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第205話 働かないアリとキリギリス 前編

壱号:
「あらよっと。この辺でいかんべ。巣の穴掘った土を運ぶのかったるいよな。ここらでブン投げときゃあいいわ。
面白いとこがあんだけどチョット寄ってこーぜ」
弐号:
「お、いいっすねー。なんなんすか?」
壱号:
「ふ、ついてからのお楽しみよ」



壱号:
「キリや〜ん。また来たぜ。今日もグッと来るやつ一丁頼まぁ」
キリやん:
「お、働かないアリさんじゃない。ここんとこ毎日だねー。もう聴いてないレパートリー無くなっちゃったよ。
あれ、今日は何?お仲間連れて来たの?」
壱号:
「おうよ。俺の舎弟で働かないアリ弐号な」
弐号:
「弐号でぇす。キリギリスさんですか。
兄貴がいつもお世話になってまぁす。よろしくお願いします」
キリやん:
「そうシャチホコばらなくていいよー。呼ぶのもキリやんでいいからね。
でも2人とも仕事しなくて大丈夫なの?」
壱号:
「働きアリの世界ってのはな、2:6:2の法則があんのよ。
熱心に仕事すんのは2割、普通になんとなく仕事する連中が6割。
そして俺らみたい適当なのが2割な。
別名働きアリの法則とも言うんだぜ。
仕事は2割のエリート働きアリさまがやるから俺らサボってたって全然ダイジョーブなのよ。」
弐号:
「そうそう 人のことブラ下がりだとか穀潰しに給料ドロボーとか言いやがってさ。
『仕事出来るって評判だったんで引っ張ったら全然話が違う。期待外れだ。君には失望した』なんてさ。
チキショウあの副長の野郎 何年たっても忘れねぇぞ」※

キリやん:
「まぁまぁ すんげぇ実感篭ってるよ😛
言いたいことはいっぱいあると思うけどさ
浮世の憂さをちょいと忘れてってくんな。
じゃ オープニングはいつものやつからね。三曲続けていくよ。
いっくぜぃ」



壱号:
「おいおい、泣くこたぁねえだろう。
そんなに刺さったのかよ?」
弐号:
「兄貴ぃ。俺こんなに楽しくて、そして興奮したの生まれて初めてですぅ」
「それから、あの会ったことの無い未来の恋人を想うってやつ、もう泣けて泣けて」
壱号:
「まー 俺ら、いちおう生物学的には雌ってことになってるけど生殖能力ないし交尾すること絶対ねぇからなぁ。気持ちはわかるぜぃ。俺も同じよ」



キリやん:
「連日のお越し誠にありがとうございました。そろそろ日も暮れるし、アンコールもう一曲やって今日はおしまいね。
わっ、びっくりしたあ‼️」
壱号:
「なんだコイツ。いきなり墜っこて来やがって直撃だったら大怪我か死んじまってたぜ。
キリやん怪我なかったかい?
あ、大丈夫。そりゃあよかったわ。弐号はどうよ?うん、問題無しな」
キリやん:
「コイツは蝉だよ。成虫は7日しか生きられないんだってさ。
短い間に生命を燃やし尽くして鳴くのさ。
そして交尾して生命は終わる。
ボクも終わりまでの時間が長いだけで同じ運命だけどね。
きっと羽化して7日目なんだろう」
弐号:
「あ、コイツなんか言ってますよ」

八日目の蝉:
「わ わが・・・しょ しょしょうが いっいっ
ぺぺ・・・くくくいくい…」
壱号:
「え、何だって?ショウガ食いてえ?
その辺に人間の弁当の食いっ零しでもおっこちてねぇか。紅しょうがでもあればなぁ。岩○の新生姜でもいいぞ。
末期のなんとかってやつだな。
欲しいもの食わせてやろうぜ」

後編につづく

注)コイツら昆虫なので「北斗の拳」を読んでないことは言うまでも無い。
もちろん、あのラオウの名言を知る由もない。

※露腸亭MkⅡは実際にこれと同じことを言われた。数年間出向して苦労した後、本体に戻れたのだが、バーンアウトした状態で全然使えなかった。
結局メンタルやられて「うつ」になりはぐって降格。ひいてはかなり定年を残して早期退職した。

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