第302話 オストメイトと温泉
先日、人工肛門(ストマ)閉鎖後初めて温泉ホテルに何泊かして、温泉を堪能して来た。
やはりストマ時代と違い、何の気兼ねも無く入浴出来るのは気が楽である。
人工肛門(ストマ)があった1年2ヶ月の間に6回ほど温泉ホテルに宿泊して共同の大浴場で入浴した。
初めて入ったのは人工肛門造ってから1ヶ月ちょいくらいである。
以下の記事を人工肛門造設する前後に読んでいたので何の問題もない、と思っていたのである。
とはいえ、全然逡巡しなかった訳ではない。
正確にはストマ造設が2024年4月下旬で、登山や宿泊を伴う旅行、そして温泉にはいったのはほぼ1か月後の2024年の5月の末だ。
結構早い段階で温泉に行ったなぁ、という自負はある。
この時はさすがに気を使ってストマパウチを他人に見せないように気を使った。
入浴時にストマパウチが外れたり中身が流出することはまず無い、とは頭では理解していた。
ま、この辺はね。
浴槽に入る前に身体をよく洗わずにチンカスとか肛門に雲子の拭き残りがついてるのに浴槽に入るほうが余程汚いと思う。
パウチを半分に折ってクリップなどで止めてしまえば、表面積が半分になり目立たなくなるし、それほど不自然でなく手で隠せる。
カバーやシールでパウチを隠す方法もある。
自分は使わなかった。
というより購入しなかった。ケチンボなのである。
タオルで隠す、という方法もあるが浴槽に入る際にマナー違反に見られるのもイヤだ。
入浴時の心境としては、ストマパウチを他人に見られるのが
“恥ずかしい”
ではなく、他人に対して不快感を与えたくない、という部分が大きかったと思う。
他人目線(袋を付けていない普通の人)で考えてみよう。
『うぇ〜い やっぱり温泉は気持ちいいよなぁ
あれ、あのオッさん腹になんか袋ついてるよ。何だろう。
わっ、汚ったねー 雲子入ってるよ。
いい気分台無しだよ。
フロントに文句言ってやろ』
これは極端かもしれない。
だが他人の排泄物を見て、全然不快にならない、という人はいないと思うので正常な反応ではないだろうか。
オストメイトが公共の温泉などに入浴する際、ストマパウチを見せない、隠すというのはお互いのため、であると思う。
この辺の正直な心境はやはり気後れ、臆病である。
ストレス感じるなら、部屋のちっこい浴槽で我慢して大浴場に入らなくてもいいや、と少しは思った。
しかしながら温泉の大きな浴槽や露天風呂に入るのは、何物にも替え難い快感である。
人工肛門は恥ずかしいことではない、という信念があるし温泉旅館に投宿した時は葛藤を乗り越えて必ず大浴場に入った。
もちろん、宿泊費や入湯税を払っているのに大浴場の温泉に入らないと損しちゃう、という吝嗇な気持ちは否定しない。
いや、こちらの方がでかいか?
あらためて袋が付いて無い普通の人たち(もう自分もそうだけど)に言っておきたい。
温泉や風呂屋でお腹に袋を付けている方を見かけても、無視して下さい。
袋が外れたり、中身が流れ出すことはありません。
本人や施設にクレームを入れないでください。
