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心理的距離を把握する

デキル支援者は、面接中に自分の心の状態を
モニターしている。
「事例との心理的距離」を把握するためだ。

ある程度の「支援関係」が出来上がってくると、
事例と支援者との間に、さまざまな心の交流が
引き起こされる。

その結果、例えば...

・何となく嬉しく または 悲しくなる
・やたらと話が盛り上がってしまう
・イライラしたり、ザワザワしたりする

...という状態になることも。

これらの状態にある場合、
支援者と事例との心理的距離は「程好い状態」に
保たれてはいない。

①事例と支援者との心理的距離が近すぎる
②事例が支援者の心に何かを投げ込んでいる
③投げ込まれた何かに支援者の心が反応している

支援者が前のめりになり過ぎると、①の状態となり、
②が起こりやすくなる。

これらは、「事例⇒支援者」に限っておこるもの
ではなく、「支援者⇒事例」でも起こりえる。

「事例⇒支援者」の場合...
人格的に病理性をおびている事例の場合は、
支援者が操られている(コントロール)状態になる。
時に、関係機関全体がこの状態になっている場合も。
支援者が事例(または多機関)の具体的なリクエストに
応じている状態は、明らかに③の状態といえる。

「支援者⇒事例」の場合...
事例の側からすれば、支援者は侵襲的な存在と感じ、
支援者が投げかける質問をかわセルうちは良いが、
時には拷問のように感じたりする。

原則的に面接は、
「程好い心理的距離」を保ちながら行われることが
基本である...といわれる。
「程好い心理的距離」とは、近すぎず・遠すぎず...
という距離感。
事例にも、支援者にも、双方にとって「程好い距離感」が
必要なのだ。

実はこの「程好い心理的距」は、支援者を護ると同時に、
支援効果を高める機能がある。
ゆえに、デキル支援者達は、「程好い心理的距離感」を
保とうとする。

これは、かなり高度な面接技術なので、デキル支援者たちも、
最初からこの技術を使えたわけではない。

かつては「前のめり」になり、痛い思いをしたはずだ。
また、面接を終えた後も、得体のしれない憂鬱で
ネガティブな感情に、心がざわついた日々もあっただろう。

そんな状況をどのように耐えてきたのか...
どのように乗り越えてきたのか...

実は、前述した①~③は、正しく仕事をする支援者達に
必ず訪れる「壁」といっても過言ではない。
その壁を乗り越えることができるか、傷ついて終わるか。
支援者として重要な岐路に立っている。

だから、一人で悩んで終わるのではなく、
小手先のhow-toでやり過ごすのではなく、
今の状態を正しく、客観的、論理的に
理解してもらえる誰かを見つけられると良い。

あなたの周りにスーパービジョンのできる人がいれば、
この機会にSVを受けてみるのもアリだろう。

絶対やってはいけないことは…、
①自分を責めること
②巻き込まれたまま動くこと
③他の誰かを巻き込まないこと

厳しい局面に立っていることは間違いないのだが、
専門職として「次のステージ」に向かう時期だと考えて
踏ん張ってほしい…。


冒頭の画像はmacapyさんのものをお借りしました。