとえ壁打ちだとしても、どのAIを使うかで小説の仕上がりがだいぶ違ってきそうですよね。面白いことになるかも(?)。
プロファイルを使って出力してもらう
同じお題でアイデアを出してもらえば違いがわかりやすいと思いました。
私は昨年夏から「せりふ三題噺」に参加しはじめました。せりふが加わることで、このせりふでどう意表をつこうかと考える面白さがあります。毎週楽しみにしています。
せっかくなのでプロファイルの実験として、今週出されたお題を使ってみることにしました。
普段は、こんなにまるっと投げたりしないんですが……(笑)
せりふ三題噺のアイデアを出してほしい(プロンプト)
一回目:
せりふ三題噺のアイデアをお借りしたいです。お題はこれです。短いあらすじかアイデアを5個くらい、プロファイルを参考に出してみてください。
■セリフ
「ここだけの話だよ」
■三題
・サンダル
・日焼け止め
・藤棚
そして私の作家性プロファイルはこれです。
[ここに、各AIが出力したプロファイルを貼りました]
二回目:
あと二つ出してください。ひとつは「日焼け止めの中身はじつは、、」、もうひとつは「人間の肌じゃないところに日焼け止めを塗る」で。
Geminiの回答
現在日時:2026年4月12日(日)00:22
モデル名:Gemini 3 Flash
ご提示いただいた作家性プロファイル、非常にエッジが効いていて面白いですね。「生活感」と「不条理」の対比を軸に、5つの物語案を作成しました。
1. 形状記憶のサンダル
導入: 玄関に転がった、左右で擦り減り方の違う1980円の安物サンダル。
展開: **「ここだけの話だよ」**と隣人に渡された日焼け止めを塗ると、サンダルの足跡が地面に定着し、物理的に剥がせなくなる。藤棚の下で動けなくなった主人公は、サンダルを脱ぎ捨てて逃げるが、翌朝、玄関には砂埃まみれの「自分の足」の形をしたサンダルが戻っている。
結末: 鏡を見ると、自分の足首から下が徐々にサンダルと同じ合成ゴムの質感に変わり始めている。
2. 紫外線の呪い
導入: 昨夜の残り物の冷えたコロッケを齧りながら、壊れかけの換気扇の異音を数える朝。
展開: 商店街の福引きで当てた日焼け止め。それを塗って藤棚の下を歩くと、影だけがその場に「日焼け」として焼き付いてしまう。影を藤棚に置き忘れた主人公は、体がどんどん薄く平坦になり、まるで古い映画の看板のように奥行きを失っていく。
結末: 「ここだけの話だよ」。街ですれ違う「やけに顔色の悪い人々」も、全員どこかに影を忘れてきたのだと気づく。
3. 藤棚の通信機
導入: 掃除機のコードが巻き取れなくなり、何度もボタンを蹴飛ばすイライラした日常。
展開: 公園の藤棚から垂れ下がる花房が、実は一本一本が「光ファイバー」の役割を果たしている。**「ここだけの話だよ」**と囁きながら花に耳を寄せると、死んだはずの昭和のアイドルが、昨今の電気代の高騰について愚痴をこぼしているのが聞こえる。
結末: 好奇心で自分のサンダルを藤の花に触れさせた瞬間、主人公の意識がデータ化され、藤棚のサーバーへ吸い込まれる。公園には、中身の抜けたサンダルだけが残される。
4. 巻き戻る日焼け
導入: 洗濯機の脱水が終わる瞬間の、あの心臓に悪いガタガタという振動。
展開: 藤棚の木陰で日焼け止めを塗ると、塗った部分の「時間」が巻き戻る。日焼けが消えるだけでなく、肌が赤ん坊のように若返り、やがて指先が消失していく。慌ててサンダルを履いて逃げようとするが、足のサイズがどんどん小さくなり、歩くことすらままならない。
結末: 「ここだけの話だよ」。この日焼け止めは、使い切る頃には「存在自体」を無に帰すためのものだった。
5. 境界線のサンダル
導入: スーパーの半額シールが貼られた、少し水っぽい刺身パックを開ける音。
展開: 左右で色が違うサンダルを履いて藤棚の下を通ると、パラレルワールドの自分と入れ替われるという噂。**「ここだけの話だよ」**と教えられ実践すると、確かに「少しだけ景気の良い自分」と入れ替わる。しかし、新しい世界の日焼け止めは「毒」を中和するための必須アイテムで、一瞬でも塗るのを忘れると、皮膚が藤の花のように紫色に変色し始める。
結末: 元の世界に戻ろうとサンダルを探すが、ゴミ収集車に回収される音が遠くから聞こえてくる。
執筆のヒント
妄想が加速するシーンでは、
「どうしようこれ絶対やばいよね詰んだよねサンダルのゴムが溶けてるのか俺の足が溶けてるのか境界線がわかんないし藤の花はさっきから紫っていうか毒々しいケミカルな色で笑ってるみたいに見えるしあああああ」
といった具合に、句読点を排したパニック描写を入れると、プロファイルの文体が活きてくるかと思います。
現在日時:2026年4月12日(日)00:29
モデル名:Gemini 3 Flash
「日焼け止め」の概念を少しだけ物理法則からずらした、さらに不穏な2案を作成しました。
6. 日焼け止めの中身が「自分」だった話
導入: 朝、トースターから跳ね上がった食パンが、お皿を外れてテーブルの隅に落ちる。そんな些細な不運に舌打ちしながら、安売りの日焼け止めを手に取る。
展開: **「ここだけの話だよ」**と近所の主婦から教えられたその製品は、驚くほど肌に馴染むが、実は中身が「過去にそれを塗った人間の抽出液」でできていた。塗れば塗るほど、自分の肌の質感が他人の記憶に侵食され、腕に覚えのない古い火傷の跡や、他人のホクロが浮き上がってくる。藤棚の下で休んでいると、自分の腕からサンダルを履いた見知らぬ老人の記憶が逆流し始める。
結末: 容器を使い切る頃、鏡に映っているのは自分ではなく、その日焼け止めの「前任者」である。そして、自分の肉体はゆっくりと液状化し、新しいボトルの中へと吸い込まれていく。
7. 家具に塗ってしまった「防壁」
導入: 経年劣化で黄色く変色したエアコンのリモコン。それを拭くのが面倒で、つい余っていた強力な日焼け止めを「コーティング代わり」に塗りつけてしまう。
展開: 「ここだけの話だよ」。日焼け止めとは本来、光を拒絶する「絶対的な境界線」を作る儀式だった。日焼け止めを塗られたリモコンやサンダルは、この世界のあらゆる干渉を拒絶し始める。指で触れようとしても、物理的な膜に弾かれて操作できない。やがて、その「拒絶」の範囲は広がり、藤棚の柱に塗りつけた瞬間、その公園一帯が現実世界から切り離された「不可侵領域」と化す。
結末: 主人公は、日焼け止めがついた手で自分の顔を拭ってしまったことに気づく。視界が真っ白に染まり、家族の呼ぶ声も、生活の音も、厚いクリームの層に遮られたように遠のいていく。
どちらの案も、最初は「もったいないから」とか「便利そうだから」といった生活者の論理で行動し、最終的に取り返しのつかない不条理に飲み込まれる構成にしています。お好みのエッセンスはありましたでしょうか?
Claudeの回答
作風プロファイル、しっかり読みました。余韻重視、感情を直接書かない、場所が物語を体現する……という軸を意識しながら考えてみます。
①「日焼け止めの匂いがした」
定年後、することもなく近所の藤棚のベンチに通うようになった男。ある日、隣に座った見知らぬ女性が日焼け止めを塗りながら「ここだけの話だよ」と話しかけてくる。夫に言えない小さな秘密——藤を見るのが毎年この時期だけの、自分だけの時間だということ。男は何も返さない。女性はすぐ立ち去る。翌日、同じベンチに男はまたサンダルを履いてやってくる。
②「サンダルの片方」
母が施設に入って半年。実家を整理しに来た娘が、玄関の三和土でサンダルの片方だけ見つける。庭の藤棚の下に、日焼け止めのボトルが転がっている。「ここだけの話だよ」と母がいつも言いながら教えてくれた、藤の咲く時期の密かな習慣があった。娘はそれを知っていたようで、知らなかったようで。
③「五月の留守番」
小学生の娘に留守番をさせて、母親は毎年五月に半日だけ出かける。「ここだけの話だよ」と言って、行き先は教えない。娘は今年初めてこっそりあとをつける。母が向かったのは隣町の古い公園の藤棚。サンダルを脱いで、ベンチに膝を抱えて座っているだけだった。日焼け止めを塗り直す横顔が、娘の知らない顔をしていた。娘は声をかけずに帰る。
④「藤が終わるころ」
長年同じ職場で働いてきた二人の女性。一人が辞めることになった。「ここだけの話だよ」と言って、残るほうが打ち明けたのは、自分もずっと辞めたかったということ。藤棚のある神社の参道で交わした会話。帰り道、残るほうの足元のサンダルに、花びらが一枚貼りついている。それを払わないまま、バス停まで歩いた。カバンの中で、日焼け止めがキャップの外れたまま転がっている。
⑤「ここだけ」
老いた父と息子。父はもう遠出ができない。毎年二人で行っていた藤棚に、今年は息子一人で行く。帰って写真を見せると、父は「ここだけの話だよ」と言って、あの藤棚で母に初めて話しかけたのだと言う。息子は初めて聞く話だった。父は続きを話さなかった。窓の外、夕方の光が薄くなっていく。玄関にサンダルが二足、並んだままだった。
どれも結末を「開けたまま」にする方向で考えています。③や⑤あたりは視点の密着感がプロファイルに合いやすいかもしれません。気に入ったものがあればさらに膨らませます。
ありがとうございます。少し変化球で考えてみました。
⑥「SPF50」
造園の仕事をしている男が、毎年五月に市の管理する藤棚の手入れに来る。作業前、いつものように日焼け止めを出すと、中身が切れていた。代わりに鞄に入っていたのは、去年亡くなった妻が使っていたものだった。ラベルに見覚えのある字で「ここだけの話だよ、日焼けしてもかっこいいけどね」と書いてある。男はしばらくそれを持ったまま、藤の房を見上げていた。サンダルの踵に、土がついた。塗るかどうかは、書かない。
⑦「石像の肩に」
神社の境内、藤棚のそばに古い狛犬が一対ある。拝観客がほとんど来ない平日の朝、老いた女性がサンダル履きでやってきて、鞄から日焼け止めをとり出す。「ここだけの話だよ」と狛犬に話しかけながら、欠けた耳のまわりに日焼け止めをそっと塗り込む。石が焼けて色が変わらないように、と何十年も続けてきた習慣らしかった。それを遠くから見ていた孫娘は、おばあちゃんが少しおかしくなったのかと思ったが、狛犬の顔が妙につやつやしているのに気づいて、何も言えなくなった。
⑥は「中身が別人のもの」という切なさを直接書かずに仕草で、⑦は「人間以外への行為」をユーモアと余韻の両方で着地させる方向にしました。プロファイルの「動植物・人間以外が象徴的な小道具として機能する」という傾向を⑦では少し強めに使っています。
いかがでしょうか。
ChatGPTの回答
2026年4月12日 18:42(日本時間) ChatGPT 5.3
いいですね、このお題かなり「静かな違和感」と相性がいいです。
プロファイルをベースに、説明しすぎない方向で5つ出してみます。
① サンダルの持ち主が入れ替わる藤棚
藤棚の下で休んでいると、誰かが言う。
「ここだけの話だよ、このサンダル、さっきまで私のじゃなかったんだよね」
日焼け止めを塗り直している間に、足元のサンダルが少しずつ入れ替わる。
誰のものか分からなくなるが、履くと妙に馴染む。
皆それに気づいているが、「まあいいか」で会話が続く。
② 日焼け止めを塗ると“昨日”になる場所
藤棚の下だけ、日焼け止めを塗ると時間が一日だけ戻る。
「ここだけの話だよ、これ塗ると昨日になるんだ」
サンダルの跡だけが増えていく。
何度も同じ会話をしているはずなのに、誰も確信が持てない。
昨日に戻るたび、少しずつ藤の花が減っている。
③ サンダルで踏むと“誰かの記憶”に入る
古い藤棚の下では、サンダルのまま地面を踏むと、他人の記憶が見える。
「ここだけの話だよ、このサンダル、知らない人の夏が混ざってる」
日焼け止めの匂いが、その記憶の中にもある。
誰のものか分からない思い出を共有しながら、特に深刻にもならず話し続ける。
帰る頃には、自分の記憶が少し減っている。
④ 日焼け止めが“塗られた未来”を固定する
その日焼け止めは、塗った部分だけ未来が変わらなくなる。
「ここだけの話だよ、これ塗ると、そこだけもう変わらないんだ」
藤棚の下で、誰かの腕だけ日焼けしないまま季節が進む。
サンダルだけは毎年新しくなるのに、足の甲の色だけ変わらない。
それを指摘する人はいるが、特にどうもしない。
⑤ 藤棚の下では“履いていないサンダルの音”がする
誰も歩いていないのに、サンダルの音がついてくる場所。
「ここだけの話だよ、この音、あとから来るんだよ」
日焼け止めを塗ると、その音が少し遅れる。
音の主は見えないが、会話には普通に混ざっているような気がする。
気づいても、誰も確認しないまま話題が変わる。
もし「もう少し不気味寄り」「もう少し会話中心」「一つを膨らませる」などあれば、その方向に寄せて再調整もできます。
2026年4月12日 18:46(日本時間) ChatGPT 5.3
いいテーマですね、その2つはかなり“静かに嫌な方向”にも振れるので、トーンを揃えつつ出します。
⑥ 日焼け止めの中身はじつは、減っていない
藤棚の下で日焼け止めを貸し借りしていると、誰かが言う。
「ここだけの話だよ、この日焼け止め、中身減ってないんだよね」
何度使っても軽くならない。
サンダルの足跡だけが周りに増えていくのに、誰がどれだけ使ったか分からなくなる。
よく見ると、チューブの中で何かがゆっくり動いている気がするが、誰も確かめない。
⑦ 人間の肌じゃないところに日焼け止めを塗ると、その部分が“外に出る”
藤棚の柱に日焼け止めを塗っている人がいる。
「ここだけの話だよ、人じゃないところに塗ると、そこだけ外に出るんだ」
柱の一部だけが、別の強い日差しの下にあるみたいに白く浮いている。
触ると熱い。
サンダルの先で軽く触れた跡だけ、違う季節の温度になっている。
何人か試してみるが、特にやめようとはしないまま話が続く。
この2つ、もし広げるなら
・⑥は「中身=何かを消費している系」
・⑦は「外=別の環境・時間・場所」
に振ると、かなり作品の芯が出そうです。
小説のサポートにはどのAIが向いている?
Geminiさんとのチャットのときに、こんなのが出てきていたので貼ります。AIでこんなことしてますって話したときのアドバイスです。
~省略~
3社のAIの得意分野と使い分けアドバイス
1. 小説を書くときのサポート
ここは「文章の質」や「文脈の理解力」が重要になります。
🏆 Claude: 最もおすすめ。文脈を汲み取る能力が非常に高く、長いプロットや設定の矛盾を指摘したり、キャラクターの口調を統一したりするのが得意です。より人間らしい、情緒的な表現の相談に向いています。
ChatGPT: アイデアの壁打ち(ブレインストーミング)や、特定のシーンのバリエーション(「もっと緊張感を出して」など)を大量に出すのに適しています。
使い分けのコツ: 「Claudeに全体のプロットや設定を覚えてもらい(大局)、ChatGPTで個別のシーンのセリフや描写を膨らませる(各論)」という使い分けが最強です。
~省略~
出力への感想
さっきの出力の感想として、Claudeのはじーんとくるような……というか、「私のプロファイルでそんないいもの出してくれるなんて」みたいな、正直に言うと、ちょっと嬉しかった。こんなの書けたら幸せかも。
ChatGPTは昨年に短編小説を書き始めたときからずっと使っていたので、あーこんな感じだったかも…という気がしなくもないんですが。
プロファイルのせいなのか、何を言ってるのかよくわからないです。不条理すぎます。どうすんのこれ。私のせいです。
Geminiは、たぶんこの中では普通なんだと思います。けっこう変な話を出してきていますが、それはプロファイルを反映しているから。私っぽい発想かも、書いてみたいかもって感じるアイデアが多いです。
「プロファイルを無視してみて」といったら、なかなかに素敵なファンタジーを出してくれました。(笑)
まとめ
ちょっと試してみたら面白かったので、記事にしました。
別のAIが作ったプロファイルを貼り付けたらどんな回答が返ってくるんだろうとか、やってみたくなります。
(やっても記事にはしないので、ご安心くださいませ!)
アイデアをいっぱい出すのは本来辛く苦しいものだと思うんですが、こんなにラクをしてはバチが当たりませんでしょうか。
「いえいえ、ここから拾って組み上げて自分で仕上げるのにエネルギーが必要なんですから、このくらい、いいんですよ……」って、私の中の誰かが言ってくれています。そして当たるならバチではなく宝くじにしてくれ。
今回も長い記事をお読みいただき、ありがとうございました。
😊
プロファイルについてはこちらで書いております。
*
そして、せりふ三題噺の企画。はらとけいさん、いつもありがとうございます。
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