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和歌山鉄道旅 那智山編

早めの便で那智勝浦へ

仕事を夜の時間に寄せたので、暗くなる前に帰宅したい。ということで、最後の特急に乗るところから逆算してみると、朝は宿を7:40くらいに出る必要があった。
串本〜紀伊勝浦までは在来線で約50分、のんびり海岸沿いを各駅停車に揺られる。
串本の辺りは、夕日は山側に沈むが、朝日は海から昇ってくる。カヤックでご来光を見に行くツアー、もあるようだ。
眠りが浅くボーっとしていたのと、割と混雑していて人の乗り降りが激しかったので、朝日輝く水面の広がる美しい海岸沿いの景色、は撮影が難しかった。

宿の窓辺より撮影

那智山を目指す目的と言えば

日本三大名瀑のひとつ、那智の滝。
有名な3つの中でも、実質日本一となる高さとのこと。
目指すは、滝そのものが御神体として祀られている那智の滝と、那智熊野大社。
元々は滝の近くに社があり、同じく滝と伊弉冉尊(イザナギノミコト)が祀られている。
奈良・和歌山一帯にある「熊野大社」は、伊勢神宮に続く由緒ある神社で、出雲大社よりも格式が上?とのこと。

その場所へは、バスや車でも直接登れるが、大門坂という場所からは、1キロ程の山道を歩いて登る事ができる。
夫婦杉という大木が見られたり、昔は参拝客が入山料を払う関所があり、バスで向かう途中も、たくさんの観光客が下車していた。
お参りするなら修験道者の体験を、ということのようだが、時間や体力的に、滝を見て、少し登って那智熊野大社にお参りしたらとんぼ返りだな。というところが現実的だった。

そして、さすが世界遺産、バスもインバウンド客でギュウギュウで、外国語が飛び交い写真どころではない…

一気に急な坂道に

標高自体は1,000m前後だが、大門坂を過ぎたところから急激に傾斜が険しくなり、車道も曲がりくねって何度もヘアピンカーブを曲がりながら登る。
急峻の理由は、その成り立ちにある。

白亜紀以降、の太古の話ではあるが、南海トラフ(海溝)のあたりでプレートが沈み込み、陸からの堆積岩が押し上げられて付加体になり、その地下深くで摩擦により大量のマグマが溜まる。
ある時、付加体へのマグマ貫入(橋杭岩のあたりなど)、後期には大規模なカルデラ噴火があった。
その際、噴出物で窪んだ部分は一度平らになった。そのため、熊野酸性岩体という、花崗岩質の岩盤が一帯を埋め尽くしている。
海側からプレートは押され続けているので、那智山の辺りは硬い火成岩の岩盤がそのまま高く隆起。
地震やプレート運動の影響で、岩盤の節理部が切り立った断層となり、そこに川が流れ込んで那智の滝になった。ということらしい。
(潮岬のジオパークで詳しい解説を見たり、いろんな装置で体験できる。)

滝への入り口

断層の谷間であることを実感

さて…入り口から滝までは長い階段を下ることになる。
下から見上げる位置に行くのだからそうなるか。と、思いつつも、イメージできていなかった。
滝の落差は133m、40階建てのオフィスビルに相当するような高さ。
滝壺の深さも、10mもある。

まだまだ下る
ついに
これは素晴らしい…
ため息の出る圧倒感

神社らしく、おみくじや長寿の水、など、楽しめる場所もたくさんあったが、とにかく美しい眺めをずっと見ていたい気持ちになる場所だった。

修験道は甘くない

そんなわけで、滝から階段は始まっていたのだ。
滝から那智熊野大社まで、地図で見る限り距離はそんなに無いのだが、徒歩15〜20分となっていた理由は、坂と階段。
一段一段が幅がある。そして、傾斜がすごい。
日を遮るものも、ほぼ無し…夏の暑い時はちょっと、やめたほうがいいかもしれない。
登りきったところで、ほぼ全員が真っ赤な顔で息切れをしている状態…

夏みかんがなる
綺麗
大きい蟻だ

そしていちいちあっ、と立ち止まるからますます辿り着かないという。
お参りを済ませて、東屋の椅子からお尻が離れない。いろんな国の人々が東屋の下で放心していた。

段差と日差しにやられて
もう東屋からしか撮影できない
胎内潜りができる、御神体である御樟木
那智の滝が見える
素晴らしい眺めなのだが…
明るさの調整をする元気がない

バス停までは降りるだけだったので、そこまで大変ではなかった。

遠くの鳥と鳴き声で何かを会話していた
こんな階段か、
もっと段差のある大きい石段がひたすら続く

汗だくになったので紀伊勝浦駅で着替え、慌てて昼食を食べて乗り込んだ特急南紀、また津から乗った特急ひのとりは大変快適。
でも海が見えるところを過ぎたら、ほぼ寝ていた。
たぶん、軽い熱中症だったのだろう…。まだなんだかいつでも眠く、体が休めと言っている。

観光地としてそれなりに整備されているとは言え、真夏の那智山はとてもハード。
体力自慢の方でも、涼しい時に行くことをお勧めいたします。

これにて、旅の行程記録はおしまい。
見たかった景色、乗りたかった電車。子供から大人に変わりつつある息子の成長も感じた二人旅。
そしてさり気なく(いや、大っぴらに?)ご当地の地盤や岩石を観察できる行程にしておいて良かった。

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