見出し画像

東大推薦の「次の形」になるのか新学部COD(College of Design)を読み解く

東大が「新しい大学」を作ろうとしている

東京大学が、新しい教育の形を模索していることをご存じでしょうか。
近年、東京大学は従来の学部構造とは異なる教育プログラムを次々と立ち上げています。その中でも注目されているのが、【College of Design(COD)】という新しい学びの構想です。
日本の大学では、一般的に「学部」が専門分野ごとに分かれています。
法学部、経済学部、工学部、文学部といった構造です。
しかしCODは、その枠組みとは少し違います。
キーワードは「Design」です。
ここでいうデザインは、単なるプロダクトデザインや美術の話ではありません。
社会課題を見つけ、解決策を構想し、実装していく思考方法そのものを意味しています。
つまり、社会を設計する力を育てる教育と言われています。



なぜ東大は「デザイン」を掲げたのか

この動きには世界の大学の変化が関係しています。
アメリカのスタンフォード大学には「d.school」と呼ばれるデザイン教育の拠点があります。そこでは工学、ビジネス、教育、医療など、異なる分野の学生が集まり、社会課題を解決するプロジェクトを行います。
またMITでも、テクノロジーと社会課題を結びつける教育が広がっています。
つまり、世界のトップ大学ではすでに
「専門分野」より「課題解決」を軸にした教育
が広がり始めているのです。
東京大学のCODも、この流れの中で構想されたと考えられています。



実は推薦入試との相性がいい

ここで面白いのが、東大推薦入試との関係です。
東京大学は2016年から推薦入試を導入しました。
学力試験だけでは測れない能力を評価するためです。
推薦入試で求められるのは
・探究活動
・社会課題への関心
・主体的な活動
・将来のビジョン
といった要素です。
これは実は、CODが掲げている教育理念と非常に近いものです。
つまり極端に言えば、
CODの教育思想は「推薦型人材」を前提にしているとも言えます。
従来の大学教育は「入学後に専門を学ぶ」形でした。
しかし推薦入試では、入学前から
「どんな問題に関心があるか」
「社会にどう関わりたいか」
が問われます。
CODはその延長線上にある教育モデルと言えるかもしれません。



これまでの東大教育との違い

東京大学の教育は長く「学問中心」でした。
まずは理論を徹底的に学ぶ。
その上で研究や社会応用を考える。
しかしCODの構想では、その順序が少し変わります。
まず社会の課題を見る。
そこから必要な知識を学びに行く。
つまり
課題 → 学問
という順序です。
この発想は、デザイン思考と呼ばれる考え方に近いものです。
ユーザーの課題を理解し、仮説を作り、試行錯誤を繰り返す。
ビジネスやテクノロジーの世界で広がっている思考法です。



東大は何を変えようとしているのか

日本の大学は長い間、「専門分野ごとの教育」を中心にしてきました。
しかし社会問題は、必ずしも一つの学問で解決できるものではありません。
環境問題
都市問題
医療問題
テクノロジー倫理
どれも複数の分野が関わっています。
CODはそうした課題に対応するための教育モデルとして構想されています。
ある意味で、これは東京大学が自らの教育をアップデートしようとしている試みとも言えるでしょう。



これからの大学入試のヒント

この流れを見ていると、一つの示唆があります。
それは、大学入試も少しずつ変わっていく可能性があるということです。
知識だけではなく
・課題設定
・探究活動
・社会との接点
こうした経験が評価される機会は、今後さらに増えるかもしれません。
東京大学のCOD構想は、単なる新学部の話ではありません。
これからの大学教育がどこへ向かうのか
そのヒントを示しているとも言えるのです。

いいなと思ったら応援しよう!