第228話 腹穴集 巻の20 ストマ閉鎖篇の壱
六月の夕焼けを見つつ服む下剤
半透明になるまで三時間
下剤の効きを待ちながら
一人楽しむ病室の夕まぐれ
ストーマを嫌いになったわけじゃない
尻から出せるようになっただけ
東の窓の外なる麦畑
今日は水田になりにけるかも
麦のあと 水田になる はやきこと
水溶便の温さに驚かれぬる
ストーマをガーゼで押さえつつ腰を浮かす
下刈りとヘソ掃除
手術まであと一時間 出すものおわり
人工肛門沈黙す
ストマはなんにも言わないけれど
ストマの気持ちはよくわかる
われ絶食 フォローnoter の記事
食い物の話 目につくのは何故だ
病棟の廊下ですれ違う手に持つ
人工肛門スターターキット
実習の看護学生にきのきいた
ことを言おうとしてすべるわれなり
足元を見るとスポーツサンダル
医師はナイキ 我ワークマン
脳内に 喰いたい物が わいてくる
退院がいつか気になって来る
