第268話 腹穴集 俳句篇① 夢幻の中
梅雨が明けたある日、アリンコプロの応接セット。
“元働かないアリ壱号”だった、今はスーパー働くアリ壱号
「センセ センセ 露腸先生、腹穴集の漢詩篇がスンゲェ評判いいんで、続き出しましょうよ。
是非、『長恨歌』の露腸バージョンを読んでみたい、てぇ女性ファンのコメントがいっぱい来てるんですよぅ。」
※きっと人生の浮沈を昇華させた、落ち着いた容貌の美しい方に違いない
露腸ACT 3
「壱号くん、長恨歌はハードル高すぎだよ。
漢詩はなぁー 高校1年の時に一年間漢文履修のインプットしたやつしかないから、もう空っケツだあ」
壱号(メンドーなので以下壱号)
「そしたら俳句はいかがですか?」
露腸ACT3
「季語あるし、難しいよぅ 短かすぎるのがなあ
感性無いとか、文学的素養の浅いのが一発でばれちまう。
俳句とか川柳やってる人沢山いるから、絶対馬鹿にされるから、やんだぁ。」
壱号
「いやいやいや 自由律っていう便利なものがごぜぇます。
季語入ってなくていいし、五七五も関係なし。
テキトーなことつぶやいて、これは俳句だ、と言えば、だぁれも文句言いやしませんや。」
露腸ACT3
「へぇ、そうなんだ。
そしたら一丁やってみっか」
という訳で、唆されたお調子者の露腸ACT3が恥をさらす、の始まりである。
責任は露腸ACT3には一切ない。
全てはメフィストフェレスの如き“元働かないアリ”壱号の思いつき、である。
ま、乗っかる方も、乗る方だけどね。
*
ストマつけ生きる何が不都合
オストメイトの告白なぜ過去形
十年たってストマ公表する芸能人
リアルタイムてストマ経験晒すわれ
桜から花水木まで床の中
導尿管挿れたまま摩羅反り返る
むりむりと導尿管を押し上げる
尿口から共に流れる自己否定
血圧に悪い膀胱内視鏡
梅雨入りと被る入院三回目
三度目の入院と被る梅雨の入り
明けたのか退院の晴れ未宣言
構わんが主治医の巻肩気になりき
人工肛門のないわたしが歩いている
ストマなく病棟周回三周目
同行の点滴台は明日まで
ゆきゆきて人工肛門閉鎖する
独歩する出来る子は放っておけ
ストーマの声をきく最後の夜
聴けストーマの音梅雨の朝
ストマ閉じて蝉の声なき六月の空
真夏の空の色と違う梅雨の合間
役目終え名もなきままに去るストマ
キンタマとストマ名付けし人もいる
男ならキンタマ四つはいりまへん
キンタマ四つはジョジョリオン
お前もか まあ座れよ横行結腸
Sの字と横行結腸茶碗酒
宿主が来るその日まで二腸待つ
多目的躊躇なく入るわれ
意味わかってんのかバリアフリー
好きなAV女優からスキを貰う夜
晒してしまうnote知った理由
藤かんなからスキ貰い舞いあがる
月なき空短夜の開ける夏至
半年で手術二回茅の輪をくぐる
大祓ひとがたで拭う腹の穴
君は罪てもケガレでもなし
一人で歩くオペの翌日 俺もナースと歩きたい
犀の如ひとり歩め点滴台
ストマ経験ノオトで晒す 俺にもこいよ出版社
*
うーむ どっちかつーと川柳か。
都々逸もすこし。
※解説が必要な方や、これは酷い一丁添削してやるべい、という方はどうぞご遠慮なくコメントお願いします。
