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FUN. 『We Are Young』――今が一番若いと気づいてから|あのころを振り返る #6

僕はよく「今が一番若い」と自分に言い聞かせている。
時間は前にしか進まず、今この瞬間の自分が一番若い。
どう頑張っても年を取っていくのは、誰しも抗えない共通の事実だ。

決してネガティブなことではなく、その上で何をしたいか、何を選択するかを考えるよう意識している。

そう考えるようになったきっかけのひとつが、FUN.の『We Are Young』だ。
学生として迎える最後の年、「僕たちは若い」と言い聞かせながら自分を鼓舞していた。


Gleeとの出会い

2013年、僕は学生最後の年を迎えていた。
実習と翌年の試験に向けて何かと忙しかったが、同級生全体の一体感はあり、充実した日々を送っていた。

当時、よく見ていたのが、NHKで放送していた海外ドラマの『Glee』だ。
*『Glee』とはアメリカの高校のグリー(合唱)クラブを舞台にしたドラマ。様々な悩みを抱えながらも、活動を通じて夢や希望を見出していくストーリー。

僕はそれまで海外ドラマを見たこともなく、アメリカの学校の雰囲気には”カルチャーショック”に近いものがあった。
それでも、作中の登場人物たちの悩みには共感するものもあり、一気に引き込まれた。
性別やバックグラウンドの違う生徒が歌い、踊るパフォーマンスも魅力的だった。

いま思えば自分の可能性に気付かず、諦めデフォルトだった自分に強く刺さったのだと思う。


『We Are Young』はシーズン3の非常に印象的な場面で披露された。

彼らが集まり「Tonight,we are young~」と歌う姿は、互いに讃え合いながら、未来への宣言をするアンセムのようで、僕の心を震わせた。



英語ができなかった自分だからこそ救われた

原曲はアメリカのバンド「FUN.」の楽曲で2011年に発売され大ヒットした。2013年のグラミー賞では”最優秀楽曲賞”を受賞し、グループとしても”最優秀新人賞”を受賞した。

この曲を最初に聞いた時、印象的な「Tonight,we are young~」の部分しかリスニングできていなかった。
「僕たちは若いんだ」と肩を組みながら讃えあう曲と思っていたが、実際に歌詞を見てみると彼女に振られて傷心モードの男の姿が浮かんできた。

もし、僕に英語力があったら、この曲は響いてなかったかもしれない。
「もっと英語を勉強しておけば良かった」と何度も悔やんでいたが、結果として能力がなかったからこそ、この曲は僕を救ってくれた。

僕にとって大切だったのは、「僕たちは若い」という事実への気づきだった。



卑屈だった学生時代

今となっては信じられないが、当時の僕は自分は”老いた”と思っていたし、可能性の扉は閉まっていると思っていた。

それは、後輩の若さと眩しさに触れただけではない。
自分の学生時代を振り返った時に、特に成し遂げたものが見つからなかったからだ。
当時の自分が描いていた「理想の青春」とは程遠い時間を過ごしたものと思っており、人と比べては落ち込んでいた。

それを「老い」という言葉でごまかしていたのだと今になっては思う。


当時の僕はとにかく、自信がなかったし、自分がダメなやつと信じて疑わなかった。
何事にもそれなりに努力はしたつもりでいたが"成功体験”よりも、圧倒的に"失敗体験”が勝っていた。


「もっと若い時にやっておけば」
「あの時こうしていれば」
が常に頭の中を駆け巡っていた。


「他の人はもっと先に始めている」
「”今更””時代遅れ”と言われたらどうしよう」
と思うと新たな一歩を踏み出せずにいた。


それでも友人はいたし、それなりに毎日を楽しく送っていたが、そんな環境に自分は甘えていると思っていた。

よく言えばストイックかもしれないが、今となっては黒歴史だ。

そんな時に出会った『We Are Young』は衝撃的だった。
「もう若くないよ…老い」なんて思っていたが、この曲を聴いていると「時間は前にしか進まない、今この瞬間の自分が一番若い」という事実をひしひしと感じるのだ。

そのおかげか、余計なことを考えなくなっていった。
目の前の実習にも集中できたし、経験が定着してる実感があった。
成績も格段に上がり、自然と自信もついていった。

「もっと若いうちに気づいたら良かった」とお得意の”後悔”をすることもあったが、「学生のうちに気付けて良かった」という安堵の方が強かった。恐るべし「We Are Young」効果だ。


「We」がくれた勇気

もし、この曲が「I am Young」や「You are Young」だったら、ここまで響かなかったと思う。
個人を指していたら、当時の僕の思考回路だと「僕なんか」と思っていたはずだ。
しかし「We」と歌っていることで、「僕たちは若い」と素直に思えたのだ。

「We」だったからこそ「ひとりじゃない」と心から感じられたし、結果的に「ひとりでも頑張れる勇気」につながった。

僕の学校は圧倒的に女子が多かったが、男女の仲は良く、連帯感もあった。
その雰囲気が「Glee」のメンバーとシンクロし、「We」という一人称がより響いたのだろう。


今が一番若い

振り返ってみると「今が一番若い」と気づいた自分も、まだまだ人からの評価ばかりを気にしていたし、やる前から諦めることが多かった。

あの時の自分に大きな変化があったわけではない。
ただ考えの選択肢が増えただけだった。

それでも、心の持ちようは大いに変わった。

大きな変化は急には起こらないが、小さな気づきと小さな一歩の先に、今とは違った未来がやってくるのだ。

今の自分もまだまだ卑屈だし、人の目を気にしては落ち込むことも多い。
それでも、過去を悔やむよりは「今が一番若い」と思いながら、どんな未来を迎えたいかを考えている。

僕にとって『We Are Young』は偶然の出会いだったが、その出会いが僕を変えてくれた。
もし偶然このnoteに出会ってくれた人が、少しでも前向きになってくれたら嬉しい。



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